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2020/01/27

住宅ローン審査では「審査金利」の適用に注意が必要

 建物の詳細設計も決まって、いよいよ建築請負契約を結んで着工、そう思っていたら、金融機関から希望通りの融資ができないと注文が入って計画が頓挫してしまった――そんな経験を持っている人たちが少なくありません。
意外に知られていないことですが、その要因のひとつになっているのが、金融機関の「審査金利」です。しかし、その「審査金利」の仕組みを理解して、ゆとりある資金計画を立てておけば、問題なくクリアできるはずですから、「審査金利」に対応できるようにしておきましょう。

INDEX

1割以上の人が希望額の融資を断られた経験を持っている

 まずは、図表1をご覧ください。これは、国土交通省が毎年実施している「住宅市場動向調査」の住宅ローンに関する調査の一部です。実際に、注文住宅を建てた人に対する調査ですが、実は、2018年度の場合、金融機関に「融資を断られた経験はない」とする人は87.4%で、「融資条件を厳しくしなければ融資不可」といわれた人が6.8%いるほか、「融資は一切できない」といわれた経験のある人も5.0%います。
 何と、1割以上の人が何らかの形で金融機関から希望額の融資を断られた経験を持っているわけです。これでは、せっかくのマイホーム計画が頓挫してしまいかねません。なぜ、こんなことが起きるのでしょうか。

図表1.希望額融資を断られた経験

(資料:国土交通省『平成30年度住宅市場動向調査』)

融資金利より高めの金利で審査するのが「審査金利」

 その原因のひとつになっているのが、「審査金利」の存在といわれています。
 多くの金融機関では、優遇金利制度が実施され、変動金利型や固定期間選択型の固定期間の短いタイプなら、0%台の金利で利用できるようになっています。
 しかし、これらの金利タイプのローンは、借入後に金利が上がると適用金利も上がり、返済額が増えてしまいます。当初の返済額では返済に問題はなくても、増額後の返済額では返済が厳しくなるケースも想定されます。最悪の場合、ローン返済の延滞、そしてローン破綻といった事態も想定されます。
 金融機関では、そうならないように、あらかじめ「審査金利」を設定して、高めの金利で審査するところが多いのです。高めの金利で厳しく審査しておけば、ローン事故のリスクを極小化でき、それは金融機関の経営上の安全策であると同時に、利用者からみても家計の健全な運営につながるという考え方です。

ほぼ4割の金融機関が「審査金利」で審査を行っている

 実際どれくらいの金融機関がこの「審査金利」を導入しているのかは、図表2にある通りです。39.3%の機関が「審査金利により審査」としており、「審査金利は適用しない」の34.9%を上回っています。ほかに、「案件により異なる」とするところも25.8%あります。恐らく、借入後に金利が上がっても適用金利が変わらない全期間固定金利型に関しては「審査金利」は適用しないが、変動金利型など返済額増額のリスクがある金利タイプに関しては、「審査金利」を適用するケースが多いのではないないでしょうか。
 そうなると、変動金利型などに関しては、39.3%+25.8%の合計65.1%が「審査金利」を適用していることになります。
 当然のことですが、実際の金利より高い「審査金利」が適用されると、ギリギリの資金計画で融資を申し込んでいる人は、審査にひっかかる可能性が出てきます。

図表2.審査金利の適用状況 (単位:%)

(資料:住宅金融支援機構『2019年度民間住宅ローンの貸出動向調査』)

年収が高くても土地・建物の取得だとひっかかることも

  気になるのは、「審査金利」がどの程度の金利なのかという点ですが、これに関しては、基本的に金融機関は公表していませんが、業界関係者の間では、3%から4%程度ではないかといわれています。
 それでも、800万円、1000万円と年収の高い人ならさほど問題なくクリアできます。金融機関の審査では、年収に占める年間返済額の割合である返済負担率が35%とするところが多いのですが、年収800万円なら4%の「審査金利」が適用されても、図表3にあるように借入可能額は5270万円です。あらかじめ土地があって、建物だけの融資というのであれば、ほぼ問題はないでしょう。ただ、土地・建物を同時に取得という場合には、それではひっかかるケースがあるかもしれません。たとえば、6000万円の融資を希望していても、「5000万円までしか融資できません」といわれたりします。

図表3 金利によって借入可能額はこんなに違う
設定条件:35年元利均等・ボーナス返済なし、返済負担率35%

金利 令和元年11月
400万円 600万円 800万円 1000万円
1% 4130万円 6200万円 8260万円 1億0330万円
2% 3520万円 5280万円 7040万円 8800万円
3% 3030万円 4540万円 6060万円 7570万円
4% 2630万円 3950万円 5270万円 6580万円

年収がさほどではない人は建物だけでも減額の可能性が

  年収がさほどではない場合、建物だけの融資でも減額などの可能性が出てきます。
 やはり図表3をみると、年収400万円の場合、金利1%で借入可能額を計算すると4130万円ですが、金利3%だと3030万円に、金利4%だと2630万円になります。建築費にもよりますが、場合によっては希望通りの融資を受けられない可能性ができます。
 ただ、考えていただきたいのは、「審査金利」を適用するということは、利用する人のローン事故などを防ぐための措置であるという点。ですから、高い金利で審査されても、無事に審査に合格できるようなゆとりある資金計画を立てるのが、安心です。
 いや、それでもどうしても希望額の融資を受けて、夢のマイホームを実現したいというのであれば、諦めずに他の金融機関を当たってみてください。金融機関によって審査の対応が異なることがあるので、別の金融機関ならOKという返事がくるかもしれません。あくまでも、自己責任ということで、探してみるのがいいでしょう。

著者

山下和之(やました・かずゆき)

新聞・雑誌・単行本の原稿制作、各種講演・メディア出演など広範に活動。主な著書に『よくわかる不動産業界』(日本実業出版社)、『マイホーム購入トクする資金プラントと税金対策』(学研プラス)、『住宅ローン相談ハンドブック』(近代セールス社)などがある。

・山下和之の良い家選び ・Business journal ・現代ビジネス ・ARUHIマガジン
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