Find your new style!

アルバム

住宅のマネーと制度

2023.04.26

住宅ローン減税とは?住宅ローン控除(減税)を最大限活用する方法をご紹介

最終更新日:2023/12/28

住宅ローンを組む際には控除(減税)の適用を受けると、節税効果があると聞いたことがある方は多いのではないでしょうか。しかし、2022年の税制改正によって住宅ローン控除の内容が変更されましたので、注意が必要です。

そこで本記事では、住宅ローン控除(減税)の仕組みや適用要件、2022年の改正点を詳しく解説します。住宅ローン控除の適用を受けるために必要なことや注意点がわかるため、住宅ローン減税を最大限活用してお得に住宅を購入しましょう。

INDEX

住宅ローン控除(減税)とは

住宅ローン控除とは、住宅の新築や購入などの目的で住宅ローンを組んだ場合に、年末時点の住宅ローン残高に応じて所得税が控除される制度です。正式名称を「住宅借入金等特別控除」といい、住宅ローン減税とも呼ばれています。

住宅ローン控除は2022年に改正され、2025年まで適用期限が延長されました。また2024年以降に建築確認を受ける新築住宅では、省エネ基準が必須となるなど控除を受けるための適用要件が変更されています。

そこで、改正後の住宅ローン控除の仕組みについて詳しく解説します。

住宅ローン控除(減税)の仕組み

住宅ローン控除が適用されると、年末時点の住宅ローン残高の0.7%が最大13年間にわたって所得税から控除されます。所得税より控除額のほうが多い場合は、翌年の住民税より9万7,500円を上限として控除できます。

住宅の種類と入居日による借入限度額の違いは、以下の通りです。

新築/既存等 住宅の環境性能等 借入限度額 控除期間
2022・2023年(令和4・5年)入居 2024年・2025年(令和6・7年)入居
新築住宅
買取再販
長期優良住宅・低炭素住宅 5,000万円 4,500万円 13年間
ZEH水準省エネ住宅 4,500万円 3,500万円
省エネ基準適合住宅 4,000万円 3,000万円
その他の住宅 3,000万円 0円
既存住宅 長期優良住宅・低炭素住宅
ZEH水準省エネ住宅
省エネ基準適合住宅
3,000万円 10年間
その他の住宅 2,000万円

参考:国土交通省「住宅ローン減税」

住宅の環境性能によって借入限度額は異なるため、対象となる住宅がどの項目に該当するのか注意しなければなりません。それぞれの住宅の特徴は、以下の通りです。

  • ● 長期優良住宅:長期的に良好な状態で使用するための措置が講じられた優良な住宅
  • ● 低炭素住宅:二酸化炭素の排出をおさえるための対策が講じられた住宅
  • ● ZEH水準省エネ住宅:断熱等性能等級5以上かつ一次エネルギー消費量等級6以上の性能を有する住宅
  • ● 省エネ基準適合住宅:断熱等性能等級4以上かつ一次エネルギー消費量等級4以上の性能を有する住宅
  • ● その他の住宅:上記以外の住宅

新築住宅では、令和6年以降に入居する場合と令和5年までに入居する場合で借入限度額が異なります。また令和6年1月以降に建築確認を受けた新築住宅・買取再販の「その他の住宅」は、控除の対象外です。ただし、令和5年末までに建築確認を受けて令和6年以降に入居する場合は、借入限度額が2,000万円、控除期間が10年間となります。

なお、一定のリフォーム工事を行った場合は借入限度額2,000万円、借入期間10年間の控除の適用を受けられます。

住宅ローン減税の仕組みや借入限度額、期限に関しては以下の記事でも詳しく解説していますので、ぜひ参考にしてください。

住宅ローン減税は0.7%13年!住宅ローン金利も低水準! 借入可能額も10年前より大幅UP!| 住宅展示場のハウジングステージ

期限に注目!住宅ローン減税 2023年度最新情報| 住宅展示場のハウジングステージ

住宅ローン控除の対象者や適用条件

住宅ローン控除の対象者は、住宅ローンを利用した居住用住宅の購入者です。住宅ローン控除の適用を受けるには、以下の要件を満たす必要があります。

種別 要件
新築住宅 ・省エネ基準に適合すること(令和6年以降に建築確認を受ける場合)
・居住用の家屋であること
・床面積が50㎡以上であること
・合計所得金額が2,000万円以下であること
・住宅の引き渡しまたは工事完了から6ヶ月以内に居住すること
・控除を受ける年の12月31日まで居住していること
・店舗等併用住宅の場合は、床面積の1/2以上が居住用であること
・借入金の償還期間が10年以上であること
・入居年とその前後2年以内に譲渡所得の課税の特例を受けていないこと(3,000万円特別控除や買い換え特例など)

※2023年(令和5年)末までに建築確認を受けた新築住宅で40㎡以上50㎡未満の場合、合計所得金額が1,000万円以下であること

既存住宅 新築住宅の要件に加えて、以下の要件を満たすこと

1982年(昭和57年)1月1日以後に建築された住宅であるか、もしくは地震に対する安全性に係る基準に適合しており、家屋の取得の日前2年以内に以下のいずれかによって証明された住宅
・耐震基準適合証明書
・建設住宅性能評価書
・既存住宅売買瑕疵保険付保証明書

買取再販 ・宅地建物取引業者から購入したこと
・宅地建物取引業者が住宅を取得してから、リフォーム工事を行って再販売するまでの期間が2年以内であること
・取得時において、新築された日から起算して10年を経過した家屋であること
増改築 ・増改築などが一定の工事に該当することが「増改築等工事証明書」によって証明されていること
・増改築などの工事に要した費用の額が100万円超であること

参考:国土交通省「住宅ローン減税制度について」

2022年の改正における主な変更点としては、新築住宅の床面積と既存住宅の築年数の要件が緩和されました。一方で、合計所得金額は制限が厳しくなっています。

住宅ローン控除が2025年まで延長された背景

住宅ローン控除は2025年(令和7年)まで適用期限が延長されましたが、延長の背景には以下のような狙いがあると思われます。

  • ● 脱炭素社会の実現
  • ● 新型コロナの影響で落ち込んだ経済の活性化

それぞれの内容について詳しく解説します。

脱炭素社会の実現

住宅ローン控除の延長には、住宅の省エネ化を促進する目的が考えられます。日本では地球温暖化対策を目的に、2050年までに温室効果ガスの排出量を実質ゼロにする「カーボンニュートラル」を目標に掲げています。住宅を含む建築物分野はエネルギー消費の約3割を占めており、カーボンニュートラルの実現には住宅の省エネ化が必要不可欠です。

令和6年以降に建築確認を受ける新築住宅では、省エネ基準に適合していることが必須要件になりました。そのため、環境性能の高い住宅が多くの控除を受けられるようになりましたが、省エネ基準に適合しない一般住宅は住宅ローン控除を受けられません。

新型コロナの影響で落ち込んだ経済の活性化

住宅ローン控除の延長には新型コロナで落ち込んだ経済の活性化という意図も考えられます。住宅市場が活発に動けば、金融や建築、家電などさまざまな業界に良い影響を与えられるためです。

2020年4月に東京で1回目の新型コロナ緊急事態宣言が発令された結果、首都圏における不動産取引件数は中古マンションが前年同月比マイナス52.6%、中古戸建てが前年同月比マイナス41.5%となりました。2023年時点では在住宅市場は回復傾向にありますが、オフィスの空室率はいまだに高い状態です。

また渡航制限でインバウンドも冷え込み、観光産業や飲食産業は大きなダメージを受けています。これらの景気の冷え込みを打開するためにも、住宅市場の活性化が求められているのです。

住宅ローン控除のシミュレーション

住宅ローン控除の具体的な控除額を把握するために、令和6年に入居した場合の控除額を環境性能の異なる住宅で比較します。シミュレーションの条件は、以下の通りです。

【ケース1】
物件種別:新築住宅
入居:2024年(令和6年)
環境性能:長期優良住宅(借入限度額4,500万円)
住宅ローン借入額:4,500万円
年間返済額:150万円

【ケース2】
ケース1と同条件で省エネ適合住宅に入居した場合(借入限度額3,000万円)

ケース1における控除額は、以下の表の通りです。

年末ローン残高 控除額 累計控除額
1年目 4,500万円 31万5,000円 31万5,000円
2年目 4,350万円 30万4,500円 61万9,500円
3年目 4,200万円 29万4,000円 91万3,500円
4年目 4,050万円 28万3,500円 119万7,000円
5年目 3,900万円 27万3,000円 147万円
6年目 3,750万円 26万2,500円 173万2,500円
7年目 3,600万円 25万2,000円 198万4,500円
8年目 3,450万円 24万1,500円 225万6,000円
9年目 3,300万円 23万1,000円 245万7,000円
10年目 3,150万円 22万0,500円 267万7,500円
11年目 3,000万円 21万円 288万7,500円
12年目 2,850万円 19万9,500円 308万7,000円
13年目 2,700万円 18万9,000円 327万6,000円

ケース2における控除額は、以下の通りです。

年末ローン残高 控除額 累計控除額
1年目 4,500万円 21万円 21万円
2年目 4,350万円 21万円 42万円
3年目 4,200万円 21万円 63万円
4年目 4,050万円 21万円 84万円
5年目 3,900万円 21万円 105万円
6年目 3,750万円 21万円 126万円
7年目 3,600万円 21万円 147万円
8年目 3,450万円 21万円 168万円
9年目 3,300万円 21万円 189万円
10年目 3,150万円 21万円 210万円
11年目 3,000万円 21万円 231万円
12年目 2,850万円 19万9,500円 3250万9,500円
13年目 2,700万円 18万9,000円 269万8,500円

結果として、同条件でも長期優良住宅と省エネ適合住宅では57万7,500円もの違いが生じることがわかります。そのため、無理のない資金計画を立てるためには住宅ローン控除のシミュレーションを行い、購入する物件の環境性能や住宅ローンの借入額、年間返済額などによって変動する控除額を比較しておきましょう。

住宅ローン控除の申請方法

住宅ローン控除を活用すると節税効果を得られますが、控除の適用を受けるには確定申告が必要です。確定申告の具体的な流れは、以下の通りです。

  • ● 必要書類を揃える
  • ● 確定申告をする

それぞれ詳しく解説します。

必要書類を揃える

確定申告における必要書類は、以下の通りです。

書類名 所得先
確定申告書 国税庁のホームページもしくは税務署
(特定増改築等)住宅借入金等特別控除額の計算明細書 国税庁のホームページもしくは税務署
本人確認書類(運転免許証やマイナンバーカード) 本人所有
土地・建物の登記事項証明書 法務局
売買契約書または請負契約書 本人所有
住宅ローンの借入残高証明書 借入先の金融機関から送付
勤務先の源泉徴収票 勤務先
省エネ適合の認定通知書や証明書 不動産会社を通して取得
(令和5年以前に建築確認を受けた新築住宅の場合)確認済証または検査済証の写し 不動産会社を通して取得
(既存住宅で昭和56年12月31日より前に建築された場合)耐震基準適合証明書等 不動産会社を通して取得
(買取再販住宅の場合)増改築等工事証明書等 不動産会社を通して取得
(住宅の増改築の場合)増改築等工事証明書または、確認済証あるいは検査済証の写し 不動産会社またはリフォーム会社を通して取得

書類の取得は日数がかかる場合があり、取得方法も取得先によって異なります。スムーズに申請するためには書類は余裕を持って取得しておき、まとめて保管しておく方法がおすすめです。

確定申告をする

住宅ローン控除の適用を受けるには、入居した翌年に確定申告を行う必要があります。通常確定申告の期間は2月16日〜3月15日ですが、住宅ローン控除に関しては居住開始日の翌年1月1日から5年間申告可能です。そのため、仮に入居した翌年に確定申告をしなかった場合でも、5年以内に還付申告をすれば住宅ローン控除が受けられます。

なお、会社員の場合には2年目以降は年末調整で手続きを行うため、確定申告は一度だけで済みます。

住宅ローン控除の注意点

節税効果の高い住宅ローン控除ですが、利用時には以下のような注意点が挙げられます。

  • ● ペアローンの場合は夫婦それぞれが確定申告をする
  • ● 土地を先行購入する場合、建築までの期限がある
  • ● 繰り上げ返済は控除額を踏まえて検討する

それぞれの注意点について詳しく解説します。

ペアローンの場合は夫婦それぞれが確定申告をする

夫婦でペアローンを組んだ場合、夫婦それぞれが住宅ローン控除を申請できます。そのため、夫婦どちらかの単独でローンを組むより、控除額が多くなります。

ただし、夫婦の合計所得金額が2,000万円を超えると住宅ローン控除を受けられなくなるため、注意しましょう。ペアローン以外にも「連帯債務」や「連帯保証」といった借り方がありますが、「連帯保証」は主債務者しか控除が適用されないケースもあるため、事前に金融機関や不動産会社などに確認しておくことをおすすめします。

土地を先行購入する場合、建築までの期限がある

土地を先行購入して注文住宅を建てる場合、土地と住宅の両方で住宅ローン控除の適用を受けるには、土地購入から2年以内に建物が完成することが要件となります。土地購入から2年を超えてしまうと住宅部分しか住宅ローン控除の対象になりませんので、注意が必要です。

また土地を先行購入した年の年末時点でまだ建物が建築されていない場合、その年の控除は受けられず、翌年に建物が建築されてから控除を受けられるようになります。注文住宅の場合には土地を購入してから住宅の建築がスタートするため、土地代金も含めて住宅ローン控除の対象にするには建築時期の期限に注意しましょう。

繰り上げ返済は控除額を踏まえて検討する

繰り上げ返済をすると、住宅ローン残高が減るため住宅ローンの金利負担を減らせます。ただし、適用される控除額も減ってしまうため、繰り上げ返済の時期によっては損をしてしまう恐れがあります。

一般的には、住宅ローン控除が適用される13年を経過してから繰り上げ返済をしたほうがトータルでお得になります。なぜなら、住宅ローンの金利が住宅ローン控除の利率0.7%より低ければ、住宅ローン控除を受けたほうが実質的に高利率になるからです。

ただし、住宅ローン控除の期間中に繰り上げ返済をする場合、住宅ローンの償還期間に注意しましょう。なぜなら繰り上げ返済によって償還期間が10年未満になると、住宅ローン控除を受けられなくなる可能性があるからです。

まとめ

住宅ローン控除は、住宅ローンを組んでマイホームを新築、購入あるいは増改築した場合に年末時点の住宅ローン残高の0.7%が最大13年間にわたって所得税(一部住民税)から控除される制度です。入居した翌年に確定申告をすることによって、適用を受けられます。

住宅ローン控除は2022年の改正によって2025年(令和7年)まで適用期限が延長され、適用要件の一部が改正されました。新築住宅は省エネ基準を満たすことが必須となり、借入限度額や合計所得金額の制限も要件が厳しくなりました。一方で、適用を受けられる住宅の床面積や築年数の制限は緩和されています。

住宅ローン控除は、住宅ローンを組めば高い節税効果が期待できる制度です。そのため、適用要件を把握しておき、返済額と控除額のシミュレーションを行って住宅ローン控除を最大限活用しましょう。

執筆・情報提供

小川 聡子

Webライター・宅地建物取引士・2級FP技能士・賃貸不動産経営管理士。
子育てのブランクを挟み通算13年間不動産会社に勤務。
不動産営業のキャリアを活かし、不動産を中心に金融、リフォーム、転職、シニアなど幅広い分野で執筆。

© Housing Stage All rights reserved.

この記事はハウジングステージ編集部が提供しています。

この記事をシェアする

おすすめ記事 他の記事を見る

pagetop