2026.09.28
クォーツストーンをキッチン天板に採用するメリット・デメリットとは?
キッチンの天板(ワークトップ)として、高級感や防水性=吸水性の低さが支持されているクォーツストーン。
本記事では、クォーツストーンをキッチン天板に採用するメリット・デメリットとはどのようなものか、クォーツストーンの特徴を主体に解説します。住まいづくりやリフォームの参考にしてください。
以下は、新築住宅のキッチンで後悔したことを調べたデータです。キッチンの材質は6位にランクインしており、事前の設備検討の難しさをあらわしています。

INDEX
クォーツストーンの特徴

近年キッチンワークトップなどの素材として増えてきた「クォーツストーン」は、天然石英(クォーツ)を砕いて色付けをしたのち、ポリマー樹脂で生成したものです。
天然石英(クォーツ)を主成分とし、人工大理石よりもより天然素材に近い風合いで、色柄のバリエーションも多くそろっています。
格調高い艶やかなフィニッシュだけではありません。昭和の頃の人造研ぎ出し=人研ぎ(天然石とセメントを練って塗り付け、硬化後に研磨して石肌を表現する左官仕上げ)を思わせる、温かみを感じさせるデザインのものも存在します。
吸水率が非常に低く、水分や油などの染み込みに強いこと、硬度が高く傷が付きにくいこと、衝撃に強いことなど、キッチンの天板として適した素材といえるでしょう。
メンテナンス性にも優れたクォーツストーンはキッチンやテーブルトップで今後も普及が進むと予想されています。
クォーツストーンと類似性の高い素材で、天然石、人工・人造大理石、セラミックトップなどがあります。次項でその違いについてご説明します。
クォーツストーンと他の素材との違い
クォーツストーンと他の素材(天然石、人工・人造大理石、セラミックトップ)との違いは以下です。
天然石(御影石)
マグマが地球の地下深くで凝固した天然石で、硬く耐久性・耐水性に優れ、天然石の中でとくにキッチンカウンター用に適した素材です。
磨くと艶が出て、美しい表情が味わえます。天然素材ですが、吸水や防汚対策で石材専用の表面コーティングを施すことで、美しさを保つことが可能です。
大理石と御影石は混同されがちですが、別のものです。大理石のほうをキッチンに使用するのはおすすめできません。大理石は御影石よりも柔らかく吸水性が高いことと、成分が石灰を主としている関係で経年使用での劣化が生じます。
人工大理石・人工大理石
人工大理石は樹脂などを主成分に成型される加工品で、大理石の代用品として登場し、色柄や模様を人工的に作った製品です。
人工大理石はおもに「アクリル系」「不飽和ポリエステル系」の2種類に分かれ、アクリル系はポリエステル系よりも耐候性・耐衝撃性に優れているとされています。
対して、人造大理石は一般にテラゾーといわれる素材で、天然大理石を粉砕したものを骨材にし、セメントや樹脂で固めた素材です。
人工大理石と人造大理石の違いは、人工大理石=樹脂を主成分とした人工素材、人造大理石=天然石を柄に使用した半人工素材といえるでしょう。
セラミックトップ
タイルの一種であるセラミックは、焼成技術の進んだことで大判化・薄型化・模様や柄などのデザインが可能となりました。
タイルのような目地がない一枚でキッチンカウンターを作れるようになり、歪みなく焼けるようになったことで、通常のタイルよりもキッチンカウンター材として普及が進んでいます。
これらの比較において、クォーツストーンはコストはかかるものの、以下の理由で、他の素材を1歩リードしているといえそうです。
- ● 見栄え(デザイン)
- ● お手入れの簡単さ
- ● 吸水性の低さ
キッチン天板にクォーツストーンを採用するメリット

キッチン天板にクォーツストーンを採用するメリットとしては、以下のような点があります。
- ● 上質なデザイン
- ● 耐久性に優れている
- ● お手入れがしやすい
上質なデザイン
色や柄など、デザインのバリエーションが豊富で、質感にも優れています。
天然石英ならではの高級感にあふれる風合いは、高級オーダーキッチン天板の人気を2分するセラミックトップのキッチン天板に対して差を付けている部分でしょう。
耐久性に優れている
天然の大理石よりも硬度が高く、モース硬度7とキッチン天板としてはトップクラスの硬さです。普通の使用においては傷が付かないため、安心して使用することができます。(硬度が非常に高いことで、割れが生じることはあります)
お手入れがしやすい
表面に気孔が少なく、吸水率0.02%以下と水分が染み込みにくい点、内部で菌が繁殖しにくく衛生管理がしやすい点から、お手入れがしやすいうえ、天板で直に粉をこねたり、包丁を使用したりすることも可能です。
キッチン天板にクォーツストーンを採用するデメリット

クォーツストーンを採用する際には、以下のようなデメリットもあります。
- ● 導入費用が高い
- ● 熱に注意が必要
- ● 強い衝撃が加わると割れやすい
- ● シンクとのシームレス結合ができない場合がある
- ● 継ぎ目が目立ちやすい
導入費用が高い
天然鉱石が93%と高い含有量で使用し、質感、高級感に優れるだけあって、クォーツストーンは高額な設備資材です。
選択できるシステムキッチンでの取扱数が少なく、多くの場合、最上位グレードのキッチンを選んで、さらにオプション追加によってクオーツストーン天板のキッチンにできる形となります。
この際上位グレードを選ばなければ付けられないという点も、費用が高くなる要因です。
材料および加工費が高額になる他、割れやすく重量もあり、搬入などの費用も高額になる傾向があります。
熱に注意が必要
人工大理石などに比べれば熱に強いといえるものの、セラミックトップほど耐熱性が高くないため、熱い鍋など高温のものを長時間直置きすると、表面が変色する可能性があります。
どんな素材でも、熱い鍋やフライパンを天板に直接置くのは影響があるため、鍋敷きは必要と考えましょう。
強い衝撃が加わると割れやすい
素材が硬い(=脆い)ため、捻ねりや強い衝撃で割れることも。とくにガスコンロの開口付近の細くなっている部分などは、搬入時などで注意が必要とされています。
また、使用時も重たい鍋を角部分に当てるなど、強い衝撃を加えると、割れ・欠けが生じることがあるため、要注意です。
使用していて1度ヒビが入ったり、欠けたりした場合、補修することは可能です。しかし人工大理石などと比べて、補修できる業者の数は少なく、修理代も高額になることが多いでしょう。
クォーツストーンで表面が鏡面仕上げされている場合、補修箇所の艶の感じを周囲に合わせるのが難しいとされています。
シンクとのシームレス結合ができない場合がある
たとえばステンレスや人工大理石カウンターの場合は、同じ素材のシンクとならば、シームレス(継ぎ目なし)で接合することが可能です。
しかしクォーツストーン、シンクの種類を問わずシームレス接合ができません。
人工大理石シンクの場合は、ステンレスシンクとシームレス接合が可能になる場合があります。
継ぎ目が目立ちやすい
シンクとの結合同様、システムキッチンは継ぎ目なくつながっている状態が見栄えも良く、清掃もしやすいものです。
たとえば人工大理石はL型キッチン・コノ字型キッチンの場合でも現場の施工で継ぎ目なしにすることができます。しかしクォーツストーン(セラミックトップも)は、コーナーの部分に僅かな継ぎ目が生じるのです。また、まっすぐな箇所でも、長さ3mを超える場合は継ぎ目が入ります。
タイル目地のようには目立たないものの、線が入っているのは目視可能です。
クォーツストーンのキッチン天板の価格相場

クォーツストーンの資材費は相場上セラミックトップを超え、もっとも高価となっています。
グレードごとの価格差はそこまで大きくないものの、最上級の商品は100万円を超える価格です。
メーカー・グレードごとの価格差のイメージ表
※あくまで価格差の目安。正確な金額についてはメーカーに確認要。
| デクトン 価格ランク0(8mm) | 40万円 |
| デクトン 価格ランク1(8mm) | 43万円 |
|
デクトン 価格ランク0(12mm) デクトン 価格ランク2(8mm) サイルストーン 価格ランク3(スウェードは割増) シーザーストーン スタンダード フィオレストーン 価格ランクG1 |
45万円 |
|
デクトン 価格ランク3(8mm) サイルストーン 価格ランク4(スウェードは割増) フィオレストーン 価格ランクG2 |
48万円 |
|
デクトン 価格ランク1(12mm) シーザーストーン スペシャル サイルストーン 価格ランク5(スウェードは割増) フィオレストーン 価格ランクG3 |
50万円 |
|
デクトン 価格ランク2(12mm) デクトン 価格ランク4(8mm) |
52万円 |
|
デクトン 価格ランク3(12mm) サイルストーン 価格ランク6(スウェードは割増) シーザーストーン プレミアム |
55万円 |
|
サイルストーン 価格ランク7(スウェードは割増) フィオレストーン 価格ランクG5 |
60万円 |
| デクトン 価格ランク4(12mm) | 70万円 |
| シーザーストーン スーパープレミアム | 100万円 |
※ユーロキッチンズによる参考データ
※太字はクォーツストーン
キッチン天板にクォーツストーンを採用した施工事例

この項では、キッチン天板にクォーツストーンを採用した施工事例をご紹介します。
壁付けのL字キッチンで側面までコーディネート

キッチンの壁面は、いつの間にか多くの汚れの跳ね返りが生じ、気になってしまうことがあります。
写真のようにワークトップ素材で広く覆う仕様にすれば、高額にはなるものの、衛生的に安心で、お手入れも楽です。見栄えもキッチンとして本格的かつおしゃれで、目を惹き付ける仕様となっています。
カフェスタイルの内装が映える硬質な天板

硬質な清潔感あるトップが、カフェスタイルのキッチンに違和感なくマッチしています。
手前部分はシンクやコンロを持たず、純粋な調理台として機能し、子どものお手伝いや、手間のかかる料理の際にも役立つスペースになりそうです。
使用する食材を広げ、気兼ねなく下ごしらえができるのも、衛生状態を保ちやすいクォーツストーンの強みでしょう。
調理スペース・カウンターテーブルと欲張りな汎用仕様

レストラン店舗並みに凝った内装・調度のキッチンに設けられた、クォーツストーンの天板です。
広いスペースを持ちながら、調理の動線はコンパクトで、食後にワインを楽しむようなプライベートなカウンターテーブルとしても使用可能なワークトップが印象的なキッチンです。
キッチン天板選びで後悔しないためにできること

キッチンに使用する天板は、使用するシーンやライフスタイルを確認したうえで、機能・予算・デザインなど、何を優先するかを決めて選びましょう。
見栄え(デザイン)
自分好みのキッチン空間を作りたい場合は、素材や色柄などの細部などを基準に検討します。豪華さや重厚さ、清潔さなどの雰囲気も、基準となるでしょう。
水を吸収しにくい
キッチンは毎日使用し、水や食材、油分、酸などが付着していきます。汚れが残るとシミが消えなくなります。耐水性・汚れが染み込まないなどの基準も大切です。
熱に強い
熱したフライパンや鍋を扱うキッチンでは、天板は不燃材であるのはもちろん、熱をうまく逃し、やけどなどにつながらないことも必要となります。
衝撃に強い
調理作業を継続して行うキッチンでは、重たいものや鋭利な刃が当たって傷が付いたり、割れたりすることがないようにしたいもの。ただし、ガラス製の食器などを置いて、食器自体が衝撃で割れることのないよう、扱い方について確認をしておきましょう。
お手入れの容易さ
メンテナンスがしやすいことも、長期にわたって利用をするうえでのポイントとなるでしょう。汚れが簡単に落とせるなど、お手入れに時間をかけずにきれいにできるのが理想です。
価格
キッチンは天板だけではなくシンクやコンロ含め全体で予算を組むため、天板に突出したコストはかけられないもの。見栄え・機能・他の部材とのバランスなどを考慮して、導入を検討してください。
蛇足ですが、キッチン天板以外では、基本事項として以下のポイントも重視されるため、確認が欠かせません。

まとめ

クォーツストーンをキッチン天板に採用するメリット・デメリットとはどのようなものか、クォーツストーンの特徴を主体に解説しました。
クォーツストーンのワークトップで、もっとも魅力の対象となるのは、見栄えの美しさではないでしょうか。
御影石や人造大理石などとの質感比較は、実物がキッチンに据え付けられている状態で確認するのが一番です。
見学予約のうえ、展示場で違いに触れてみませんか?ご予約の際に、見学されたい内容のリクエストをいただくことで、対応が可能です。
モデルハウス見学予約|住宅展示場のハウジングステージ
執筆・情報提供

滋野 陽造
早稲田大卒。マスコミ広報宣伝・大手メーカーのWebディレクター・不動産仲介業を経て、ライター業・不動産賃貸業に従事。実務経験をもとに住まいづくり、不動産の売却・購入、暮らしの法令などのジャンルで記事の執筆を行う。
© Housing Stage All rights reserved.
この記事はハウジングステージ編集部が提供しています。





