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住宅のマネーと制度

2022.02.08

住宅の資産価値を高める 長期優良住宅のススメ

注文住宅を建てる場合、終の棲家として考える人も多いですが、長生きする時代になった今、途中で売却したり、住み替えたりすることも頭の片隅に入れておきたいです。そうなると、建てる住宅もできるだけ資産価値の高い住宅にしたいところ。長期優良住宅が注目される理由でもありますが、ハウスメーカーでは、標準仕様でも認定長期優良住宅の基準をクリアできることも多いです。
今回は長期優良住宅とはどんな住宅なのか、そのメリットは何か、を解説します。

●長期優良住宅の認定を受けるには
●長期優良住宅のさまざまなメリット

INDEX

【1】長期優良住宅の認定を受けるには

長期優良住宅は、その名のとおり、「長期に渡って、安心に、快適に暮らすことができる家」のことです。戸建ての場合、図表1にあげた7つの基準をクリアすると、長期優良住宅の認定を受けることができます。

図表1:認定長期優良住宅の認定基準(木造の戸建ての場合)

劣化対策 劣化対策等級(構造躯体等)3かつ、
床下空間の有効高さ確保と、床下・小屋裏の点検口設置など
耐震性 耐震等級(倒壊等防止)2以上など
維持管理・更新の容易性 維持管理対策等級(専用配管)等級3
省エネルギー性 断熱等性能等級4
居住環境 地区計画、景観計画、条例によるまちなみ等の計画、建築協定、
景観協定等の区域内にある場合には、これらの内容と調和を図る
住戸面積 住戸面積が75m2以上で、少なくとも1つのフロアの床面積が40m2以上であること
維持保全計画 住宅の「構造耐力上主要な部分」「雨水の侵入を防止する部分」
「給排水設備」について、定期的な点検、補修等に関する計画が策定されていること

ハウスメーカーで住宅を建てる場合、標準仕様であっても、認定長期優良住宅の基準をクリアしていることも多いです。詳しくはハウスメーカーに確認してみましょう。
長期優良住宅にすることで、長く、安心、快適に住む家にできると言えます。図表1にあるように認定を受ける際には「維持保全計画の策定」が必要ですが、居住開始後はその計画に則って、点検と修繕を行っていく必要があります。
住宅購入後、ライフプランの変化により、その住宅を売ったり、賃貸に出したりすることもありえます。きちんとした造りで、その後の点検や修繕もしっかりと行っている認定長期優良住宅であれば売却時に高く売れる、賃貸でもきちんと入居者が集められる可能性は、そうでない住宅よりも高くなるといえるでしょう。

【2】長期優良住宅のさまざまなメリット

長期優良住宅を建てて認定を受けるには、一般の住宅に比べると費用がかかってしまいます。しかし、税制面などでさまざまなメリットがあります(図表2)。

図表2:認定長期優良住宅の主なメリット(戸建ての場合)

一般の住宅 認定長期優良住宅の場合
①住宅ローン減税 最大減税額は年21万円 最大減税額は年35万円と大きくなる
②投資型減税 使えない 一般住宅では使えない投資型減税が利用可能
③登録免許税 保存登記:0.15%
移転登記:0.3%
保存登記:0.1% に軽減
移転登記:0.2% に軽減
④不動産取得税 控除額:1200万円 控除額:1300万円 に拡大
⑤固定資産税 1/2になる期間は3年 1/2になる期間は5年に拡大
⑥フラット35Sの金利引下げ 金利引下げ期間は5年になることも 金利引下げ期間は10年
⑦フラット50 使えない 利用可能
⑧地震保険料 一定の耐震等級を取らない限り、割引はない 割引がある

①住宅ローン減税
住宅ローン減税は住宅ローンを組んで住宅を購入した場合に所得税が減税される制度です(所得税から減税しきれない場合は一部住民税からも減税されます)。一般の住宅の場合、最大減税額は21万円ですが、認定長期優良住宅の場合、最大減税額が35万円と大きくなります(令和4年度税制改正大綱を基に、令和4年、5年に入居する場合で、計算)。減税期間は13年なので、13年間で最大、182万円の差が生まれることになります。

②投資型減税
住宅ローン減税は住宅ローンを組む人しか利用できませんが、自己資金のみを利用する場合でも使える減税制度も用意されていて、最大65万円の減税を所得税から受けられる制度があります(投資型減税と呼ばれます)。認定長期優良住宅を建てる際には利用可能です。

③登録免許税
戸建てを新築した時に保存登記を行いますが、その登録免許税の税率は認定長期優良住宅だと低くなります。認定長期優良住宅を購入する場合には移転登記をしますがその登録免許税の税率も低くなります。

④不動産取得税
住宅を取得すると不動産取得税が課されます。税額は固定資産税評価額を基に計算されますが、住宅を新築する場合は特別に、固定資産税評価額から1200万円を引くことができます。この控除額は認定長期優良住宅を取得する場合は1300万円と大きくなり、より有利になります。
※上記控除額があるため、住宅を新築した場合、不動産取得税が0になることも多いです(一般の住宅でも、認定長期優良住宅の場合でも)。

⑤固定資産税
新築の戸建ては固定資産税の税額が3年間、1/2になりますが、認定長期優良住宅の場合、1/2になる期間が5年と、通常の住宅よりも2年長くなります。

⑥フラット35Sの金利引下げ
フラット35を利用する場合、一定の条件を満たすと、フラット35Sの金利引下げ(▲0.25%)を受けることができます。認定長期優良住宅の場合、フラット35Sの金利引下げは10年間になります。

⑦フラット50
フラット35をはじめ、多くの銀行では住宅ローンの借入期間の最長は35年です。フラット50という商品は最長で借入期間を50年にできますが、これは認定長期優良住宅の建築・購入時のみ利用可能です。フラット35より金利は高くなりますが、借入期間が長くなることで毎月返済額を小さくできます。

⑧地震保険料の割引
認定長期優良住宅の基準の1つに「耐震性」があります。長期優良住宅の認定を受けるということは、耐震性にも優れていることを意味しますので、地震保険料の割引を受けることができます。

認定長期優良住宅は、建築費用も、認定を受ける費用もかかりますが、上記のような優遇措置を利用できるメリットもあります。

今回は認定長期優良住宅について、その概要やメリットをまとめました。いちど建てた家をちゃんとメンテナンスして長く住むこと(子どもや孫にも住んでもらうことも含む)や、将来の売却や賃貸としての活用などまで考えると、長期優良住宅を建てるメリットはあるはずです。今回のコラムでは細かな部分の説明は割愛していますので、長期優良住宅に興味を持った人は、ハウスメーカーにいろいろ聞いてみるのもいいでしょう。

※2022年1月5日時点の情報を基にしています

監修・情報提供

井上 光章(ファイナンシャルプランナーCFP®)

アルトゥルFP事務所
独立系FPとして、住宅購入時の資金計画や住宅ローンのコンサルティングを行なう。注文住宅を建てる人向けの住宅ローンコンサルティングが得意。豊富な相談実績を基にした、マイホーム購入時の資金計画や住宅ローンで失敗しない秘訣をお伝えします。

Ⓒ2022 Next Eyes.co.Ltd

コラムはネクスト・アイズ(株)が記事提供しています。
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