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2020/03/09

健康を整えるには「住まい」も大事!「住」に目を向けた心・体の健康法

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浴槽での溺死は年々増加

 わが国では、交通環境の整備、クルマの安全性能の向上、医療技術の発展などによって、交通事故による死者数は年々減少していますが、家庭内での事故死が増え続けています。なかでも、浴槽での溺死、住まいのなかでの転落死などが、交通事故による死者数を上回るほどです。
 浴槽での溺死については、暖かい居間から寒い廊下に出て、さらに寒い脱衣室で脱ぎ、あわただしく熱い浴槽に飛び込む――といった温度環境の激変のなかでヒートショックを起こすことによって、発生することが多いといわれています。

住まいの断熱改修でヒートショックは未然に防止

 しかし、自動車事故による死者が減少したように、住まいのなかでの溺死についても、住まいの性能向上によって防ぐことができるはずです。
 そのため、国土交通省と厚生労働省が進めているのが「スマートウェルネス住宅等推進調査事業」です。日本サステナブル建築協会に委託して、住まいの断熱化がいかに住む人の安全・安心、健康につながるかを証明する実証実験を進めてきました。
 たとえば、これまでの調査で、居間や脱衣室の室温が18度以上の住まいであれば、湯船の温度がぬるめになり、入浴時間も短縮されて、湯船のなかでヒートショックを起こす確率が低下することが証明されています。断熱化で住まいのなかを暖かくすれば、家庭内の事故で最も多いヒートショックによる溺死を削減することができるはずです。

温かい住まいで血圧が10㎜Hgもダウン

 ヒートショックを起こしやすいかどうかは、血圧が大きく影響しますが、住まいの断熱化を進めて、室内の温度を上げることで、血圧が低下することも、調査結果から明らかになりました。
 図表にあるのは、男性の起床時の最高血圧ですが、室温10度の寒冷な住まいと、室温20度の温暖な住まいを比較すると、30歳で室温の高いほうが血圧が3.8㎜Hg低下し、80歳だと10.2㎜Hgも下がります。血圧を下げるためには、運動やクスリが大切ですが、報告書では住まいの温暖化も重要だとしています。

室温別の起床時の最高血圧の変化

室温別の起床時の最高血圧の変化

寒い住まいは骨折やねんざのリスクが

 同様に、住まいの温暖化によってコレストロールが下がることも確認されていますが、意外な観があるのが、骨折やねんざ、そして心の病にまでも効果があるのではないかという点です。
 図表にあるように、室温14度以上の住まいの人の骨折やねんざのリスクを1とした場合、室温14度未満の住まいでは1.7倍のリスクがあるそうです。報告書では、「居間室温が14度未満だと、皮膚表層部の血量が減少し、周辺の筋肉が硬直することがけがにつながる可能性が高い」としています。

寒い住まいで生活すると骨折やねんざのリスクが高まる

温室と骨折・ねんざの関連性

寒い家だと「心」の病気にかかりやすくなる?

 さらに意外なのは、住まいの温暖化は「心」の病気にも効果があるとする点でしょう。図表にあるように、14度以上の住まいを1とした場合、14度未満の住まいではリスクが1.7倍に高まります。
 なぜそうなるのか、報告書では、「日照時間が短くなる秋季、冬季にはうつ病が多くみられることと関連があるのではないか」としています。寒い住まいのなかでは動くのもおっくうになり、閉じこもりがちになってしまい、心の病を加速させているのではないでしょうか。
家族のひきこもりなどに悩んでいる家庭なら、まずは住まいの断熱改修から入ってみてはどうでしょうか。住まい全体が暖かくなれば、家族の活動が活発になって、交流が増えるかもしれません。

寒い家ではこころの病気の心配も

温室とこころの病気の関連性

著者

山下和之(やました・かずゆき)

新聞・雑誌・単行本の原稿制作、各種講演・メディア出演など広範に活動。主な著書に『よくわかる不動産業界』(日本実業出版社)、『マイホーム購入トクする資金プラントと税金対策』(学研プラス)、『住宅ローン相談ハンドブック』(近代セールス社)などがある。

・山下和之の良い家選び ・Business journal ・現代ビジネス ・ARUHIマガジン
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