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趣味・生活

2022.09.14

浦和Stories vol.12|フラワーデザイナー・馬渕文子さんインタビュー

毎回、浦和にゆかりのある方にご登場いただき、エピソードを通じて、上質で新しいものを生み出す「浦和」の街と人の魅力を伝える「浦和Stories」。
今回は、浦和にある花工房「Akalapua(アカラプア)」代表の馬渕文子さんが、浦和住宅展示場Miraizuでイベントをされているということでお話を伺いました。

INDEX

――もとは、インテリアコーディネーターとして活躍されていましたね。フラワーデザイナーになるきっかけは何でしたか?

馬渕さん:はい、以前に勤めていた総合商社では、住宅の新築やリフォームのインテリアコーディネートを手掛けていました。住居の完成の際に入る撮影やメディアの取材が主でしたね。そこで欠かせないのが、花でした。住居に住まう人と、生きもの、つまり生花などをコーディネートすることで、明るく快活な空間になり、「生きた作品」になるんです。こうした花のポテンシャルの高さに惹かれていったんですね。

――趣味ではなく、仕事としてフラワーデザイナーに転身されたのはなぜでしょうか?

馬渕さん:花のある空間は明るさや癒しを与えてくれるんです。私は、この先も自分の人生で花に長く携わっていきたい。そうであれば、趣味ではなく、花をライフワークにしたいと思い、花に特化した職業として心機一転、フラワーデザイナーの道に進みました。

また、思い起こせば、私の母も花が大好きで、家にはいつも花が飾られていました。だから、花のある暮らしが私にとっては当たり前でしたね。1から出直すことは大変でしたが、心が華やぎ、癒される「花」に携わることができると思うと、無我夢中で頑張れました。

――フラワーデザインの勉強をされた後、今の会社を設立。現在は東浦和と東川口にフラワーショップを開かれていますね。馬渕さんにとって、浦和はどんな街ですか?

馬渕さん: 浦和の街は、別所沼をはじめ、とても自然豊か。身近なところに花があって、心も豊かに暮らせる場所だと感じています。また、私にとっては前職からかぞえて36年、今もなお、住まいや仕事も浦和ですから、切っても切り離せない不可欠な場所ですね。

――また、埼玉県内外でフラワーアレンジメントの教室もされていますが、現在は「花育」にも注力されていますね。何がきっかけだったのでしょうか?

馬渕さん:10年ほど前に浦和美園駅でのイベントで、子ども向けのワークショップをやったんです。その時は、1回に50人ほど集まったんですね。駅の方も驚かれていました(笑)

それまでは、私の教室は癒しや芸術性を目的とした大人向けのフラワーアレンジメントでしたし、自分が作っている花のテーマも世界平和や花を通じて日本の古き良き文化の発信が主でした。でも、このイベントの子どもたちは、とてもきれいに花を飾ってくれて。「子どもたちって、こんなに喜んで花を飾ってくれるんだ」と思ったことが、「花育」のきっかけになりましたね。

――「花育」では子どもたちにどのようなことを伝えていますか?

馬渕さん:私の「花育」では「優しい心」「集中力」「色彩感覚」「自由な発想」という4つのテーマを設けています。

花は優しく扱わないとしおれてしまいます。でも、扱い方の分からない子どもたちは、花を見てテンションが上がってしまうこともあって、ギュッと強く持ってしまうんですね。そこで、子どもたちは花がデリケートなものだと知り、優しく扱うようになります。この感覚を通じ、他者を思いやる気持ちや優しさ、慈しみの心を育みます。

また、花を活けるときにはハサミや剣山を用いますが、このような刃物類は集中して取り扱わなければなりません。このことは集中力を高める鍛錬にもなり、集中力が高まることで学力向上にもつながります。

そして「色彩感覚」や「自由な発想」に関しては、花の色数はたくさんあり、花の組み合わせも無限大。自由にのびのびと自己表現することで、個性豊かな色彩感覚や芸術性を育めます。完成した作品の良さを互いに評することは、多様なコミュニケーション能力の向上にも。それから、子どもたちの花の選び方により、子どもそれぞれの感情を推し量ることができます。

子どもたちには、実際に花にふれる作品作りを通じて、互いの多様性を認め、相手の気持ちに寄り添う優しい気持ちを育んでもらいたいと願っています。

――今後はどのような活動をされていきますか?

馬渕さん:浦和に住んで22年。生活も仕事もすべて浦和が私にとっても活動拠点です。ですから、浦和の街に恩返しがしたいと常日ごろ思っています。
浦和の地元を中心に子どもたちの「花育」を続けていきますが、今後は大人向けの「花育」もやりたいですね。花にふれることで心が癒され、元気チャージをしてもらえたらうれしいです。それから、花に癒される空間を提供するカフェもやってみたいですね。まだまだ、花を通じてやりたいことは尽きません(笑)

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自然が身近にあり、緑豊かな浦和の街は、心も豊かに暮らせると話してくれた馬渕さん。取材を進めていくと、ゆとりと気品のある馬渕さんご自身が、それを裏打ちしているように感じました。「花育」で、浦和の子どもたちは、個性を大切にした心豊かな大人に育っていくことでしょう。

取材協力

馬渕文子さん(花工房「Akalapua」代表/フラワーデザイナー)

福島県出身。浦和区在住歴22年。
総合商社の浦和支社にて、住宅の新築やリフォームのインテリアコーディネーターとして活躍。そして、インテリアコーディネートに欠かせない「花」の可能性に魅了され、花に特化した仕事をライフワークにしたいとフラワーデザイナーに転身。現在は、「Akalaフラワーショップ」東浦和店、東川口店を展開するほか、浦和地域や都内でフラワーアレンジメント教室を主宰している。

しあわせの花づくりakala https://www.akalapua.com/

写真/織田桂子 取材・文・編集/山口瑠美子(ピースなじかん編集部)

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