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住宅のマネーと制度

2019.11.13

金利の低い「フラット35(保証型)」の利用者が急増している!

2019年10月29日、住宅金融支援機構が19年7月~9月期のフラット35申請件数などを発表しました。超低金利を反映してフラット35の申請件数全体は前年比1割以上も増加しているのですが、なかでも「保証型」の申請件数が大幅に増加しているのが注目されます。

INDEX

フラット35全体の申請件数は前年比1割アップ

2019年10月29日、住宅金融支援機構が19年7月~9月期のフラット35申請件数などを発表しました。超低金利を反映してフラット35の申請件数全体は前年比1割以上も増加しているのですが、なかでも「保証型」の申請件数が大幅に増加しているのが注目されます。現在主流の「買取型」に比べて金利が低いなどのメリットがあるので、これから住宅ローンを利用して、マイホームの建設などを考えている人は、このフラット35(保証型)の存在をぜひ知っておいていただきたいところです。

マンション価格の上昇を反映して実績金額増加

図表1をご覧いただくと分かりますが、2019年7月~9月のフラット35申請件数は前年同期比で11.6%の増加でした。2017年、18年とやや上昇気味だった金利が、2019年に入って再び低下して、過去最低水準に近づいていることもあって、この際、全期間固定金利型で完済まで金利が変わらないという安心感がある、フラット35を利用しようと考える人が増えているのではないでしょうか。
なかでも、融資実績の金額が17.8%も増えているのが注目されます。申請件数の増加率を大幅に上回っています。これは、首都圏のマンションを中心に住宅価格が大幅に上がっているため、1件当たりのローン利用額が前年より大きくなっているためではないでしょうか。

図表1 フラット35(全体)

2019年7月~9月 2018年7月~9月 対前年同期比
申請戸数 3万1591戸 2万8296戸 111.6%
実績戸数 2万3551戸 2万0606戸 114.3%
実績金額 7087億1168万円 6018億1049万円 117.8%

資料:住宅金融支援機構ホームページ

フラット35(保証型)は前年同期比41.2%増加

それはともあれ、このフラット35には、民間金融機関が個人に融資した債権を住宅金融支援機構が買い取る「買取型」と、民間金融機関が個人に融資する債権を住宅金融支援機構が保証する「保証型」があります。
このうち、保証型が大幅に増加しています。上にみたように、フラット35全体の申請件数は前年同期比で11.6%の増加ですが、保証型に関しては、図表2にあるように、何と41.2%も増えているのです。実績金額に至っては70.4%もの増加です。
買取型が全国ほとんどの金融機関が取り扱われているのに対して、保証型は取扱い社数がまだ少なく、2019年10月現在、日本住宅ローン、アルヒ、財形住宅金融、広島銀行、クレディセゾン、住信SBIネット銀行の6社にとどまっています。
それでも、これだけ急増しているのですから、それには理由があるはずです。

2019年7月~9月 2018年7月~9月 対前年同期比
申請戸数 4781戸 3387戸 141.2%
実績戸数 3315戸 2040戸 162.5%
実績金額 943億0984万円 553億3597万円 170.4%

資料:住宅金融支援機構ホームページ

買取型に比べて金利が低いのが保証型の魅力

最大の要因は、金利の低さでしょう。2019年10月のフラット35の金利をみると、買取型は返済期間15年~20年が1.06%で、21年~35年が1.11%です。
それに対して、フラット35の取扱件数が最も多いアルヒのフラット35(保証型)の金利は、自己資金3割以上の人だと0.96%が適用されます。自己資金2割だと1.01%で、1割は1.11%です。自己資金の割合が高く、その分、ローン破綻のリスクが小さいとみられる人ほど低い金利が適用されるわけです。
ちなみに、この金利は団体信用生命保険に加入する場合で、加入しないときにはときには、自己資金3割以上の人で0.68%になります。

図表3 フラット35買取型と保証型の返済額の比較
設定条件:借入額3000万円、35年元利均等・ボーナス返済なし

適用金利 毎月返済額 総返済額
保証型自己資金3割 0.96% 8万4127円 3533万3340円
保証型自己資金2割 1.01% 8万4825円 8万4825円
買取型自己資金1割 1.11% 8万6232円 3621万7440円

※金利は2019年10月現在
アルヒのフラット35(保証型)のホームページはこちらから

35年間の総返済額が90万円近くも軽くなる

借入額3000万円のケースで返済負担を試算すると、通常のフラット35の金利1.11%だと、毎月返済額は8万6232円で、35年間の総返済額は約3622万円になります。
それに対して、保証型の0.96%を利用できれば、毎月返済額は8万4127円に減少し、35年間の総返済額は約3533万円です。毎月にして2150円の減額で、35年間の総返済額では 約89万円も少なくなります。
もちろん、保証型も買取型と同様に、当初の金利が0.25%低くなる「フラット35S」を利用できますから、当初5年または10年間の金利は0.96%-0.25%で0.71%に下がります。これなら、変動金利型や固定期間選択型の固定期間の短いタイプと遜色のない金利です。それでいて、完済までの金利が確定しているのですから、安心して資金計画を組むことができます。
これから住宅ローンの利用を考えるなら、このフラット35(買取型)を活用するのが賢い消費者というものでしょう。

著者

山下和之(やました・かずゆき)

新聞・雑誌・単行本の原稿制作、各種講演・メディア出演など広範に活動。主な著書に『よくわかる不動産業界』(日本実業出版社)、『マイホーム購入トクする資金プラントと税金対策』(学研プラス)、『住宅ローン相談ハンドブック』(近代セールス社)などがある。

・山下和之の良い家選び ・Business journal ・現代ビジネス ・ZUU online

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この記事はハウジングステージ編集部が提供しています。

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