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住宅のマネーと制度

2026.08.21

注文住宅のビルトインガレージの費用相場は?坪単価や事例を紹介

ただ愛車を守るだけでなく、収納庫、趣味のスペース、生活動線などさまざまな機能を持たせることも可能なビルトインガレージ。

注文住宅をつくる際にビルトインガレージを設置したいけれど、必要な広さや、費用がどのくらいかかるのか気になっている方も多いでしょう。

本記事では、注文住宅のビルトインガレージの費用相場はどのくらいか、坪単価や設置事例をご紹介します。

INDEX

注文住宅のビルトインガレージの大きさを決める時のポイント

注文住宅でビルトインガレージを設置する際は、車の大きさや台数に応じて必要な広さが決まります。敷地が限られる場合は、ガレージの広さが居住スペースに影響するため、両者のバランスを考えることが重要です。

この項では、費用面を考える基礎として、どの程度のガレージが必要となるかなどの確認方法についてご説明します。

車1台あたりに必要な広さ

ガレージをつくる際に、車1台あたりに必要となる広さは、4~6坪程度となるでしょう。したがって2台分のスペースが必要な場合、8~12坪程度と考えれば良いことになります。

上記の基準は、国土交通省が以下のように定めている駐車場のサイズをもとに算出したものです。

  • ● 軽自動車: 奥行3.6m×幅2.0m
  • ● 小型車: 奥行5.0m×幅2.3m
  • ● 普通自動車: 奥行6.0m×幅2.5m
  • ● 車椅子を利用する場合: 幅3.5m以上

引用元:国土交通省「駐車場設計・施工指針について

車が出入りするための間口(側面の幅)は、2.0~2.5m程度が必要です。車椅子を利用する場合は3.5m以上とされており=1m程度加算と考えておきましょう。

また、前面道路の幅が狭い場合は、間口はさらに多めに必要となることがあります。

奥行は車種別で、3.6~6.0m程度が目安です。

世帯人数別の部屋の広さ

ビルトインガレージの延べ床面積は、一定の範囲で参入されません。(後述)

しかし、土地の広さに限りがあり、さらに建築制限などの理由で3階建てがつくれない場合、住む人に必要な居住面積も意識して、ガレージを考える必要があることも。

また平屋など、多くの敷地面積を要する建物の場合、ビルトインガレージとのスペース取りの兼ね合いが生じるケースもあるでしょう。

国土交通省は、多様なライフスタイルや豊かな暮らしの実現に必要な広さの水準として、以下を定めています。

  • ● 単身者:55㎡
  • ● 2人以上の世帯:25㎡×世帯人数+25㎡

上記を具体的に指標化すると、以下のようになります。

家族の人数と、必要とされる広さ

対象 必要な広さ
単身者 55㎡(約17坪、約33畳)
2人家族 75㎡(約23坪、約45畳)
3人家族 100㎡(約30坪、約60畳)
4人家族 125㎡(約38坪、約76畳)

引用元:国土交通省「住生活基本計画(全国計画)

想像よりも広めの基準であることに驚かれる方も多いかもしれません。一戸建ての場合、家族数・ライフスタイルの変化で間取り使用が影響を受けやすいほか、家財道具が増える傾向などから、このようになっていると考えられます。

制約がある中、狭小敷地にビルトインガレージを施工した事例はあります。しかし、居住のためのスペースを圧迫する可能性には注意が必要でしょう。

注文住宅のビルトインガレージの坪単価別の費用

一般的に、ビルトインガレージにおける費用相場は、坪単価で50~80万円程度です。前述のように、車1台で必要な広さは4~6坪程度となり、200~480万円程度が目安といえるでしょう。

坪単価をニーズごと詳細に分別し、車の台数ごとの費用相場を以下の表にまとめました。

車の台数・広さ・坪数別の概算費用

車の台数 必要な広さ 費用相場
1台 4〜6坪 200〜480万円程度
2台 8〜12坪 400〜960万円程度
3台 12〜18坪 600〜1,440万円程度
4台 16〜24坪 800〜1,920万円程度

上記の表は目安の金額です。普通自動車より大型の車を所持している場合は、より広い駐車スペースが必要となる可能性があります。ガレージの広さや設備などによっても、施工費用が変わることは認識しておきましょう。

ビルトインガレージ付きの注文住宅を建てる費用の総額

4人家族で40坪の注文住宅を建てる場合を例として、実際にかかる費用をシミュレーションしてみましょう。40坪のうち、35坪を居住スペースとし、残りの5坪にビルトインガレージを設置することを想定しています。

フラット35の利用者調査によると、全国の土地付き注文住宅の平均坪単価は約95万円となり、約35坪の家を建てた場合の建築費用は、約3,325万円となる計算です。

また、5坪のビルトインガレージにおける建築費用の相場は250~400万円程度となります。これを住宅の費用と合計すると、約3,575~3,725万円です。

上記はあくまで全国平均における坪単価で計算したものですが、坪単価はエリアや建築を依頼する業者によっても開きがあります。

正確な数字は、見積もりを依頼した結果で比較するようにしましょう。

参考:フラット35利用者調査 2022年度|住宅金融支援機構

ビルトインガレージを導入するメリット・デメリット

ビルトインガレージには、具体的にどのようなメリット・デメリットがあるのでしょうか。

カーポートや露天のカースペースなどと比較して、どの仕様にするか悩んでいる方は、検討の参考にしてください。

メリット

家のカースペースをビルトインガレージにするおもなメリットは以下が挙げられます。

  • ● 車やバイクを身近に感じることができる
  • ● さまざまな趣味のスペースとして活用できる
  • ● 車の安全を確保できる
  • ● 乗り降りが天候に左右されず楽にできる
  • ● 収納や物置など多目的に使える

家と一体型のビルトインガレージは、車やバイクが好きな人の「愛車をつねに身近に感じていたい」という願望を具体化する場所になります。

屋内に愛車を収容すれば、悪天候や災害、盗難やいたずらなどから愛車を守ることができ、安心感があるでしょう。

また、家の中から直接車庫にアクセスできることで、天候に左右されず乗り降りが楽にできます。身体の不自由な方や高齢の方にとっても安心です。

買い物などの重い荷物も、直接家に搬入することで、生活動線も機能的になります。

さらに、広さによっては工房や作業スペースとして使ったり、農機具・園芸用品、DIYの道具、アウトドア用品などの管理・保管場所にしたりするなどが可能です。

多目的に活用しやすい点もビルトインガレージの大きなメリットといえます。

デメリット

ビルトインガレージには、以下のようなデメリットもあります。検討の結果「やめた」「カーポートにする」ということもあり得るでしょう。

  • ● 耐震性を確保するために建築コストが高くなることがある
  • ● ある程度の面積を確保する必要がある
  • ● 騒音や排気ガスの影響に注意が必要

ビルトインガレージは車の出入りのために、大きな開口部を設ける必要があり、本体の面積・容積も、ギリギリのサイズでは機能を果たせない、使いづらいガレージに後悔が残る可能性があります。

家の一部に大きな駐車スペースを確保する必要があるため、建物を支える構造に工夫が必要となるのです。

耐震性を補う目的で家の梁(はり)を太く強化したり、強度の高い建材を使用したりなどが必要となると、通常の注文住宅よりも建築コストが高額になる可能性があります。

また、住環境を犠牲にしないためには、ビルトインガレージとともに、居住部分もある程度の余裕がある間取りが必要でしょう。これも建築コストが上昇する要素となります。

そして、ガソリン車・HV車のエンジン音や排気ガス、シャッターの開閉による騒音などは、居住側の空間にも影響する可能性が出てきます。就寝時間の早い子どもがいる家庭や二世帯住宅などは、とくに配慮が必要となるでしょう。

駐車場をレンタルするより注文住宅にガレージを設置した方がお得?

家に駐車場がなければ、車を所有する間は借り続ける必要のある月極駐車場。

駐車場を借りるのと、注文住宅にガレージを設置するのでは、どちらの方がお得になりやすいのでしょうか。

結論からいうと、駐車場料金の相場に左右されるものの、ガレージを設置した方がお得になる可能性があります。

駐車スペースを設置せずに外部の月極駐車場を借りた場合、月あたりで5,000~1万円程度の費用が必要です。さらに駐車料金の高い東京23区では、月平均で3万円かかることになります。

たとえば、5坪のビルトインガレージを250万円の費用でつくったケースで、どのくらいでもとが取れるのかを試算してみましょう。

ビルトインガレージの施工費用・250万円のもとが取れるまでの年数

駐車料金が月5,000円の場合 約42年
駐車料金が月1万円の場合 約21年
駐車料金が月3万円の場合 約7年

長期間にわたって車を所有する場合、もとが取れる可能性は高いです。

また、数値化の検証は難しいですが、車は車庫保管にすることによって故障や傷みの進行が少なくなるため、車の維持費自体にも好影響があることは確かでしょう。

なお、上記の価格250万円は施工コストで、ガレージのメンテナンス費用や電気料金などのランニングコストは含まれないので、正確にはそれらも反映させるのが望ましいです。

注文住宅にビルトインガレージを設置する際の気をつけたいこと

この項では、ビルトインガレージを設置する際に気をつけたい、以下の5つの注意点をご紹介します。

  • ● 後付けは費用が高くなる可能性がある
  • ● 延べ床面積の5分の1を超えると固定資産税の対象となる
  • ● 防音や排気ガスの対策が必要
  • ● メンテナンス費用がかかる
  • ● 後からサイズを拡張するのが難しい

後付けは費用が高くなる可能性がある

新築時は予算上のやりくりが厳しく、後年リフォームでビルトインガレージを設置したいという場合もあるでしょう。あるいは中古物件でビルトインガレージがほしいケースも、後付けの対象になります。

しかし、ビルトインガレージは後付けすると、新築時よりも施工にかかる費用が高くなってしまう可能性があるのです。

また、家の構造や間取りによっては、ビルトインガレージの後付けが難しいケースもあります。

したがって、なるべく新築時に同時につくるか、予算的に厳しい場合は設計時にハウスメーカーなどに相談して、後付けできるように新築時の費用負担を減らしておくようにしてもらいましょう。

ただしそれでも、現在の資材・人件費の高騰から、後付け施工時には当初の予算から何割か高くなっている場合も想定されます。

延べ床面積と固定資産税課税に注意

建築基準法によって、ビルトインガレージなどの車庫の面積は、延べ床面積(各階の床面積の合計)の5分の1を超えない限り、住宅の延べ床面積としては加算しないと定められています。(車庫緩和)

たとえば、下図のように延べ床面積が90㎡である場合、車庫の面積が5分の1の18㎡以下、かつ構造的に課税対象外であれば、固定資産税はかかりません。

5分の1を超えた場合は、超えた部分は床面積参入されます。

プランの検討中に延べ床面積の5分の1を超えてしまわないように注意しましょう。

固定資産税については、以下の構造と認められると、課税されることになります。

  1. 1.土地定着性:基礎があって土地に定着していること
  2. 2.外気分断性:屋根と三方向以上の周壁があること
  3. 3.用途性:居住や作業などの用途に使用できる状態であること

また、固定資産税については、電動シャッターも固定資産税評価額の加算評価項目となっているため、課税の対象とされる可能性があります。

参考:建築基準法(昭和二十五年)

引用:殖産ベスト

防音や排気ガスの対策が必要

ビルトインガレージでは、前述のように車にエンジンをかけたり、シャッターを開け閉めしたりする際に、自宅に対して騒音となる可能性があります。

防音性能を高めることに加えて、排気ガス中毒のリスクも想定して、寝室や子ども部屋などと離れた間取りにするなどの対策をしましょう。

ビルトインガレージと隣接させて配置するのに適しているお部屋は、リビングやゲストルームなどです。洗面所・浴室・トイレといった水回りをまとめて隣接させることもあります。

また、ビルトインガレージ内には換気のための設備を導入しましょう。排気ガスの充満による危険防止はもちろんのこと、湿気や高温による建物の劣化を防止することにもつながります。

メンテナンス費用がかかる

ビルトインガレージは初期費用以外に、車庫内や空調の清掃費用、シャッターの修理・交換費用などのメンテナンス費用が必要となります。

また、ガレージ内には照明や防犯カメラ、洗車のための水道などを設置するので、電気代や水道代も消費することに。

それらの費用は年間にして数万~数十万円程度となりますが、採用する設備やシャッターの素材などによっても増減するでしょう。設置の計画段階で、ランニングコストについても施工業者に確認しておくようにしましょう。

後からサイズを拡張するのが難しい

将来的に車の買い替えによるサイズアップや、台数が増える可能性がある場合、最初から広めに駐車スペースを確保することをおすすめします。

自宅住居の建物と一体のビルトインガレージは、後でサイズを拡張することは難しく、拡張できたとしても、場合によっては容積率オーバーになってしまう可能性もあるでしょう。

また、収容する対象は車だけでなく、バイクや自転車の数も事前に考えておくのがおすすめです。

なお、今後は電気自動車の普及に伴い、電気自動車に乗り換える可能性があるかもしれません。充電用のコンセントはあらかじめ設置しておくか、後付けできるように電気工事だけでもしておくことができます。

ビルトインガレージの活用例

ビルトインガレージは、単なる車のためのスペースというだけではありません。アイデアや工夫次第で、暮らしのための多機能空間として活かすことができるでしょう。

活用の方向性には、以下のような例があります。

  • ● 収納スペースとして
  • ● 子どもの遊び場や趣味の空間として
  • ● 家事やDIYの作業スペース
  • ● 家族の憩いの場として
  • ● ペットや日常の家事に役立つ設備をプラス

ガーデニング用品やアウトドアグッズ、工具、自転車、子どもの乗用玩具やベビーカーなどを一度に収納でき、屋外物置の役割を果たす場所にすることが可能です。

子どもの遊びや趣味では、雨の日の遊び場、DIYやプラモデルづくりに集中する空間、アトリエ、無料の音楽スタジオやトレーニングスペースなどとしての活用もできるでしょう。成長やライフスタイルによって、活用のアイデアは無限です。

夏は適度に日差しを避けて子ども用プールを広げる、BBQを楽しむなど、アウトドアリビング的な使用で、家族・友人との時間を充実させましょう。

洗い場を設けることで、自宅土間のように散歩帰りの愛犬の足洗いや泥靴・アウトドア用品の洗浄なども気軽にできます。

また、断熱や換気に力を入れることで、夏は涼しく湿度を抑え、冬暖かく過ごす環境をつくると、活用の幅は一気に広がるでしょう。

ビルトインガレージの注文住宅の実例

この項では、ビルトインガレージの注文住宅の事例から、こだわりポイントや魅力をご紹介します。

事例1:趣味や交流の場

居住空間のリビングや書斎などでは、広さや使い勝手の制約があり、好きなものを思い切りディスプレイするのには限界があります。

その点、家族・友人と、共通の趣味を共有する場にしやすいのがビルトインガレージです。生活感が出にくく、友人も気兼ねなく訪れやすいというメリットもあります。

椅子やテーブルを準備し、お茶や語らいの場として楽しい時間を共有しましょう。

この事例では、ただ好きなものを置くだけではなく、内装まで世界観を崩さない作り込みを施しているのがこだわりポイントです。

事例2:納屋機能や耐候性

屋外で使用する園芸やDIY、車の整備などの道具を整理して収納できる場所があると、使いたいときすぐ取り出せて片付けもスムーズです。道具もできる限り雨ざらしにせず、傷みが少なく長く使用できるでしょう。

また、豪雪地帯や寒冷地では、ガレージの活用で車の出し入れや雪かきの手間を減らすことは、暮らしの合理化に大切な要素となります。

この事例は堅牢なつくりとシャッター装備で普段使いの安心にこだわった、倉庫兼用のビルトインガレージです。

外用の道具の収納に活用するほか、悪天候時も買い物の荷物をパントリーに直接搬入できる動線になっています。

事例3:都心の住宅事情に合わせて

都市部でよくあるタイプのビルトインガレージです。立地の良いエリアであっても、家族によっては車を使うニーズが確実にあります。

この事例は高額な月極駐車料金を避け、カーポートよりも風雨にさらされにくいものの、無理に屋根や壁、シャッターなどを設けず、施工や固定資産税など、コスパ上も程良い仕様です。

まとめ

注文住宅のビルトインガレージの費用相場はどのくらいか、坪単価や設置の事例をご紹介しました。

住居では実現が難しい機能をさまざまに補ってくれるのが、ビルトインガレージです。

都市部では立地上の制約のほか、容積率の制限もあり、大きなスペースの確保は困難と思われますが、ご家族のニーズとして当てはまるものがあれば、検討してみてはいかがでしょうか。

執筆・情報提供

滋野 陽造

保有資格:宅地建物取引士 賃貸不動産経営管理士

早稲田大卒。マスコミ広報宣伝・大手メーカーのWebディレクター・不動産仲介業を経て、ライター業・不動産賃貸業に従事。実務経験をもとに住まいづくり、不動産の売却・購入、暮らしの法令などのジャンルで記事の執筆を行う。

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この記事はハウジングステージ編集部が提供しています。

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