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家づくりの雑学

2024.02.21

平屋をガレージハウスで建てるメリット・デメリットや間取り例を紹介

近年人気が高まる平屋ですが、ガレージと一体のガレージハウスと組み合わせた外観が目を惹く平屋も増えました。この記事では平屋をガレージハウスで建てるメリット、デメリットや間取り例、価格の相場などをご紹介します。

INDEX

平屋のガレージハウスの種類

平屋のガレージハウスとは、新築時に母屋の一部として車庫を作るものですが、後付けで施工したり、独立した建物として増設することもできます。これらを種類別にご説明します。

分離型

分離型は車庫やカーポートのような、住居とは別に車庫スペースを作るケースです。土地があれば、住宅のそばに車を収納でき、新築時でなくても設置できます。

一般的な建材を使って業者が施工する以外に、組み立て式の既製品を購入して施工を依頼するか、DIYで工事することもできます。

住居とつなげるのは困難なほか、既製品はガレージハウスに比べて簡易的な仕様のものも多く、耐用年数は短くなります。

ガレージハウス

(写真は2階建て家屋)

ガレージハウスは、新築時からガレージを住居に組み込んだ住宅です。車庫内の広さは、ミニバンクラスで車幅が約1.8mほど、長さが4.8メートルほどなので、車1台あたり間口が3~3.5m、奥行きが5.5m程度の約4~5坪の広さが一般的でしょう。

最初からガレージを組み込んだデザインになるため、外観のイメージも統一感を持たせたり、アクセントにしたりが可能です。設計しだいでコストを抑えることもしやすくなります。

ガレージのある家を予定する場合は、最初からガレージハウスを建てるのがおすすめです。

ビルトインガレージ

ビルトインガレージは中古住宅の増改築の際に、1階部分に車庫を作る方法です。居室部分を改築する場合、車庫でなかった部分に車の出入りする間口を作り、騒音や排気などにも対応することになり、費用は割高になります。

スペースがあればガレージ部分を増築して居室の出入り口を作るほうが施工もシンプルでしょうが、完全増築の場合は建ぺい率オーバーや固定資産税が増えるなどの面で、事前に検討が必要となるでしょう。

平屋のガレージハウスのメリット

平屋のガレージハウスは、生活の実用性や趣味性などのメリットがあり、デザインにこだわる方の注目も集めています。

外観のデザイン性が高まる

シンプルな外観になりがちな平屋も、建物にガレージを組み込むことで、外観デザインにアクセントが付けられ、おしゃれな演出となります。

ガレージハウスはカントリー調のデザインが多い印象です。しかしシンプルモダンな外観の場合も屋根の形に変化を付けたり、シャッターの質感や色使いに変化を付けるなど、こだわりの感じられる、印象的な外観を演出できるでしょう。和モダンの安定感のある平屋にも、ガレージスペースはよく合います。

大切な車を守れる

車好きの方が愛車を守る手段として、ガレージハウスはもっとも有効な手段です。車にキズが付いたり車上荒らしにあったりせずに安心して生活できます。

また、愛車を長くよい状態で維持する秘訣として挙げられるのが、暖機運転、こまめなオイル交換、雨に濡らさないことの3つといわれますが、自宅ガレージならいずれも実現できるのが大きな魅力です。

ボディに積もるホコリや黄砂、花粉も屋外保管なら避けられます。ほかにも自宅でメンテナンスしたり、姿を愛でたりするのに、ガレージハウスはとても好都合です。

暮らしの質が上がる

平屋の大きなメリットとして、ひとつのフロアで生活のすべてが完結し、動線がシンプルなことが挙げられます。そこにガレージが居室とつながれば、暮らしの質はさらに向上します。

雨風が強くても、傘なしで居室と車を行き来でき、買い物の荷物の搬入も楽です。すぐ車に乗り込めれば、赤ちゃん連れの外出もとても楽になるでしょう。

居室とガレージの出入り口に、パントリーや手洗い場を設けておくことをおすすめします。居室直通の動線の利便性は、一人暮らしなどでも貴重です。

また、積雪がきびしいエリアでも、外出前に車の雪を落としたり、凍った窓ガラスの対処をしたりなどの作業が要りません。

平屋のガレージハウスのデメリット

逆に、平屋のガレージハウスを設けることのデメリットは、どのような点があるでしょうか?

建築費が高くなる

同じ延床面積の2階建て家屋と比較した場合、平屋は建築費が高額になりがちです。

建ぺい率の関係で広い土地が必要になるので土地代が高くなります。また、比較的費用の高い基礎部分の面積が多くなるため、建築費も高めになります。

さらにガレージハウスは出入り口の開口部を大きくとる必要があり、資材や工法の関係で、費用が上がりがちとなるでしょう。

固定資産税も、たとえば電動シャッターなどガレージの構造や、ガレージ部分の面積によって、課税額が高くなる可能性がありますので、注意しましょう。

居住スペースを削ることも

ガレージ部分は建築面積に含まれるため、平屋の場合敷地面積によっては、ガレージを作ることで、居住スペースを削る必要があるかもしれません。

たとえばガレージは車1台で約5坪、2台では約10坪を必要とするとして、建ぺい率で30坪の広さが限度の場合、居住スペースは20坪となります。

広いのがよいばかりではありませんが、居住スペースとガレージとの広さのバランスをよく検討するようにしましょう。

平屋のガレージハウスの間取り例

日常生活や趣味に車庫スペースを活かす、平屋のガレージハウスの間取り例をご紹介します。どの間取りも、車庫が車をしまうだけではなく、多様な役割を担っています。

実用にこだわったガレージハウスの間取り

間取り図の掲載協力『madree(マドリー)』

雪の多い寒冷地の、実用的なガレージハウスです。複数台の車が必需品で、かつ降雪が多いエリアはシャッター付きの車庫を設けることが多く、雪が積もっても簡単な除雪ですぐ道路に出られる工夫がされています。

冬季は使用しない自転車やバイクを収納し、タイヤ交換やチェーン装着も車庫内で快適に可能です。買い物から帰宅したら、雨や雪に濡れずに車から降り、荷物も直接居室内に運べます。

このほか、天候に左右されずに洗濯物が干せるランドリースペースが設けられています。

プライバシーと収納を担う多機能ガレージ

間取り図の掲載協力『madree(マドリー)』

敷地を有効に活用したガレージスペースです。居室に直結はしていませんが、たっぷりした収納が居室内の収納を補い、部屋の中をすっきりさせます。

また、前面道路から物干しテラスや浴室などのプライベートな空間への視線をさえぎる役割も果たしており、プライバシーを確保しにくい面がある平屋に、安心感を生む工夫です。

北側に設けられたセカンドリビングや和室はプライベートな空間として機能し、玄関正面も、植栽や隔壁が視線をさえぎる構造になっています。

夜間の車の出入りも安心

子ども2人の4人家族用のシンプルな3LDKの平屋で、横に細長い敷地を活かしきるガレージスペースを設けた例です。建物は雨に濡れずに屋内に入れる構造ですが、正面と背面に壁のない2方壁となっています。

2方壁は風通しがよく、母屋の一部でも固定資産税の課税対象にならないため、大きめに作っても安心ですし、工事費も抑えられます。ただし、建ぺい率には注意しましょう。

同様に課税されない構造として、壁の反対側を柱で支えるピロティガレージという方法もあります。

この間取りはガレージと反対側に子どもの寝室を設けており、夜遅くに車で帰宅しても、音への気遣いが少なくて済むのも利点です。

趣味で過ごす時間を充実させるガレージスペース

天候に左右されずに、気兼ねなく車やバイクと過ごせ、居室からの声掛けも気軽に受けられるので、ガレージハウスを夢見る車好きの方は多いです。

ガレージと居室の間に大きめの窓を設けて、居室側から趣味の車やバイクを眺められる構造にする方も。前述のように大切な車を風雨や太陽光の紫外線から守り、末長く愛車と過ごせるのも魅力です。

この間取りは洗面室で居室とガレージがつながっていますが、パントリーにつなげれば、食材の買い物の扱いがとても楽になります。

平屋のガレージハウスの価格相場

平屋のガレージハウスの価格相場は、分類によって異なります。

分離型のガレージは、既製品が車1台分で本体価格40万円くらいからあります。基礎工事、コンクリート打ち、組立工事などの工事費用を合わせて、1台分が約80万円からです。

新築時に作るガレージハウスの場合、2台分の広さで約8~10坪程度が必要です。ガレージ部分の坪単価が60万円として、1台分240万円、2台で480万円程度と考えられるでしょう。

リフォームでガレージを増設する費用は、居室との接続や壁の作り方など仕様によって大きく開きがあります。1台分数百万円単位と、後付けで作るビルトインガレージは新築時のガレージハウスよりも割高になりがちです。

生活の利便性や、車が長持ちするなどのメリットと比較してみましょう。

まとめ

平屋をガレージハウスで建てるメリット、デメリットや間取り例、作る際の価格の相場などをご紹介しました。

都心部の狭小地の3階建てでもメリットが多く、ガレージハウスはよくみかけます。さらに郊外や地方で広めの敷地を確保して作る平屋のガレージハウスは、実用性とおしゃれさを兼ね備えるため、今後も普及が進むと思われます。

敷地面積・予算と相談しながら、検討してみてはいかがでしょうか。

執筆・情報提供

滋野 陽造

保有資格:宅地建物取引士 賃貸不動産経営管理士。
マスコミ広報宣伝・大手メーカーのWebディレクター・不動産仲介業を経て、ライター業・不動産投資に従事。
実務経験をもとに、不動産の賃貸業・売却・購入、暮らしの法令などのジャンルで記事の執筆を行う。

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この記事はハウジングステージ編集部が提供しています。

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