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2021/03/01

大きく動く可能性は低い? 2021年住宅ローン金利の動向

住宅ローン金利は過去最低水準で推移しています。2021年以降もマイナス金利が維持される可能性は高く、金融機関の間での競争の激しさも考えるとしばらくは今の低金利が続く可能性が高そうです。今回は2020年の住宅ローン金利を振り返り今後の住宅ローン金利について考えます。

  1. 2020年の住宅ローンは変動金利でやや低下
  2. 日銀の政策や金融機関の競争という面から考えると2021年の住宅ローンも上がりにくい

INDEX

2020年の住宅ローン金利の動向

2020年の住宅ローン金利の動向を振り返ります。まず全期間固定金利の代表的な住宅ローン、フラット35の過去5年間の金利推移は図表1のようになります。2020年は1.30%近辺であまり大きな上下はありませんでした。2021年1月は1.29%となっています。

図表1:フラット35(買取型)の金利の動向


※フラット35の金利は金融機関によって異なりますが、ここでは最低金利の推移を見ています。借入期間21年以上、融資率9割以内の場合の金利です。なお2017年9月までは団信保険料が別払いだったため、比較上、実際の金利に団信保険料として0.28%上乗せしたものを利用しています。

フラット35のような全期間固定金利は長期金利(10年国債の金利)と連動する傾向がありますが、その10年国債の金利は低いままあまり変化しませんでした。フラット35の金利があまり動かなかった大きな要因と言えるでしょう。

一方、変動金利では、わずかですが金利低下の傾向が見られました。大手都市銀行3行の変動金利は3年前の2018年1月時点では2行が0.625%(残り1行が0.600%)でしたが、1年前の2020年の1月時点では2行が0.525%(1行は0.475%)になりました。2021年1月現在は3行とも0.475%まで下がっています(0.475%は各行ともネット申込限定の融資手数料型)。
変動金利(の基準金利)は短期プライムレート(銀行が優良企業に資金を貸し出す際の金利)と連動する傾向にありますが、この短期プライムレートはここ約10年変化がありません。それなのに変動金利が下がっている背景には、金融機関の競争という面があります。

実は大手都市銀行では変動金利の基準金利(店頭金利)は2.475%で約10年変化がありません。住宅ローンは基準金利(定価の金利というイメージ)から金利優遇(値引というイメージ)を引き、適用金利(実際の金利)が決まります。定価は変わらないものの、値引き幅を年々大きくして、実際の金利を下げているというイメージです(図表2)。この金利優遇幅の拡大は金融機関同士の金利引下げ競争の影響が大きいと言えるでしょう。

図表2:大手都市銀行の変動金利の推移とその原因


※0.525%までは保証会社に保証料(35年返済だと融資額の2.06%程度)を払う「保証料型」だったが、0.475%は保証料は不要か低額で、銀行に手数料を払う「融資手数料型」(融資額の2.2%)になりました。

2021年の金利動向と注意点

住宅ローン金利が低い要因には大きく「日銀の金利政策(マイナス金利政策)」と「金融機関の競争」があります。2021年の住宅ローン金利はどうなるのか、予測は難しいですがこの2つの要素を考えると、金利は上がりにくい環境にあると言えます。

住宅ローン金利は現在のところ「日銀の金利政策」に大きく左右されます(図表3)。今後も現在のマイナス金利政策が続く限り金利が大きく上がることは考えにくいと言えます。逆にもしマイナス金利政策が終わりになったり、修正されたりということがあれば住宅ローン金利も上昇する可能性はあるでしょう。

図表3:住宅ローン金利を決める要因

金利種類

連動するもの

金利の決まり方

今後の動向

全期間固定金利

など

長期金利

(10年国債の利回り)

長期金利は本来は市場が決めるが、現在は日銀の政策の影響大

日銀の政策次第

変動金利

など

短期金利

(短期プライムレート)

短期金利は日銀がコントロールできる

日銀の政策次第

「金融機関の競争」も低金利の原因になっています。金融機関同士の顧客獲得競争は今後も続くはずで、金利は上がりにくい状況にあると言えます。ただし特に変動金利は金利が低すぎて金融機関の利益はごくわずか、もしくはコスト割れしている可能性もあります。それでも住宅ローンの金利を下げてきたのは、ローンをきっかけに生命保険や投資信託の販売等で総合的に収益を上げられるという判断をしているからだと思います。今後金利引下げ競争から撤退する金融機関が出てくると金利が上がっていく可能性も0ではありません。
なおその場合、金利が上がるとするとまずは図表2の金利優遇が小さくなること(たとえば今、金利優遇は2.00%だがそれが1.90%になるなど)から始まるはずです。ただし一度決まった金利優遇幅は延滞等がない限り変更されない(優遇幅が一度2.00%と決まれば、それはずっと続く)ので、金利が上がった影響をまず受けるのは、今ローンを組む人というよりは、将来ローンを組む人だと考えられます。

変動金利は大手都市銀行でも0.4%台まで下がりました。今後急激に金利が上がる状況も考えづらく変動金利を選びたくなる気持ちもわかりますが、安易に変動金利を選ぶのは危険。家計やライフプランを確認し、万一金利が上昇してしまっても、ローンを返済しつつ教育資金や老後資金の貯蓄ができる家計になっているかどうかを検証することが大切で、金利上昇リスクが取れないと判断した場合には全期間固定金利などを考えるようにしましょう。

今回は住宅ローン金利の動向について解説しました。大手ハウスメーカーを中心に提携ローンも用意されています。住宅ローンの最新の動向は住宅展示場にてハウスメーカーに確認しながら資金計画を考えていきましょう。

※2021年1月10日時点の情報を基にしています

執筆・情報提供:アルトゥルFP事務所 代表

ファイナンシャルプランナーCFP® 井上光章

独立系FPとして、住宅購入時の資金計画や住宅ローンのコンサルティングを行なう。注文住宅を建てる人向けの住宅ローンコンサルティングが得意。豊富な相談実績を基にした、マイホーム購入時の資金計画や住宅ローンで失敗しない秘訣をお伝えします。
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