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家づくりの雑学

2024.10.11

家のメンテナンスが必要な個所はどこ?時期や費用の目安をわかりやすく解説

最終更新日:2025/08/26

メンテナンスが必要な箇所と時期を把握しておくことは、住まいを維持管理していくうえでとても大切です。

戸建てのメンテナンスを正しい時期に行うことで、大事なマイホームを長く良い状態で維持でき、長い目で見た維持コストの削減も可能でしょう。

本記事では、戸建ての家のメンテナンスが必要な箇所について、築年数ごとに分かりやすく解説します。メンテナンスに関する注意点もご紹介しますので、今後の住まいの維持に役立ててください。

INDEX

戸建てのメンテナンスの必要性・メリットとは?

戸建ての家屋は、経年変化のほか、日差しの紫外線、雨風、地震などの災害によって、必ず各部に傷みが生じます。

これらの傷みを放置したままにすると、家は最短で修復不可能な状態=寿命を迎えることになります。しかし、必要な時期にメンテナンスを行うことで、寿命までの年数は大幅に伸ばすことができるでしょう。

また、放置した期間が長いと、傷みの進行によって深刻なダメージを受ける場合もあります。したがって、適切なタイミングで対応すれば、長期間にわたって維持コストを抑え、資産価値を保つことが可能です。

実際の家の寿命は、資産価値の基準で設定される耐用年数とは異なり、使用された建材や建物の立地、メンテナンスの頻度で違いが出ます。そのため、定期的なチェックで、家を良い状態に保つ対策をすることが大切です。

とはいえ、不要不急に感じがちな住まいの手入れは、後手に回りがち。以下は、推奨時期を守ってメンテナンスを行った割合がどのくらいか、箇所別に調べた結果です。

推奨時期までにメンテナンスをした人の割合(カッコ内は推奨時期)

引越し侍調べ

戸建てでメンテナンスが必要な主な箇所

この項では、家のメンテナンスを行ううえで、チェックや施工が必要な主要箇所をご紹介します。

・外壁

家の外壁は、表面塗装の変質が原因で表面を触ると指が白くなるチョーキングをはじめ、表面のひび割れや塗装の剥がれ、目地の剥がれなどに対策が必要です。ひび割れは、ひびの長さや幅で補修の方法を検討します。

外壁材は各種サイディング、モルタル、天然木、漆喰などさまざまな種類があって、メンテナンスの周期や補修の方法も異なります。以下のチャートも参考にしてみてください。

※カバー=重ね張り工事

・屋根

屋根は直射日光など天候の影響を受けやすく、いつのまにか傷みが進むことがあります。部分補修が必要な箇所などは、プロ以外ではチェックが難しいため、業者への定期的なチェック依頼がおすすめです。

壁面同様、素材の種類によってメンテナンスの周期や方法が異なります。たとえばスレート屋根は塗装が必要ですが、粘土瓦屋根は部分交換以外は30~50年以上と長期的に交換不要です。

・クロス

内壁のクロスは経年変化による剥がれ、クリーニングでは対応できない変色や汚れなどが起こります。また、結露などによる傷みも生じる場合があるでしょう。

張り替えることでお部屋の雰囲気を大きく変えられるため、やりがいのあるメンテナンスでもあります。

塗り壁などの内壁も、剥がれに応じて部分、あるいは全体の塗り直しを行う場合があります。

・床

床は、床表面の床材そのもののほか、根太などの床を支える構造材に補修が必要なことがあります。たわみやきしみ、変色、割れなどがある場合、床の張り替えを検討しましょう。

床下の見えない部分に腐食や破断、蟻の害などの傷みが起きていないか、チェックして対応することも大切です。

・水回り

浴室やトイレ、キッチンなどの水回りは、使用頻度が高く湿気によって劣化もしやすいため、メンテナンスが重要な箇所です。

放置するとさびや腐食から水漏れを起こす可能性があるので、実際に問題が起きる前に交換などを行いましょう。

このほか、給湯やエアコン、太陽光発電などの設備、フェンスやカーポートなどの外構も、修理交換だけでなくメンテナンスの対象となる場合があります。

以下は、過去5年に家をメンテナンスした箇所についてのアンケートです。家の傷みに備えて行う項目とはあまり一致していないといえるでしょう。

戸建ての家におけるメンテナンス一覧

家の箇所ごとに、メンテナンスの時期が異なるのは面倒な要素ですが、あらかじめ計画して進めていくのが理想です。以下は箇所ごとの施工内容と、行う適期の目安を示しています。

メンテナンスの箇所 メンテナンスの内容 メンテナンス時期
外壁 塗装 10年
外壁 シーリング打ち換え 10年
屋根 塗装 10年
水回り 交換 10年
クロス 張り替え 10年
床(畳) 表替え 10年
給湯器 交換 10年
屋根 瓦交換 20年
雨どい 交換 20年
床(フローリング) 張り替え 20年
床(畳) 交換 30年
玄関ドア 交換 30年
交換 30年
給水・排水設備 交換 30年

株式会社四季工房

上記があくまで目安である理由は、住まいの設備や建材のグレード、エリアによる気候や地理条件の差などで施工内容や年数に開きが出るためです。

たとえば、前回長持ちするグレードの高い塗料で施工していた場合、次回の外壁塗装は数年あとでも大丈夫かもしれません。

また、海沿いの地域の場合は傷みが早く、金属系のサイディングや玄関ドアには、早く手を入れなければならないことも。

住まいの施工会社や、施工した専門知識があり信頼できる業者と相談しながらメンテナンス時期を検討してください。

戸建てに必要なメンテナンスと費用目安《築年数5年~10年》

築年数5年~10年では、家の傷み具合にはあまり変化がないように感じるかもしれません。しかし建物の立地や使用している建材によっては、問題が起きている可能性があり、外壁・屋根・水回り・クロス・床・給湯器などはひととおりチェックしましょう。

なかでも補修の必要な可能性が高いのは、内壁のクロスと外壁シーリングの2点です。また、屋根材の種類や状態によっては、7~15年くらいで屋根の再塗装や部分補修が必要な場合があります。

・クロスの張り替え

室内のクロスは、気付かないうちに汚れや剥がれが目立つようになっています。新築からのこの時期は、子どものいたずらも考えられるため、必要に応じて張り替えを行います。

張り替え費用の相場は、6畳で4~7万円、別に諸経費として1~3万円が必要です。使用する壁紙のグレードによって費用には開きが出ます。

・シーリングの打ち替え

サイディングなどの外壁では、壁材のすき間を埋めて緩衝材・防水材として機能するシーリングの処理がされています。シーリングは10年を目安に経年劣化でひび割れが生じてきます。

シーリングを打ち替える費用の目安は、10~20万円です。外壁塗装とタイミングを合わせられるようであれば、足場の費用が1回で済むため、おすすめです。しかし塗装の寿命は塗料の種類によって大きく異なり、フッ素樹脂塗料などの場合は20年くらい持つこともあります。

戸建てに必要なメンテナンスと費用目安《築年数10年~15年》

良い建材を使って建てられた家も、10年を過ぎると「今、手を入れれば安く済む」という箇所が必ず出てきます。また、キッチンや給湯器などの水回り設備、エアコンなどの交換の必要性もしっかりチェックを行いましょう。

・水回りの設備交換

水回りの設備は使用頻度が高く、新築後10年以降で故障や不調などのトラブルが生じ始めます。水回りは使えなくなると即対応が必要です。これを機にグレードアップも視野に、交換を検討しましょう。

水漏れや水勢調整なら修繕で済むこともありますが、レンジフードや洗面化粧台などは、使い勝手の要望に合わせて交換となるケースも多いようです。

主な工事費用の相場は以下です。

項目 価格
レンジフードを交換 5~30万円
コンロ交換 5~30万円
洗面化粧台一式を交換 10~50万円
排水管点検 数千~3万円
高圧洗浄 1~3万円

・畳の表替え

和室の畳は10~15年で表替えを行いましょう。畳表は日焼けによる変色、肌触りの悪化、虫の発生などが起こるためです。

表替えとは、表面のい草で織った畳表の部分を新調することですが、費用の相場は1畳あたり4,000〜1万3,000円です。畳表のグレードによっても価格に幅があります。

表替えのほか、畳の傷みが少ない場合は、畳の裏返しで対応できることもあります。裏返しの費用相場は1畳4,000〜9,000円です。

・給湯器の交換

給湯器は、10年から15年の経過で、劣化により不具合が生じるケースが多くなります。

給湯器が故障した場合、お湯が出なくなるため、事前にメンテナンス時期の目安を把握し費用も備えておきましょう。給湯器の交換費用は、10~40万円(給湯のみ)が相場です。

・外壁の塗装工事

前述のように、外壁は塗料の種類によって再塗装までの期間が大きく異なります。しかし15年までの経過で、ウレタン樹脂、アクリル樹脂のほか、もっともよく使用されるシリコン樹脂塗料が寿命を迎えていると考えられます。

外壁塗装工事の費用相場は、30坪の戸建てで80~120万円です。次項の屋根塗装と同時に施工できれば総額はかかりますが、足場の費用20万円前後が1回で済むため、トータルで節約となります。

関連記事:
外壁を塗り壁にするメリット・デメリットとは?種類や費用をもとに解説|注文住宅のハウジングステージ

・屋根の塗装工事

屋根材は粘土瓦のように、塗装の不要なものもあります。しかし、ほとんどの場合15年以内に1度塗装を行うことで、外観の美しさだけでなく、屋根下の建材の腐食や雨漏りを防ぐことにつながります。

屋根塗装の費用の目安は、20~40万円です。使用する塗料のグレードや、ソーラーパネルの有無などによって費用が変わります。

屋根に断熱塗料を使用すると、光熱費の削減や快適性のアップにつながります。

戸建てに必要なメンテナンスと費用目安《築年数15年~20年》

ハウスメーカーの初期保証は法定で10年が定められていますが、サービスの保証や無償点検は20年目に設定されていることも多いです。

この時期にしっかり点検を行い、必要な部分はメンテナンスをしておきたいものです。

・外壁の重ね張り工事

外壁の補修が塗装では難しい場合、カバー工法といって、既存の外壁のうえから金属や樹脂のサイディングを重ね張りする工事を行います。費用の相場は200万円前後です。

費用はかかりますが、外観は見違えるようになります。しかし、早期のカバー工法に至らないよう、早めの時期に塗装などのメンテナンスを行うようにしましょう。

・屋根の重ね張り工事

外壁同様、屋根でも既存の屋根の上から新しい屋根材を張るカバー工法の工事を行うことがあります。

費用の目安は80~150万円です。重ね張りでは補修が困難な場合、70~200万円以上の予算で葺き替え工事を行うことになります。

・雨どいの交換

雨どいの経年劣化は、外気、日差し、水圧などの要素で進み、15年をめどに交換時期となります。雨どいの劣化は雨水の排水がうまくできないことで外壁を濡らすなどで、家の傷みも進行させます。

雨どい交換の費用は、支える金具を流用するか交換するかなどで違いが出ますが、20~70万円が目安です。すべて交換する場合、足場を組む必要があるため、高額となります。

・フローリングの張り替え

内装のフローリングは、きしみやキズ、変色などに応じて張り替える工事を行います。フローリングの劣化状況に応じて、張り替えや重ね張りを行います。

費用の目安は6畳で10~50万円です。

・照明や網戸の交換

LED一体照明は10~20年で交換時期となります。吹き抜けなどの高所は危険を伴うため、業者に依頼する必要があります。費用は10〜40万円が相場です。

網戸は破れや劣化に応じて随時交換しますが、一斉に行うことで幾分安く、また、次回の交換時期が分かりやすくなります。費用は1箇所につき5,000~1万円がかかります。

戸建てに必要なメンテナンスと費用目安《築年数20年~30年》

この時期には、今まで修繕や塗装などで維持してきた箇所の交換作業が増えてきます。家の維持や相続を考える時期でもあり、今後のことも視野に入れ、住み続けるか、資産価値をキープするかなどの点をふくめてメンテナンスを検討しましょう。

・畳の交換

20~30年が経過した畳は、畳内部の傷みに対応するために、本体ごと交換を行います。費用目安は6畳で6~20万円です。使用する畳の縁、畳表、畳床のグレードによって価格が大きく変わります。

・玄関ドアの交換

家の顔である玄関扉も、経年劣化で外見の劣化や不具合が生じます。この時期にはバリアフリー対応も意識して、交換を検討しましょう。

費用の相場は10~50万円で、玄関扉のグレードによって価格が大きく変わります。新しいドアの枠に合わせて壁を加工するのは大工事となるため、ほとんどの場合枠を残して交換するカバー工法で施工します。

・窓の交換

サッシの立てつけなどの不具合は、レールの調整や戸車の交換などで対応ができますが、最新の窓は高い機能性を付加した商品が増えました。防犯、防音、断熱など目的に応じて交換するのも有効な方法です。

通常タイプの窓交換の費用相場は以下です。(カバー工法の場合)

  • ● 120×170cmの窓本体+工事費……4万円前後
  • ● 180×170cmの窓本体+工事費……5万円前後

・給水・排水設備の交換

給水・排水設備は老朽化や、地震の揺れなど想定外の衝撃から損傷することがあります。わずかな水漏れでも、見えない箇所で長く続いた場合、家の湿気やカビなどのダメージを及ぼすこともあります。

点検だけならば無料で、部分補修は1万円ほどで可能ですが、給水管の更新工事の場合、10から1000万円が相場です。

・2回目の張り替え・交換

修繕や交換は、それぞれの箇所のメンテナンスサイクルがあるため、5年~10年目の項目でご紹介したクロスの張り替え、シーリングの打ち替え、水回り設備の交換などをここで再度検討する時期となります。

今後も住み続ける前提である場合、ここでしっかり手を入れることで家の各箇所をリフレッシュしましょう。

戸建てに必要なメンテナンスと費用目安《築30年以上》

30年以上を経過した家屋の場合、今までメンテナンス不足であった場合は内外装の全面リフォームを、メンテナンスが適切に行われていた場合でも、構造体を点検のうえ問題があれば補修工事を行います。

・内外装の全面リフォーム

内外装の全面リフォームは、古民家の保存や、再建築不可の立地上で家屋を維持するケースなどで行われることが多いです。必要な費用の目安は、800~2,000万円とかさみますが、住み心地や光熱費の経済性は大幅に向上し、外観も新築のように蘇ります。

・構造体のリフォーム

内外装のメンテナンスが行き届いている場合でも、構造体の腐食などには注意が必要です。建材の劣化に応じて交換する施工を行いましょう。

費用の目安は、20~300万円となります。築30年以上の家は、メンテナンス内容・必要な費用が、新築からのメンテナンス歴によって大きく異なります。家全体の劣化が激しいようであれば、建て替えも検討しましょう。

関連記事:
家の建て替えに必要な費用はいくら?利用できる補助金も紹介|住宅展示場のハウジングステージ
家の建て替え費用の相場は?内訳、手順、期間などを紹介|住宅展示場のハウジングステージ

戸建てのメンテナンスをする際の注意点

この項では、戸建てを長期間にわたって良い状態に保つために、何が必要かを解説します。事前のチェックと準備がメンテナンスをスムーズにし、コストを抑えるコツです。

日頃から劣化の兆候をチェックする

建物の傷みは、始まると加速度的に進行するため、早い段階で問題箇所を見つけて対処することで、修繕コストを抑えることができます。

たとえば外壁の状態は定期的に観察し、部分補修で対応しながら、塗装を行う時期の判断をしましょう。

床下や押し入れ、シンク下、洗面台下などのカビの匂いには敏感になり、水漏れの兆候を逃さないようにすることが大切です。

定期的に水回りの清掃や手入れをする

定期的に水回りの清掃・手入れを行うことで配管の詰まりや傷みに対応しつつ、給排水や換気扇の交換時期を検討しましょう。換気扇は音が大きくなったり、汚れが落ちにくくなったりしていないか、排水溝は流れる速度が遅くなっていないかなどに注意します。

メンテナンス費用を予算化しておく

故障や不調などが起きる前に対処していくのが、もっともコストを抑えられ、理想的な家のメンテナンス方法ですが、なかなか計画的にはいきません。

事前に予算化して蓄えておけば、10年、20年、30年後の想定外の出費にあわてずに済み、安心です。

以下は、メンテナンスの依頼先に関するアンケート結果です。ハウスメーカーの長期保証でメンテナンスを行っている方も28.4%とかなりの割合となります。

「ハウスメーカーの保証は少し過剰では?」と思える場合もありますが、本来の家の寿命を維持するうえで安心で、費用が事前に分かりやすいのも利点でしょう。

家のメンテナンスの依頼先は?

家のメンテナンスコストを抑える方法

実施するためには、相応の予算を要する家のメンテナンス。積み立てが足りない、予定外の修繕箇所が出たなど、やりくりが困難なことも多いでしょう。この項では、メンテナンスの際に少しでもコストを抑えるための方法をご紹介します。

新築時にメンテナンス費用を考慮しておく

家づくりの際に、建物の仕様の選択によってメンテナンスの費用に開きが出るのをご存知でしょうか。たとえば、外壁はモルタルなどの場合長期間を再塗装で維持できますが、サイディングの場合ある程度傷みが進行すると、重ね張りや張り替えが必要となり、高額の施工となります。
また、屋根材も大部分が寿命は平均して30~40年のところ、和瓦の場合は最長70~80年も維持することが可能です。

このほか、実際に年数が経過したのち、メーカーが推奨したり、予定したりしているメンテナンスプランに対して相見積もりを取り、コストの安いほうを選択することもできるでしょう。

タイミングや耐用年数の計算

何度か述べているように、足場を要する工事は、期間を計算して可能であれば1回にまとめると、別々に行うよりも15~25万円ほど足場関連費用が浮くことになります。

また、複数の工事の相見積もりを業者から得て比較することで、その時点での相場感が分かり、費用の全体像が掴みやすくなるでしょう。
施工のタイミングではほかにも、使用する塗料のグレードによって、施工後の耐用年数が変わる点は前述の通りですが、具体的には以下のような違いが出ます。

塗料の種類 耐久年数 費用(1㎡あたり) 特徴
アクリル塗料 5〜7年 約1,000〜1,500円 低価格・耐久性が低い
ウレタン塗料 7〜10年 約1,500〜2,500円 コストと耐久性のバランスが良好
シリコン塗料 10〜15年 約2,500〜4,000円 コスパが良く高人気
フッ素塗料 15〜20年 約3,500〜5,500円 耐久性抜群・高価
無機塗料 20〜25年 約4,500〜6,500円 超高耐久でメンテナンスが少なく済む

DIYでメンテナンス

家の傷みに対する対応であれば、以下のような内容をご自分で趣味を兼ねて直すことができれば、業者に依頼するよりもコストを抑えられます。

  • ● 壁紙の張り替えや塗装
  • ● フロアマット
  • ● 家具の塗装
  • ● 収納棚
  • ● ドアノブの交換
  • ● ベランダや庭の手入れ

自分で直すことで住まいに愛着がわき、また、住まいをよく見つめる機会にもなるでしょう。

専門性が高い施工、命綱の装着や足場などを組まないと危険を伴う施工、間取り変更などまで伴うリノベーションなどは、プロに任せるのがおすすめです。

自治体の補助金・助成金事業

家のメンテナンスで自治体が補助金や助成金を支給する理由は、以下が代表的なものです。

  • ● エコリフォーム
  • ● バリアフリー
  • ● 移住支援
  • ● 地域産業振興

バリアフリーと移住支援は家のメンテナンス目的外なので、エコリフォームと地域産業振興を目的とする事業に応募することになります。気密・断熱・エネルギーの自給・地元業者への施工依頼などを念頭に置いて検討しましょう。

補助金と助成金は混同されがちですが、違いがあります。

補助金は、特定の事業や目的のために使われる資金で、用途も限定されていることが多いです。たとえば省エネ設備の導入やバリアフリー工事に特化した補助金などがあります。一方助成金は、比較的幅広い目的で利用でき、リフォーム全般に使えるケースも。

補助金の申請手続きは一般的に、リフォーム工事の前に行います。所定の申請書類を準備し、工事内容の見積書や図面、申請者の身分証明書の写しなどを提出しましょう。審査が行われたのち、補助金が支給されます。なかには施工完了後に申請できる事業もあるため、申請のタイミングは必ず確認しておきましょう。

火災保険や地震保険

家の傷みが火災のほか、台風や雪災、地震など、自然災害などに起因する場合は、火災保険や地震保険が申請できます。認められる箇所は以下のように広範囲です。

屋外 家の外壁・家の屋根・エアコン室外機・家の窓ガラス・雨どい・ベランダ・玄関タイル・ドア・網戸

テレビアンテナ・ウッドデッキ・擁壁・ブロック塀・門・塀・フェンス

給湯器・ポスト・バルコニー雨戸・防犯カメラ・外灯・通気口(換気口)・給排水設備・水道管

家のカーポート・ガレージ・物置・蔵・ビニールハウス

屋内 家財・財物・電化製品

・洗面台・天井・床やフローリングのキズ・トイレ・クロス・壁紙・冷蔵庫・お風呂・浴槽・パソコン・テレビ

※地震保険は、家財以外は個別箇所の対応ではなく損害の程度に応じた給付。
傷みの原因が経年劣化や、故意・自己の過失による破損などの場合、被災してから3年を経過している場合などは、保険が下りないため、注意が必要です。

なお、損害保険は度重なる自然災害によって保険料の高騰や、引受用件・申請用件の厳格化が進んでいるため、加入の際にも金額や補償内容をよく検討しましょう。

戸建てのメンテナンスに関するよくあるQ&A

Q.外壁塗装のメンテナンスをしないとどうなるの?

外壁の劣化を放置して部分補修や再塗装を行わなかった場合、外観の色あせや汚れ、損傷以外に、外壁の内側の建材まで雨水が浸透するようになり、建物の本体を傷めます。

重ね張り工事では対応できず、張り替えとなった場合は、さらに多くの工賃がかかってしまうでしょう。

Q.家の修繕費がない場合の資金調達の方法・対処法は?

家の修繕費の蓄えがなく、メンテナンスが困難な場合は、リフォームを目的とするローンを組む方法があります。

リフォームローンは住宅の増改築・補修などのリフォームのほか、システムキッチンなどの設備交換、外構や庭・物置など住宅関連全般のリフォームに利用可能です。

また、メンテナンスの工事内容によっては、エコ関連などの助成金の対象となることもあります。管轄自治体の実施する制度があるかを確認してみましょう。

Q.家の修理に火災保険は使用できる?

家の修理に火災保険を利用できるケースは、修理が必要になった原因が経年劣化ではなく自然災害に起因する場合に限られます。受給が可能かの審査は年々厳しさを増しています。台風などの罹災に心当たりのある方も、一度保険会社に相談してみましょう。

リフォーム・リノベーションを検討中なら、モデルハウスを見学しませんか?

家を直す際には、設備や住宅性能などの機能を高める工事や、暮らしの変化に合わせた改築などもまとめて行うと、単独で行うより足場などの費用も節約でき、合理的でしょう。

水回りなどの最新の設備や内外装のデザイン、耐震・断熱・気密などの実際の仕上がりを知るために、住宅展示場の見学がおすすめです。

東京・埼玉・群馬など首都圏を中心に、多数の住宅展示場を開催するハウジングステージでは、最新の機能や安全性を持つ、一流ハウスメーカーのモデルハウスをご見学いただけます。

まとめ

戸建ての家のメンテナンスが必要な箇所について、築年数ごとに分かりやすく解説しました。

家のメンテナンスについて基本的な構想を持ち、着手する基準となる傷みの兆候を知っていれば、安心して住まいの維持管理が可能です。

さらに、本文でも触れたように住まいの傷みは立地や周辺の環境によって進みが早いことがあります。また、雨漏りやシロアリの害など、気付かないうちに進行していることもあり得るため、定期的に専門家のチェックも受けると、より安心でしょう。

建材費や人件費が高騰するなか、家の長持ちを工夫するには、DIYでできることは日頃から進めてみるという方法もあります。また、少しでもコストを下げるために、補助金や助成金を家の修繕に活用することも検討しましょう。

注意点として、DIYは危険な作業やきれいな仕上がりが難しい作業は、専門業者に頼むよう、判断が必要な部分もあるでしょう。

また、自治体の補助金・助成金事業は、お住まいのエリアによって実施状況が異なります。年度によって実施の有無や実施内容が変更になったり、申込数を超過すると締め切りとなったりするケースも。常に最新の情報を確認のうえ、専門業者と相談するなどして申請を進めましょう。

執筆・情報提供

滋野 陽造

保有資格:宅地建物取引士 賃貸不動産経営管理士。
マスコミ広報宣伝・大手メーカーのWebディレクター・不動産仲介業を経て、ライター業・不動産投資に従事。
実務経験をもとに、不動産の購入・売却、住まいの知恵、暮らしの法令などのジャンルを中心に記事の執筆を行う。

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