2026.08.21
窯業系サイディングを選んで後悔する理由は?メリット・デメリットや対策も紹介
新築やリフォームの外壁材として、豊富なデザインやコスパの良さに優れた窯業系サイディングは、有力な候補となるでしょう。
しかし、選び方や取り扱いによっては、「失敗だった」と後悔するケースもあります。
本記事では、窯業系サイディングを選んで後悔する理由はどのようなものか、メリット・デメリットやリスク対策までご紹介。検討材料として、具体的な情報をお届けします。
下記は、外壁素材のシェアを表したデータですが、近年における窯業系サイディングの人気ぶりがよくわかるデータです。

INDEX
窯業系サイディングとは

サイディングとは、建物の外壁に貼って使用するパネル状の仕上げ材(外装材)で、日本国内の戸建て住宅の約9割以上で使用されています。
その中で窯業系(ようぎょうけい)サイディングとは、セメントと繊維を固めた素材で作られた外装パネルです。
以下に他の外壁材との比較を簡単にご紹介します。
- ● 窯業系サイディング
外観の美しさ・高級感や耐久性の高さが特徴。断熱性も高い。 - ● 金属サイディング
軽量で耐震性に優れている。熱に弱い。 - ● 木質サイディング
天然木を使用した風合いが人気。断熱性も高い。塗装などのメンテナンスが高価に。 - ● モルタル
自由なデザインが可能で、安価に施工しやすい。ひび割れに要注意。
窯業系サイディングのメリット

ほかのサイディング材にも共通する特徴として、施工が簡単なため、コスト面で強いことが挙げられます。また、窯業系はサイディングとしても単価が比較的抑えやすいです。
外観に高級感があり、耐火性も高く、軽くて地震の揺れにも強いなど、外壁材としての性能面も優れているといえるでしょう。
そして、特筆できるのはその種類の多さです。
木目風(木質系でなく窯業系)やタイル風、レンガ風、石積み風、塗り壁風など、デザインや色のバリエーションが豊富で、好みに合わせた施工をしやすいことも、人気の秘密でしょう。
窯業系サイディングを選んで後悔する理由

窯業系サイディングを選んで後悔する理由は、おもに以下の3点によるものです。
- ● 凍害に弱い
- ● メンテナンス回数が多い
- ● 蓄熱性が高い
凍害に弱い
冬季に思わぬ気温の下がり方をする際にリスクとなるのが、凍害です。
凍害とは、外壁材に含んでいた水分が外気温によって凍結と解凍を繰り返すことで、徐々に劣化してしまう現象を指します。
窯業系サイディングの原料となっているセメントは、水を吸い込みやすい性質があるため、水を吸ったサイディングが凍害で脆くなることがあるのです。
その結果、外壁の反り、浮き、ひび(クラック)、割れ、欠けなどの可能性があります。
表面をコーティングしている塗料の防水効果が経年劣化で切れてくると、雨水などの水分をさらに吸収しやすくなり、膨張や収縮を繰り返すことに。
補修のために張り替えや上張り工事をするなど修繕費用がかかることもあり、施工地によって素材選びを考える、こまめな補修を行うなどの対策が必要になります。
メンテナンス回数が多い
長持ちさせるにはこまめなメンテナンスが大切である点は、どの外壁材にも共通する点です。
一部の樹脂系サイディングを除いて、外壁には塗装の塗り直しが必須となります。
窯業系サイディングの場合、前項で述べたように素材自体に防水性がなく、塗膜の劣化が凍害を始めとする壁材の寿命に大きく影響してくる場合も。
そこで、塗料の効果を保つためにメンテナンスの回数が増える傾向があり、それだけ維持費が高くついてしまう点が、後悔につながることがあるのです。
劣化した表層の塗料の塗り直しのほか、目地のコーキングが劣化している場合は、継ぎ目の防水性を守るため、打ち直し(再充填)が必要となります。
塗装もコーキングも新築から10年ほどで点検・施工が必要な目安時期となりますが、家の立地によっても外壁材の劣化する速度は変わってくるため、要注意です。
傷みが進むほど補修の費用はかさんでいくため、劣化の兆候を早めに掴んで、対策を開始することで長い目で見た際の維持費が抑えられるでしょう。

蓄熱性が高い
窯業系サイディングは、その特性として蓄熱性が高く、夏季は太陽光によって外壁が熱くなって、室内の温度が上がりやすくなることには要注意です。
これは、原料のセメントが熱を吸収しやすい特徴をもつためで、外壁の影響で屋内が暑くなりやすい傾向があります。
家屋の断熱性能が低い場合は、さらに外壁の蓄えた熱を屋内に取り込みやすくなることに。
したがって、サイディング表面に遮熱塗料を塗布する、家の断熱を高める、通気工法を採用するなどが対策となるでしょう。
サイディングの熱対策にこれらの費用をかけるのも判断に迷うところです。日当たりの良い住居では、外壁材選びは慎重に行いましょう。
既に窯業系サイディングを使用している場合の対策

既に窯業系サイディングを外壁に使用していて、「うちは大丈夫?」と気になる場合は、以下の対策を行いましょう。
- ● 塗膜の劣化を確認する
- ● 耐久性の補修工事を行う
塗膜の劣化の状態をチェックし、程度が軽いうちにこまめに補修すれば、大掛かりな修繕のリフォームにつながらない場合もあります。
劣化がひどい場合、金属サイディングなど、ほかの壁材への張り替え工事も可能です。
塗膜の劣化を確認する
まず、塗膜が劣化しているサインを探すために、ご自分でも以下の点を確認してみましょう。
- ● 外壁にコケや藻、カビができ始めている
- ● これまでなかった汚れが付着している
- ● 壁に触れてみて外壁の色が手に付着する(チョーキング現象)
- ● 外壁表面に細かいひび割れが見られる(ヘアークラック)
これらに該当する場合、塗料の防水性が低下しているといえます。コケや汚れの付着は、外壁の表面が劣化して水分を蓄えるようになったことから起こるものです。
チョーキングのおもな原因は、紫外線や雨風によって表面の塗料が劣化していることです。塗料の種類にもよりますが、10〜15年単位で塗料に含まれる樹脂が分解されてゆき、塗膜の内側にある顔料(色の成分)が粉のように表面に浮き出てくるのです。
外壁の破損については、反りや浮き、ひびなどがあると、そこから雨漏りが始まるリスクもあります。
このような症状に応じて、塗料の塗り替えや釘やビスによる壊れ箇所の補修、コーキング材の打ち直しを進めましょう。
耐久性の補修工事を行う
前項でもご紹介したメンテナンス方法について、それぞれの方法と費用、DIYの可否などやや深掘りしてご説明します。
● 再塗装
サイディング材の劣化を防ぎ、防水性の維持・復活のために施工します。塗装の耐用年数に伴って、10~15年ごとに再塗装を行いましょう。
費用は足場代を含め、1㎡あたり3,000~5,000円程度が相場です。DIYも可能なものの、専門的な知識と技術が必要なため、仕上がりなども考慮すると、業者への依頼がおすすめでしょう。
● シーリングの打ち替え
シーリング材(コーキング材)の劣化を補い、雨水の浸入を防ぐために施工します。5~10年ごとに打ち替えを行い、費用は1mあたり1,000~2,000円程度が相場です。
DIYも可能ですが、やはり専門的な知識と技術、適切な道具などが必要となります。
● ひび割れの補修
サイディング材にひび割れが発生した場合に行います。ひび割れの程度によって、補修方法が異なるため、費用や補修範囲、方法を見積もり依頼して確認することが必要です。DIYも可能ですが、補修箇所が広範囲に及ぶ場合は、業者に依頼するのが良いでしょう。
● 高圧洗浄
外壁に付着した汚れやカビ、コケなどを除去します。塗装やシーリング打ち替えの準備工程としても行う作業です。費用は1㎡あたり500~1,000円程度が相場となります。DIYで高圧洗浄機を使用する際は、外壁やシーリング自体を傷つけないよう注意が必要です。
まとめ

窯業系サイディングを選んで後悔する理由はどのようなものか、メリット・デメリットやリスク対策までご紹介しました。
窯業系サイディング素材は、高級感や落ち着きのあるデザインも多く、仕上がりに期待したくなるところです。しかし外壁選定の際は、こちらに取り上げた注意事項について、施工業者ともよく相談のうえ、決めるようにしましょう。
※外壁をDIYする際には、2階以上の高さとなる場合、危険防止のために必ず足場設営を依頼したうえで行ってください。
執筆・情報提供

滋野 陽造
早稲田大卒。マスコミ広報宣伝・大手メーカーのWebディレクター・不動産仲介業を経て、ライター業・不動産賃貸業に従事。実務経験をもとに住まいづくり、不動産の売却・購入、暮らしの法令などのジャンルで記事の執筆を行う。
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この記事はハウジングステージ編集部が提供しています。





