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住宅のマネーと制度

2020.03.12

テレワークを快適に進めるための住まいづくり・コツを、プロが伝授

働き方改革、子育て支援などの推進で増加してきたテレワーク。新型コロナウイルスの影響で、いっそう注目されるようになっています。
ただ、現在の住まいのままでは、テレワークにはさまざまな障害がありそうです。リクルート住まいカンパニーが行った『テレワーク×住まいの意識・実態』調査から実情をみてみましょう。

INDEX

会社員・公務員の17%がテレワーク実施中

まず、会社員や公務員にテレワークの実施状況を聞いたところ、図表1にあるように、全体では17%の人が「テレワーク実施中」で、「テレワークを考えている/興味がある」が28%、「テレワーク導入には興味がない/仕事の性質上導入は困難」が55%でした。

年代別にみると、20歳代、30歳代の若い人ほどテレワークに積極的なようですが、年配者でもけっこう実施している人がいます。
職業別で最もテレワーク率が高かったのは、「企画/マーケティング」の38%、以下「Web/クリエイティブ系」30%、「エンジニア」「営業」がそれぞれ24%でした。

当然のことながら、「建築/土木/運輸系」、「医療/福祉/教育」など現場での仕事が不可欠な職種ではテレワーク率は低くなっています。

図表1 テレワークの実施率

テレワークの実施率

テレワークではオンオフの切り替えが難しい

テレワークを行っている人に対して、実施の理由を聞くと、「通勤時間を減らすため」が29%のトップで、以下「より集中して仕事をするため」(14%)、「家事と仕事の両立をしやすくするため」(13%)が続いています。何より、通勤時間の無駄を省き、仕事に集中したいと考えている人が多いようです。

ただテレワークへの不満もあります。最も多かったのは「オンオフの切り替えがしづらい」というもので、テレワーカーの23%がこの点を挙げています。それは、テレワークの場所の確保が難しいことが原因しているのかもしれません。
テレワークの場所をみると、図表2にあるように、「リビングダイニング(ダイニングテーブル)」が39%と最も多く、次いで「リビングダイニング(仕事専用デスク/専用スペース)」が20%で続き、書斎などの「専用ルーム」がある人は19%で、「カフェ/喫茶店」という人も12%いました。じっくりテレワークできる場所の確保が難しいことが浮き彫りになっています。

図表2 テレワークの実施場所 (単位:%)

テレワークの実施場所

テレワーカーの70%が自宅の環境整備を行っている

こで、テレワークの環境を整えるために、自宅の環境整備を行っているかどうかを聞いたところ、70%の人が「環境を整えた」と回答しています。「今後のテレワークの頻度/日数が増えたら整えたい」という人も9%いて、「整えたいとは思わない」は21%でした。
環境整備を行った人や行いたい人に、その内容を聞くと、「仕事の資料、PCなどの置き場、収納スペースをつくった/つくりたい」が最も多く、次いで、「ネットワーク環境を整えた/整えたい」などが続いています。
環境整備にかけた費用をみると、最も多かったのは、「5~10万円程度」の26%で、「1~5万円程度」と「10~30万円程度」がともに24%となっています。さほどの大金をかけているわけではなく、10万円程度までの合計は64%に達しています。なかには「100万円以上」かけたという人もいますが、全体でみれば2%程度と、さほど多くはありません。

これからの住まいづくりに欠かせない視点に

こうした環境整備を行った理由を聞くと、図表3のようになっています。
トップは「より効率的に仕事を行うため」の35%、次いで「プライベートと仕事の環境を分離するため」の30%などが続いています。先にみたように、テレワークを進める上での不満で最も多かったのは、「オンオフの切り替えがしづらい」でしたが、環境整備によってその点をカバーしたいということでしょう。
ちなみに、5位の「テレビ会議での映り込みを意識したため」というのは、インスタ映えなどを気にする、いまどきらしい回答かもしれません。
最近の新築住宅では、リビングの近くに一定のスペースを設けて仕事や趣味などの場所にするケース、またリビングダイニングを見渡せる場所にワークスペースを設置するケースなども増えています。
これからの住まいづくりにおいては、注目しておきたい視点といっていいでしょう。

図表3 自宅環境整備の実施理由化 (単位:%)

自宅環境整備の実施理由化

著者

山下和之(やました・かずゆき)

新聞・雑誌・単行本の原稿制作、各種講演・メディア出演など広範に活動。主な著書に『よくわかる不動産業界』(日本実業出版社)、『マイホーム購入トクする資金プラントと税金対策』(学研プラス)、『住宅ローン相談ハンドブック』(近代セールス社)などがある。

・山下和之の良い家選び ・Business journal ・現代ビジネス ・ARUHIマガジン

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この記事はハウジングステージ編集部が提供しています。

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