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家づくりの雑学

2020.07.31

健康は睡眠から 決め手は寝具。睡眠の質を高める寝具選びとは?

心身の健康に重要な睡眠。毎日使う寝具を選ぶとき、何を基準にしていますか?
「柄や色が気に入ったから」「お買い得だったから」など、理由はさまざまありますが、快適な寝具を選ぶことが、睡眠の質を高める大きなポイントとなるんです!
そこで、睡眠シリーズの2回目となる今回は「寝具」についてご紹介します。快適な寝具とはどのようなものなのか、また、おすすめの寝具やお手入れ方法についてもチェックしていきましょう。

INDEX

寝具が睡眠にもたらす効果

子どものころはどんな場所でも眠れたけれど、大人になったら環境の違いに対応しにくくなったという人も少なくないようです。 

たとえば、枕が変わって首が痛くなったり、ホテルのベッドの硬さが合わなくて腰が痛くなったり。さらに、布団が重くて苦しい、ベッドシーツや寝間着など肌に触れる素材が気になるといった経験をした人もいるのでは?

このように、何となく体にフィットしないという違和感は、入眠時や睡眠時の快適さを損なうとともに、眠りの質を落とすことに。

近年、寝室は洋風化傾向が進み、また高齢化社会が加速するなかで、ベッドの使用率は布団を上回り、全国的に半数を超えています(※)。

ベッドを使用する上でもっとも要となるのが、マットレスです。選ぶときの注意点は、過度に体が沈み込まない硬さがあること。寝ているときの腰への負担は全体重の44%といわれており、起きているときよりもかなりの負荷がかかります。マットレスは自分の体重に合わせた硬さのものを選び、「体圧分散」をさせることが大切です。

マットレスの硬さが合っていないと体に少しずつ歪みが生じてしまい、腰痛やギックリ腰などを引き起こす要因にも。体重が軽い人はやわらかめ、重い人は硬めのマットレスを選ぶのが目安です。実際にショールームなどで寝てみて、体の沈み込みを確認して選びましょう。
同様に枕の沈み込みや高さ、大きさも大切なポイントです。上の図のように、体が横になったときに背骨が床に対して水平に保たれている状態がベストです。

※日本睡眠科学研究所調べ「西川睡眠白書2019~日本人の睡眠調査~」より。

睡眠の質を高める寝具


マットレスには大きく分けて3つの種類があります。独立したコイルが身体の重さを受け止める「ポケットコイル」、つながったコイルが体の重さを面で支える「ボンネルコイル」、低・高反発や新素材などの「ノンコイル」です。

おすすめはポケットコイルで、高級ベッドメーカーのほとんどが採用しています。低反発のマットレスは、体が沈み込みやすく、耐久年数も長くはありません。さらに湿気が溜まりやすいものも多く、あまりおすすめできません。

次にベッドシーツや布団カバー、寝間着など、直接肌に触れる寝具の素材は、ご自身が快適と思えるものが一番ですが、ポイントは吸水性と速乾性です。人は寝ているときに汗をかきやすく、湿っぽくなった素材は肌ざわりも悪くなります。また、雑菌も繁殖しやすくなるので、衛生的にもよいとはいえません。

吸収性・快適性に優れた素材としておすすめなのが、「麻」です。麻とひと口にいっても、リネンやヘンプ、ジュートにラミーと種類がありますが、寝具に向いているのは肌触りがやわらかく、程よいシャリ感があるリネンです。リネンは夏のイメージがありますが、保温性にも優れているため、冬でも快適に使える天然のサーモスタッド(温度調節器)といえます。

寝具のお手入れ方法


快適な睡眠に欠かせないのが、毎日使う寝具のお手入れです。ベッドリネン類や寝間着をこまめに洗濯することはもちろんですが、ハウスダストやダニなどの温床になりやすいマットレスやベッドパッドも定期的に掃除機をかけることをおすすめします。最近ではベッド用のアタッチメントがついた掃除機もありますので、こまめな掃除を心がけましょう。

また、マットレスは敷布団と違って気軽に干すことはできませんが、湿気は溜まっているので、半年に一度ぐらいのペースで裏返すといいでしょう。溜まった湿気を放出させるとともに、加圧される場所を変えることができるので、耐久性が上がって長く使うことができます。裏返すタイミングは、梅雨の時期などを避け、天気のよい日を選びましょう。裏返した後に布団乾燥機をかければ、さらにダニの繁殖や湿気を防ぐことができます。
 
寝具のお手入れで注意しなくてはいけないのが、先にご紹介したリネン(麻)素材です。濃い色で染色したリネンは色落ちしやすいので、洗濯にはあまり向きません。寝具に使う場合は、生成色、もしくはそれに近い薄い色のものを選びましょう。リネンはシワになりやすい素材ですが、使い込むほどにリネン独特の風合いになります。洗濯するときはネットに入れるなど、ダメージを減らす工夫をするとよいでしょう。

このように睡眠と寝具の関係性は密接であり、質の高い睡眠を得るためには、正しい寝具選びが大切です。展示場ではさまざまな寝室の実例を見ることができますので、寝具のコーディネートと合わせてじっくりチェックを。そして、理想の住まいの実現に向けて、イメージを膨らませてみてくださいね。

執筆・情報提供

吉田美帆(一級建築士)

SUNIHA UNIHA 代表 吉田美帆
一級建築士/グリーンライフプロデューサー/インテリアコーディネーター/宅地建物取引士/LOHASスタイリスト(NPO法人ローハスクラブ認定/花育インストラクター(NPOフラワーハートセラピスト協会認定)武蔵工業大学建築学科(現東京都市大学)卒業、大手設計事務所にて小学校・保育園等の設計、マンションディベロッパーにて企画等を経て、2010年SUNIHA UNIHA(サニハユニハ)設立。
執筆やセミナー、講演会など幅広く活躍する。
・1996年 武蔵工業大学卒業設計蔵田賞受賞
・2011年 国際森林年間伐材利用コンクール審査員賞受賞。
・2016年 フランス国際映像コンペ(MCSD)受賞

Ⓒ2020 Next Eyes.co.Ltd

この記事はネクスト・アイズ(株)が提供しています。

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