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家づくりの雑学

2020.12.25

狭い子ども部屋でも工夫次第で快適に! 失敗例から学ぶ快適な間取りとは?

子ども部屋の間取りで失敗したという声は意外と多いもの。たとえば、部屋が狭くてベッドがうまくレイアウトできない、収納が足りなくて片付けがしにくい、さらには、快適にし過ぎて部屋にこもってしまう……、なんてお悩みも。今回は、子ども部屋でよくある間取りの失敗事例と、狭くても使い勝手のよい間取り例をご紹介します。

INDEX

「密室化」「空き部屋化」「勉強に集中できない」など、子ども部屋の間取りでよくある失敗例

意外と失敗が多い子ども部屋の間取り。子どもの独立後は空き部屋になってしまうことも。

子ども部屋の間取りを考える際に、押さえておきたいポイントは3つあります。

1つめは、密室化を防ぎながらも、子どものプライバシーが守られる作りにしておくことです。

最近では、家族とコミュニケーションを取りやすくするために、リビングの隣に子ども部屋を設ける間取りもあります。その場合、家族と顔を合わせやすいメリットはありますが、一方でテレビの音が気になって勉強に集中できない、思春期にプライバシーを確保するのが難しいなどの問題が起きやすくなります。

かといって、居心地がよすぎる子ども部屋にしてしまうと、部屋にこもってしまう心配も。子ども部屋は家族と程よくコミュニケーションを取りながら、密室化を防ぐ工夫が必要です。

2つめは、子どもの成長に合わせて、部屋も成長できるようにしておくことです。

たとえば、収納ひとつとっても、身長によって使いやすい高さが変わります。小学校低学年から高校生までの10年ほどの間に、男児は平均55cm、女児でも平均43cmも身長が伸びる可能性があることから、その変化を見越した収納プランが必要です。

もちろん、成長に合わせて収納する物も変化していきます。衣類は畳んでしまう服から吊るしてしまう服が中心となり、床に寝そべって読んでいた絵本は、机に向かって読む参考書に。おもちゃはスマホやパソコンへと変わっていくでしょう。

これだけ短期間に生活スタイルが変化するのは子ども部屋だけ。その成長に合わせて部屋もフレキシブルに変化できるように考えておくことが大切です。

3つめは、子どもが巣立った後の部屋の使い道を考えておくことです。

子ども部屋を使う期間は意外と短いものです。だいたい小学校の低学年から独立するまでで、ご家庭にもよりますが10年~20年程度でしょう。よく耳にするのが、子どもが巣立った後、子ども部屋が空き部屋になり、持て余しているという悩みです。

リフォームでも、納戸化した子ども部屋を何とかしたいという声は多いので、子どもが巣立った後の部屋の使い道を前もって考えておくことも大切でしょう。

それでは、子ども部屋の間取りでよく聞く失敗事例をいくつかご紹介しましょう。

  1. きょうだい で1つの子ども部屋を使っているが、大きくなるにつれてストレスが溜まるようだ
  2. 1部屋を2つに分けて使っているが、片方に窓がなくて暗く、風通しも悪い
  3. 玄関から家族に会わずに子ども部屋へ出入りができるので、密室化の不安がある
  4. 密室化させないよう、リビングから出入りをするようにしたら落ち着かないようだ
  5. 密室化を防ごうと透明ガラス入りのドアを付けたら、部屋の中が丸見えで嫌がられた
  6. 子ども部屋の面積を広く取って居心地をよくしたら、部屋にこもるようになった
  7. 子ども部屋の収納が不足していて、部屋が片付かない
  8. 家具を購入して子ども部屋に置いたが、成長とともに使いにくさを感じるようになった
  9. 子どもの独立後、部屋の使い道がなく、放置されていてかび臭い
  10. 子ども部屋を西向きにしたら、夏の夜は暑くて寝苦しく、朝起きるのが辛いようだ
  11. ロフトに子ども部屋を作ったら、断熱不足で夏は暑くていられない
  12. 子ども部屋のインテリアは親が決めたが、子どもの好みではないようだ
  13. 照明はもっとよいものにすればよかった。目に負担がかかりそうで心配

それでは子ども部屋の上手なプランニングと、快適な間取り例をご紹介しましょう。

狭くても快適な子ども部屋は作れる!家具を使った変化する間取り

子ども部屋の間取りを考える際は、子どもの人数に合わせて部屋を作るのではなく、1つの大きな空間を子どもの成長や生活スタイルの変化に合わせて、エリア分けしてみましょう。

造作家具を使えば、間取りをフレキシブルに変化させることができるので、子どもから大人になるまで、そして、独立後も使いやすい部屋になります。また造作家具は空間を有効活用できるので、狭くても快適な子ども部屋が作れます。

図面:部屋を間仕切ることができるような家具を使えば、成長に合わせて快適な子ども部屋が作れます。間取り図で使用している家具はクローゼットです。ほかにも本棚や二段ベッドで仕切る方法もあります。

上記は、子どもの成長に合わせて、造作家具で空間をエリア分けする間取り例です。間仕切りに用いる家具は、後に移動や組み換え、買い足しができるものを選びましょう。簡単に移動できる仕組みの家具もあります。

子どもたちが小さなころは、家具を壁に寄せて、大きなワンルームに。これなら親子で一緒に寝ることも可能です。少し大きくなったら、子どもたちだけのベッドルームと、共用の勉強コーナーに(図面:①)。ここまではエアコンは1台で大丈夫です。

思春期になったら、家具で部屋を2つに分け、それぞれの個室としてプライバシーを守る工夫をしましょう(図面:②)。子どもたちが巣立ったら、またワンルームに戻して趣味の部屋にするもよし、大きめの夫婦の寝室にするもよし(図面:③)。家具を使ってエリア分けをしておけば、後で再活用がしやすくなります。

注意点は、部屋を2つに分けたときのことを考えてそれぞれに窓とドア、そしてエアコン用のコンセントを取り付けておくこと。

また密室化を防ぐ方法としては、廊下との間仕切り壁に室内窓を取り付けたり、ドアにガラスを入れたりするのもよいでしょう。その際は、子どもたちのプライバシーを守れるよう、ブラインドやスクリーンを取り付けておきましょう。

ベッドの配置を工夫することで、狭くても使い勝手のよい子ども部屋になります。

狭い子ども部屋でも造作家具を使えば、空間を効率よく活用でき、機能的な子ども部屋が作れます。そのときにカギとなるのがベッドのレイアウトです。

シングルベッドは約1m×2mほどのサイズがあり、子ども部屋に置く家具の中では最大の大きさです。たとえば、4.5畳の部屋なら、内法はおよそ2.5m×2.5mですから、それだけでもういっぱいに。

そんなときも造作家具が大活躍! たとえば、ベッドを空中に浮かせ、その下を机や収納スペースにすれば、狭くても使い勝手のよい子ども部屋になります。

子ども部屋は、親子関係や子どもの自立のスピードにも影響を与えるといわれています。子どもたちが毎日を楽しく健やかに過ごすことができ、また家族と程よいコミュニケーションが取れる間取りを考えてみてください。

住宅展示場では、さまざまな工夫が凝らされた子ども部屋を実際に体感することができます。理想の子ども部屋を見つけに、親子そろって住宅展示場に出かけてみてくださいね。

執筆・情報提供

尾間 紫(住宅・リフォームコンサルタント/一級建築士/インテリアプランナー/インテリアコーディネーター)

一級建築士事務所 OfficeYuu 代表。
生活情報サイトAll Aboutリフォームのオフィシャルガイドとして業者選びからプランの立て方など実践的ノウハウを発信。テレビや雑誌、新聞掲載、講演などで活躍している。

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