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家づくりの雑学

2024.04.20

整形地・不整形地はどのような土地?メリットやデメリット、用途を解説

近年、宅地の所有者の世代交代が進み、都心部のとても立地の良い場所に不整形地や狭小地が売り出されるケースが増えてきました。不整形地を買って家を建て、後悔するような点はあるのでしょうか?

本記事では不整形地のメリット・デメリットやうまく利用して家を建てる方法を解説しますので、お得な家づくりを検討される方はぜひ参考にしてください。

INDEX

整形地・不整形地とは?

整形地は、当初から正方形や長方形に整形された土地のことです。道路への接し方も最初から考えられている場合が多く、家づくりの用途に適した土地として企画されています。

都市計画で、街ぐるみで地主の理解を得たうえですべての土地を整形地につくり直し、道路や公園などの都市施設を整える事業を区画整理といい、市街化を進める手段として行われるものです。

しかし整形されていない土地は、むしろ市街化区域内の古くからの宅地にあることが多く、法規制が緩やかだった時代の区割りが、既存の宅地や、住宅地の間にある不整形地として残っています。

不整形地(読み方はふせいけいち)は、以下のような土地の総称です。

  • ● 三角形・台形・平行四辺形の土地
  • ● 通りへ出るための通路を含んだ旗竿地(敷地延長)
  • ● 傾斜地
  • ● 角地の隅切り
  • ● ギザギザの土地境界
  • ● 土地にへこみやでっぱりがある場合

不整形地は利用する際に不都合を抱えることが多いですが、かといって人気がないわけではありません。次項でご説明します。

整形地のメリット・デメリット

整形地のメリットは何といっても「家づくりがしやすい」点です。土地の形や接道状況に無理な点が少ないので、建物の配置や間取りを自由に考えやすくなります。

そして土地の利用のしやすさは基本的に継続するため、将来売るとなった際も、高く売ることができます。

また、風水に興味がある方にとっては、土地の形も気になる要素です。風水上で健康や金運などを高めてくれるのは、正方形や長方形の単純な形の土地や建物であるとされています。

つづいて整形地のデメリットです。整形地は新しく開発された土地であることも多く、周囲の環境が最初から生活向きに整っていない場合もあります。

また、整形地といっても法令上の制限は受けるため、確認が足りないと、周囲の環境によって思い通りの間取りにできなかったということは起こり得るでしょう。

また、整形地は資産価値が高い分、価格や固定資産税額も相応に高くなります。

不整形地のメリット・デメリット

不整形地の最大のメリットは、取得費と維持費が安いことです。

取得費が安く済めば、予算内で立地の良い場所に家をつくれるでしょう。

維持費について、自治体は土地の利用価値を資産価値に反映させるために固定資産税評価額を決めていますが、不整形地はこの評価額が整形地と同じではありません。

不整形地の価額を評価する場合は、土地の形状に応じて、以下の4つの方法のいずれかで正確な評価をします。

  • ● 不整形地を区分して、整形地に分けて計算する方法
  • ● 不整形地の面積を間口距離で割った計算上の奥行で求めた整形地で計算する方法
  • ● 不整形地に近似する整形地を基に計算する方法
  • ● 隣接の整形地を含む全体の整形地から隣接の整形地を差し引く方法

また、傾斜地(がけ地)の場合は以下のように計算します。

  • ● がけ地等でないとした場合の価額に、その宅地の総地積に対するがけ地部分の地積の割合に応じて「がけ地補正率表」の補正率を掛けて計算する。

不整形地の評価|国税庁

上記の方法で計算された結果、同様の面積の周辺の土地に比べて40%程度の税額の評価となることもあり、それが固定資産税、都市計画税のほか、相続税にも反映されることになるでしょう。

また、不整形地はその環境が好まれることもあります。たとえば旗竿地は周囲の土地や家屋に囲まれてプライバシーが守りやすく、静かだという評価もできます。

また、傾斜地はその地形から、活用法によってはひな壇のような採光、通風、景観を生む場合があるでしょう。そのほか傾斜地の高低差を活かして容積率に算入されないスペースの設置などが可能な場合もあります。

対して不整形地のおもなデメリットは建物をつくりにくい、売るときは安く評価される、風水上難しい土地も多いなどが挙げられるでしょう。

また、不整形地は家をつくる際にコストが上がることが多いです。傾斜地の場合の造成費用や、建材や什器の搬入が困難な場合の追加費用、建物の形が複雑になって、設計や施工にコストが余計にかかるなどがあります。

不整形地を整形地にする方法

不整形地を整形地にする一般的な方法は、隣地を買い増して土地の形を変える方法です。ただし隣地の所有者の方がそれに同意してくれるか、価格が折り合うかなどは、交渉してみなければ分かりません。

逆に将来隣地の方に買ってもらうことで、土地自体が資産価値を持つようになることもあり得るでしょう。そのような隣地取得の場合は、相場よりも高めの価格で取引が成立します。

傾斜地の場合、家が建てられる平らな土地をつくるための造成をおこないます。斜面の高いほうの土を削り(切土)、低いほうに移して(盛土)低い側の端に擁壁をつくるのが、一般的な造成方法です。

傾斜地の造成は、盛土と擁壁部分が大雨災害などで崩れやすいのが弱点になるほか、前述のように工事費用がかかります。

不整形地を取得する場合に気を付けること

不整形地を取得して家をつくろうと考えた場合に、後悔しないために気を付けることとは、何でしょうか?

不整形地は、住宅地として使用されていなかった宅地の間の土地も多いため、まずは接道や、建物を施工した場合の隣地との距離、建物の高さ設定・斜線制限など、家づくりが可能かを確認しましょう。

また、以下の表のような追加コストが発生しても総予算に収まるか、維持費で元が取れるか、それだけのメリットのある立地かなどについての判断をおこないましょう。

不整形地で考えられる追加予算(どこまでかけられるか)

目的 予算
整形のための買い増し ・購入費・交渉費用・追加の測量・登記費用
傾斜地の造成 ・地盤調査費用・地盤改良費用・斜面の造成・擁壁の施工
建物の設計・施工 ・複雑な形状の建物の設計費、施工費、材料費
・資材や什器が搬入できない場合の追加建築費

不整形地に家を建てる際のポイント

不整形地で家を建てるのは確かにクリアすべき問題が多いのですが、以下のようなポイントを踏まえた工夫で、不利な点を解決したり活かしたりが可能です。

三角地などの形に特徴のある土地は、建物を四角形に設け、残りを庭や駐車場に活用できれば、使い勝手も良く、風水上も良い家ができます。

傾斜地の場合は半地下の居室や、浸水や排水に問題がなければ半地下の車庫を設けて、容積率に算入されないスペースを生む工夫がよくおこなわれています。

旗竿地も駐車スペースや、植栽を工夫したプロムナードとして有効利用しましょう。

傾斜地や周囲を建物で囲まれた旗竿地は、まわりからの視線の方向に応じてリビングを2階に設けたり、リビングの向きを工夫したりしてプライバシーや採光の問題に対応しましょう。

傾斜地は平らに造成せず、山間部や高原の別荘などによくある、高い部分の平屋と低い部分の2階屋を横に連結した建物づくりも可能です。

隅切り予定地の三角部分には、門扉や塀、フェンスなどを設けることができません。この部分には隅切り線に沿った斜めの壁をつくって、表札をかかげるなどをします。

隅切り予定の場合、土地面積の一部のままの場合もあるので、隅切り後の建ぺい率・容積率で建物を設計するようにし、あとで法律の基準に合わない既存不適格建築物にならないように注意しましょう。

まとめ

不整形地のメリット・デメリットや、うまく利用して家を建てる方法を解説しました。

不整形地は、まず「家をつくるのに適した土地か」という測量や建築上の判断があり、その次に、「家族の要望に適した家づくりが可能な場所か」という施主としての判断を要します。

上記の2点をクリアできれば、立地上価値の高いエリアに維持費のお得な家を持つことができるでしょう。

建築の際は、既存のプランを当てはめにくいケースもあるかもしれません。しかし「ここに予算内で住みたい!」というケースでは、不動産会社や建築会社に相談し、希望するエリアに物件が出るのを待つのも良いでしょう。

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この記事はハウジングステージ編集部が提供しています。

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