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今どきの住まい・暮らし

2022.11.01

こだわり過ぎず、暮らしを楽しむ3つのマイルール

インテリアスタイリスト村上直子さん直伝!「こだわり過ぎず、暮らしを楽しむ3つのマイルール」

整理収納アドバイザーであり、インテリアスタイリストとして活躍する村上直子さんは、今から12年前、築26年の一戸建てを購入しました。フルリノベーションしたお住まいは、プロならではのテクニックが随所に散りばめられ、居心地のよさと快適さに溢れています。

INDEX

【1】目線の先の映えコーナー”でインテリアを引き立てる

広さ4.5畳のリビング。照明やグリーンをバランスよく配することで、空間に奥行きが生まれ、面積以上の広がりが感じられる。

リノベーション前は廊下だった部分を含めても、10畳ほどの広さのリビングダイニング。家具や照明のほか、たくさんのグリーンが置かれているにも関わらず、窮屈さはまったくなく、むしろ面積以上の広がりが感じられます。インテリアにおいて意識しているポイントを聞きました。

「まずは視線の先に空間のポイントとなるような映えるコーナーを作リます。たとえば、リビングダイニングに入って真っ先に見える壁には、印象的なアートパネルを飾ったり、リビングとダイニングの間のルーバー状の壁にグリーンやマガジンラックをかけたり。空間全体をおしゃれにスタイリングしようとすると難易度が上がりますが、目の届く場所からお気に入りの物を置いたり、飾ったりすると、それだけで居心地がよくなります」

画像(左):リビングダイニングのドアを開けると真っ先に目に入るアートパネル。傍らの照明の灯りがドラマチックな演出に一役買っている。

画像(右):もともと筋交いがあって取り外せなかった壁はルーバー状にアレンジ。リビングから陽の光がこぼれるだけでなく、お手製の時計やマガジンラックを飾ってディスプレイを楽しむことも。

そのときに欠かせないのが照明だという村上さん。確かにアートパネルの傍らにはブラケット照明があり、その灯りが陰影を伴ってドラマチックな印象を与えています。さらにそれらが鏡に映り込み、ガラスブロック越しに漏れる灯りや、リズミカルに並んだペンダント照明の灯りが奥行きをもたらします。

画像(左):照明も村上さんが大事にしているインテリア要素のひとつ。ワークデスクの照明がガラスブロック越しに美しい光を灯す。

画像(右):家族が身支度する鏡の前には、壁や天井に優美な影を落とすシャンデリアを。

その一方、生活感のある物は極力見せない工夫も。キッチンの炊飯器や洗剤、ごみ箱などは、お客さんから見えないように壁の内側に寄せ、メカニックな家電製品の傍らには、ドライフラワーを活けた花瓶を置いてさりげなく隠しています。「見せる」「見せない」を区分けしたコーディネートがポイントです。

ナチュラルな空間になじみにくい家電製品は、ドライフラワーを活けた花瓶を置いてさりげなく目隠し。

【2】雑貨は揃えすぎず、素材感を大切に選ぶ

リビングダイニングとつながるキッチン。壁面に柄やシックな色使いのクロスを貼り分け、全体的に落ち着いた雰囲気に。

もともと雑貨が好きで、結婚前はアフタヌーンティーリビング事業部に勤めていたという村上さん。ご自宅の雑貨選びにもルールがあるそうです。

「雑貨はあえて揃えないようにしていて、そこにこだわりすぎるとしんどくなっちゃうし、ひとつでも違う物が入ってきたときの違和感がすごく嫌なんです。その代わり、素材感を大事にしています」

確かに窓辺に飾られたグリーンの鉢は色も素材もばらばらですが、まったく違和感がありません。

グリーンの鉢は素材も形もばらばらだが、夏はブルー系の色に変えるなど季節感は大事にしているそう。

「固定概念に縛られすぎないことが大事で、〇〇用と決められた物は極力選ばないようにしています。キッチンに置いてある野菜の入ったカゴはガーデニンググッズですし、その下のスツールは子どもが使わなくなった椅子を再利用しています。使い方もそうですが、買うときもどんな場所で使えるかなと柔軟に考える。それができるとインテリアがもっと楽しくなると思います」

画像(左):玉ねぎの入っているカゴはガーデニンググッズ。その下のスツールは、お子さんたちが昔使っていた椅子を再利用したもの。

画像(右):ジャグを利用してキッチンツール入れに。専用グッズにこだわらなければ、選択肢の幅は広がり、アイデアに溢れたユニークな使い方が楽しめる。

【3】舞台に見立てて、主役となる物を中心に飾る

玄関は既存の古いドアを使用しているため、あえて古い家具や雑貨でコーディネート。リビングダイニングとも緩やかにつながる場に。

最後に村上さんはディスプレイのコツも披露してくれました。

「同じような物や小さな物をたくさん飾るのは、意外と難しいものです。それなら、少し大きな物や特徴のある物をひとつ選び、そのまわりにグリーンや照明、キャンドルなどを足していくとおしゃれにまとまります。私の場合、よく『舞台』にたとえるのですが、 飾りたい壁やスペースを舞台に見立てて、主役は大きなオブジェやグリーン、脇役に小さな物を置くようにしています。そのときに置く物の高さを変えることで、抜け感が生まれてバランスがとりやすくなります。小さな物をいくつも並べるときは、トレイの上にまとめてあげるとおしゃれに見えますよ」

画像(左):ラタンのチェストの上は、デザイン性の高いフラワーベースとグリーン、照明、鏡を合わせて、南国のリゾート風に。

画像(右):細々した物はトレイにまとめて置く。身に着けるアクセサリーなどもトレイの上に置くようにすれば、紛失防止にも。

村上邸では、ダイニングテーブルの上や鏡のあるニッチ、ソファの横など、所々にトレイが置かれています。その上にはキャンドルやグリーンのほか、アクセサリーや時計なども。

「トレイはディスプレイに活用するだけではなく、アクセサリーなどの細々した物の置き場にもなっています。ここに置くようにすれば、『あれはどこにいったっけ?』とならないので、とても便利なんです(笑)」

12年前のリノベーションでは、まずは自分や家族のライフスタイルを見直し、どんな暮らしを実現したいかをイメージしたという村上さん。

どうしても生活感が出てしまうリビング。村上さんはリビングダイニングの一角に収納庫を設け、家族の下着や靴下、ルームウェアなどを入れています。洗面所や浴室の動線上になるので、とても便利だそう。

「家族がもっとも多く過ごす場所に、よく使う物が入れられる収納があると便利だし、おしゃれに片付くと思います。あとはコストのメリハリですね。わが家もリビングダイニングの建具やフローリングにこだわる一方、キッチンの床や2階はコストを抑える工夫をしました。でも、まずはどんな暮らしをしたいのかをイメージしてから、展示場などに足を運ぶのが大事だと思いますね」

画像(左):リビングの一角には村上さんのワークスペースが。奥行きがあるので、足元にプリンターなどを収納している。

画像(右):玄関からリビングダイニング内が見える内窓は、お客様が来たときにワクワク感を味わってほしいと取り付けたもの。

今回紹介した村上さんのインテリアの3つのルールは暮らしの楽しみ方の可能性を広げ、快適な住まいづくりのヒントが詰まっていました。

村上さんのお話にもあったように、まずは理想の家をよりクリアにイメージするためにも、住宅展示場をチェックしてみては?

取材協力

インテリアスタイリスト 村上 直子さん

インテリアスタイリスト。整理収納アドバイザー。アフタヌーンティーリビング事業部でディスプレイなどを担当し、結婚・出産を経て、整理収納アドバイザーとして独立。個人邸や企業を対象としたコンサルティングやセミナーなどを行う。現在はインテリアスタリストをメインに、企業やブランドのカタログのスタイリングや装飾美術を手がける。著書に「子どもとすっきり暮らすシンプルな収納ルール」(PHP研究所)を発行。また「ちらからないおうちでもっと幸せ家族になりました」(扶桑社)の監修も行う。

【リンク】
Instagram  https://www.instagram.com/kikiuchireset/

編集・執筆:石倉 夏枝
撮影:小島 沙緒里

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コラムはネクスト・アイズ(株)が記事提供しています。
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