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住宅ローンは年収の何倍まで?平均借入額や自分に合ったプランの考え方

住宅の購入を検討するなかで「住宅ローンは年収の何倍まで組めるのだろうか?」と、疑問に感じている方も多いでしょう。

組める住宅ローンの借入額が明確になると、土地選びや建物のプラン作りをスムーズに進められます。そこで本記事では、住宅ローンの平均借入額や自分に合った借入額を考える方法を紹介します。

本記事を読んでいただければ、住宅ローンのシミュレーション方法がわかり、より具体的に住宅購入を検討できるでしょう。

住宅購入の資金計画で悩んでいる方は、ぜひ参考にしてください。

INDEX

住宅ローンは年収の何倍まで借りられるのか

一般的に住宅ローンは年収の7〜10倍まで借りられるといわれています。

しかし、自身の年収や住宅ローンの金利、金融機関の判断によっても異なります。

たとえば、同じ借入額でも金利が高くなると月々の返済額が増加するため、借入額を下げなければ生活に負担が生じるでしょう。また、住宅ローン以外のローンの有無なども審査に影響します。

次章では、金融機関がどのような基準で住宅ローンの上限額を決めているのかを解説します。自分が借りられる住宅ローンを把握するためにも、融資の目安が決まる仕組みを理解しましょう。

住宅ローンの借入上限額が決まる仕組み

住宅ローンの借入上限額が決まる仕組みは、大きく分けて以下の3つです。

  • ●返済負担率
  • ●借入限度額
  • ●融資率

各項目について詳しく解説します。

返済負担率

返済負担率とは年収に占めるローン返済額の割合であり、計算式は以下の通りです。

返済負担率 = 年間返済額 ÷ 年収 × 100

返済負担率の上限は金融機関によっても異なりますが、目安は30〜35%です。つまり年収500万円の場合、年間の返済額が150万〜175万円に収まるように融資額が設定されます。

住宅金融支援機構と民間の金融機関が提携して提供する「フラット35」では、以下の表の通り年収に応じて返済負担率が異なります。

年収 400万円未満 400万円以上
基準 30%以下 35%以下

引用:フラット35『年収による借入額などの制限はありますか』

返済額を計算する際に審査金利を設けている金融機関もあります。審査金利とは融資の上限を求める際に用いる金利です。

借入後に金利が上昇したとしても返済難に陥らないように、店頭金利や適用金利よりも高い金利に設定されています。住宅金融支援機構の「2021年度住宅ローン貸出動向調査」によると、約4割の金融機関が審査金利を用いて審査しています。

なお、返済負担率を求める際に会社員は「額面収入」が対象になりますが、自営業者は「所得」が対象です。そのため、自営業者は売上が多くても経費などの関係で所得が少ないと、ローンを組みにくい傾向にあります。

借入限度額

借入限度額とは金融機関が融資する際の上限金額です。

金融機関によって異なりますが、住宅ローンを組む方の年収や返済負担率、物件価格などを考慮して決定されます。

なお、フラット35の借入限度額は8,000万円です。

融資率

融資率とは物件価格に対する借入の割合です。

融資率の上限は金融機関によって異なりますが、フラット35の場合は「建設費または購入価額の9割」です。9割を超える融資も可能ですが、審査条件が厳しくなる、金利が高くなるなど、本来の条件とは異なります。
なお、必ず融資率の上限である9割の融資を受けられる訳ではありません。たとえば、1億円の物件を購入する場合、融資率9割で計算すると9,000万円までの融資を受けられますが、借入限度額が8,000万円の場合は、最大で8,000万円の融資となります。

年収別の借入限度額シミュレーション

本章では以下の条件をもとに、年収別の借入限度額をシミュレーションします。

【借入条件】

  • ・返済負担率:30%
  • ・適用金利:0.5%
  • ・審査金利:3%
  • ・借入年数:35年
  • ・ボーナス返済:なし
  • ・返済方法:元利均等返済

適用金利と審査金利ごとの借入限度額は、以下の表の通りです。

年間返済額 借入可能額
年収 (返済負担率30%) 適用金利
(0.5%)
審査金利
(3%)
300万円 90万円(月7万5,000円) 約2,890万円 約1,950万円
400万円 120万円(月10万円) 約3,850万円 約2,600万円
500万円 150万円(月12万5,000円) 約4,820万円 約3,250万円
600万円 180万円(月15万円) 約5,780万円 約3,900万円
700万円 210万円(月17.5万円) 約6,740万円 約4,550万円
800万円 240万円(月20万円) 約7,700万円 約5,200万円
900万円 270万円(月22万5,000円) 約8,670万円 約5,850万円
1,000万円 300万円(月25万円) 約9,630万円 約6,500万円

上記は返済負担率30%で計算しています。返済に余裕を持たせたい方は、返済比率を20%程度におさえてシミュレーションしてみましょう。

平均的な住宅ローン借入額は年収の何倍なのか

住宅を購入する方の平均的な借入額が気になる方も多いでしょう。本章では住宅金融支援機構の調査をもとに、平均的な年収倍率や返済負担率を紹介します。

2021年度フラット35利用者調査によると、注文住宅の年収倍率は以下の通りです。

  • ● 全国平均:6.8倍
  • ● 近畿圏:7.1倍
  • ● 首都圏:6.9倍
  • ● 東海圏:6.8倍
  • ● その他地域:6.6倍

注文住宅を購入する方は年収の約7倍の住宅ローンを組んでいることがわかります。また、注文住宅を購入した世帯の平均世帯年収は602万円であるため、全国平均の年収倍率をもとに計算すると約4,000万円の借入となります。

なお、返済負担率の分布は以下の通りです。

  • ● 10%未満:5.1%
  • ● 15%未満:14.1%
  • ● 20%未満:22.6%
  • ● 25%未満:24%
  • ● 30%未満:24.8%
  • ● 30%以上:9.3%

平均は21.5%です。多くの金融機関が返済負担率の上限を30〜35%に設定していますが、実際の借入では余裕を持った返済負担率にしている方が多いとわかります。

年収倍率だけで借入額を決めるのは危険

注文住宅を建てる方は年収の約7倍の住宅ローンを組んでいるとわかりました。しかし、年収倍率だけで借入額を決めるのは、以下のような理由からおすすめできません。

  • ● 家計の状況は人それぞれ異なる
  • ● 年収が変わる可能性がある
  • ● 金利は変動する

各項目について詳しく解説します。

家計の状況は人それぞれ異なる

家計の状況は人それぞれ異なるため、平均的な年収倍率はあまり参考になりません。

たとえば、世帯の人数が違えば生活費も異なりますし、子どもの年齢や住んでいる地域によって今後の教育費も異なります。

借入額を決める際は「審査に通る金額と無理なく返済できる金額は違う」ことを念頭に置き、現在の収入と支出、貯蓄額を踏まえて無理のない返済計画を立てましょう。

年収が変わる可能性がある

住宅ローンは長期間のローンであるため、年収の変化も考慮する必要があります。

日本では1990年代後半をピークに、1世帯あたりの平均総所得金額が減少・横ばいとなっています。すでに長く勤めれば年収が上がる時代ではなくなりました。

また、勤め先の業績によって年収が落ちたり、解雇されたりする恐れもあります。一時的に収入が減っても耐えられる分の自己資金を用意するなど、余裕を持った返済企画が重要です。

金利は変動する

変動金利を選択した場合、金利の変動によって返済額が変わります。

返済負担率の上限に近い割合で借入をした場合、金利上昇によって生活が困窮するリスクがあります。変動金利を選択する場合は、必ず余裕を持った返済計画を立てましょう。

2022年12月に長期金利の変動幅が見直された結果、固定金利は上昇しました。現状変動金利は据え置きの状態ですが、今後どうなるかはわかりません。

定期的に繰り上げ返済をするなど、金利変動への対策を考えましょう。

自分に合った借入額を考える方法

住宅ローンのリスクを軽減するためにも、自分に合った借入額を考える必要があります。具体的な方法は以下の3つです。

  • ● 現在の家賃をもとに考える
  • ● ライフプランをもとに考える
  • ● 手取り年収をもとにシミュレーションする

各項目について詳しく解説します。

現在の家賃をもとに考える

適正な借入額にするには、現在の家賃をもとに考えるのがおすすめです。

持ち家は賃貸よりも支出が増えるため、家賃と同額の住宅ローンでは生活が苦しくなってしまいます。現在の家賃支払いに負担を感じるようであれば、家賃よりも低い返済額になるように借入額を調整しましょう。

また、住宅を購入するとローンの返済以外にも毎年固定資産税や都市計画税を納める必要があるため、税金も踏まえて資金計画を立てる必要があります。

ライフプランをもとに考える

住宅ローンの借入額はライフプランをもとに考える必要があります。

車の購入や子どもの進学、転職・退職など、人生においてお金にまつわる変化は数多くのタイミングで訪れます。

どのタイミングでいくらのお金が必要になるのかを明確にしなければ、いざというときに資金不足に陥る可能性もあるでしょう。

計画的にローンを返済するためにも、ファイナンシャルプランナーなどの専門家と相談してキャッシュフロー表を作成するのがおすすめです。

手取り年収をもとにシミュレーションする

額面年収ではなく手取り年収で借入可能額を考えるのも一つの方法です。

住宅ローンの返済負担率や年収倍率は額面年収で考えるのが一般的ですが、手取り年収で考えると返済の負担を軽減できます。

たとえば額面年収500万円の方の手取り年収は400万円ほどであるため、返済負担率を30%で考えると、返済額の違いは以下の通りです。

  • ● 額面年収500万円:年間返済額150万円(月12万5,000円)
  • ● 手取り年収400万円:年間返済額120万円(月10万円)

月々2万5,000円の差になるため、返済負担は大きく異なるでしょう。返済負担率などの数値も変更しながら、自分に合った借入額を考えてみましょう。

借入金額の目安よりも高い住宅を購入するには

自分に合った借入額を考える方法を解説しましたが、住宅購入は一生に一度の大きな決断であるため、借入金額の目安よりも高い住宅を購入したいと考えている方もいるでしょう。

本章では上記のような希望を叶える方法を3つ紹介します。

  • ● 自己資金を多くする
  • ● 収入を合算する
  • ● 親族から贈与を受ける

各項目について詳しく見ていきましょう。

自己資金を多くする

借入金額の目安よりも高い住宅を購入するには、自己資金を多く準備しましょう。

頭金として自己資金を多くすれば、借入がしやすくなります。またフルローンよりも住宅ローンの返済負担が減るため、購入後の生活が楽になるでしょう。

収入を合算する

希望の借入金額に満たない場合、ペアローンや収入合算を検討しましょう。

ペアローンとは夫婦で住宅ローンを組む方法であり、収入合算とは主債務者の収入に配偶者の収入を足して住宅ローンを組む方法です。

ただし配偶者の収入も含めて住宅ローンを組む場合、配偶者のライフプランも考慮しなければなりません。退職や転職がしにくくなる可能性があるため、しっかりと話し合ってから決断しましょう。

親族から贈与を受ける

自己資金が不足している場合は親族から贈与を受ける方法もあります。

2022年(令和4年)1月1日から2023年(令和5年)12月31日までに、父母や祖父母から住宅購入のための資金贈与を受ける場合、最大1,000万円までが非課税となります。

なお、非課税の対象になるのは住宅の名義人の直系尊属からの贈与のみです。たとえば夫名義で住宅を購入する際に、妻の両親から贈与を受けた場合は非課税の対象にはなりません。

まとめ

本記事では住宅ローンの平均借入額や自分に合った借入額を考える方法を紹介しました。

借入限度額は返済負担率や融資率などによって決まりますが、年収倍率だけで借入額を決めるのは危険です。家計の状況やライフプランを考慮し、自分に合った借入額を計算しましょう。

また、自己資金が不足する場合は「夫婦で収入を合算する」「親族から贈与を受ける」などの方法があります。本記事で解説した内容を参考に、自分に合った資金計画を考えてみましょう。

執筆・情報提供

岡﨑渉(おかざきわたる)

国立大学卒業後新卒で大手不動産仲介会社に入社。約3年間勤務した後に独立。現在はWebライターとして活動中。不動産営業時代は、実需・投資用の幅広い物件を扱っていた経験から、Webライターとして主に不動産・投資系の記事を扱う。さまざまなメディアにて多数の執筆実績あり。宅地建物取引士・FP3級の資格を保有。
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