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家づくりの雑学

2020.09.24

健康は睡眠から 睡眠の質を高める、「空調」づくりって?

みなさんは、エアコンを一晩中つけて起きたら喉が痛くなったり、肌が乾燥したり、温度設定に苦労したりという経験はありませんか? また、なかなか眠りにつけず、リラックス効果のあるアロマを取り入れたという人もいるのではないでしょうか。実は、快適な室温や香りなどの空気環境は、睡眠の質を高めるにはとても重要な要素になります。

そこで、睡眠シリーズの3回目となる今回は、「空調」についてご紹介します。快適な空調設備とはどのようなものなのか、さらに睡眠をサポートするアロマついてもご紹介しましょう。

INDEX

空調が睡眠にもたらす効果

春や秋など過ごしやすい季節とはちがって、夏や冬は温度環境の調整に空調設備を利用している人がほとんどだと思いますが、上手に取り入れるケースは意外と少ないようです。何らかの不満はありながらも、どうしたらよいか分からず、諦めている人も多いのでは?

空調設備を上手に活用すれば、快適な睡眠のために必要な空気環境が整えられます。でも、使用方法を誤ると、室温を最適化できないばかりか、ハウスダストを巻き上げてしまったり、空調設備の音に不快さを感じたり、清掃不足で空調設備内に発生したカビやウィルスを体内に取り込んでしまったりと、睡眠中の身体にかなりのストレスを与えてしまうことに。

人間には、深部体温が下がることでスムーズに入眠できるというメカニズムがあります。ただし、深部体温を下げるには室温が重要で、たとえば、室温が高すぎると皮膚から熱が逃げにくくなり、また室温が低すぎると体は体温を保とうと末梢血管を収縮させてしまうので、ともに深部体温はなかなか下がらずに寝つきが悪くなります。日本睡眠科学研究所によると、睡眠時の夏場の室温は25~26度、冬場の室温は22~23度、湿度は50~60%が理想とされています。

睡眠の質を上げる空調の利用法とは?

現在、ほとんどの人がエアコンを使っていると思いますので、ここではエアコンの上手な使い方と、エアコン以外の空調システムについてご紹介します。

エアコンをタイマー設定で使う方がいると思いますが、真夏は特にお勧めしません。なぜならタイマーが切れた途端、部屋の温度が上昇し、暑くて夜中に目が覚めてしまったり、肌掛けなどをはいでしまったり、寝相が悪くて首を寝違えたりなんてことも。

できれば、夏の夜はエアコンをつけたままで寝た方がよいのですが、一晩中エアコンをつけて寝ると電気代が気になる!という人には、エアコンと併用して扇風機やサーキュレーターを使うことをお勧めします。

これらを利用すれば、床付近に溜まりやすい冷気を撹拌(かくはん)して、効率よく部屋を冷やすことができます。しかも微風があることで涼しさも感じやすくなります。ただし、強い風が肌に当たると皮膚が乾燥するだけでなく、肌呼吸もしづらくなるので、基本的には微風で首を振るか、直接、身体に当てないような工夫が必要です。

最近のエアコンには、「おやすみモード」などの機能を備えた機種もあり、室温と湿度を自動で調節できるので、そういった機種を選んでみてもよいでしょう。またエアコンの設置位置も、睡眠時に風が直接当たらないように、ベッドのレイアウトにも配慮して取り付けましょう。

それでは、次にエアコン以外の空調設備についてご紹介します。

多くの人は「空調=エアコン」と考えがちですが、実はそれだけではありません。温めたり冷やした空気を風として送り出すエアコンに対して、遠赤外線を利用して直接対象物を温めたり冷やすタイプの空調設備として輻射(ふくしゃ)式冷暖房があります。主に床暖房やオイルヒーターなどがあげられますが、冷房機能を備えた輻射式冷暖房システムも市販されています。

輻射式冷暖房システムのメリットは、エアコンと違って体の表面を温めるのではなく、体の芯から温めてくれるので、冬場の空調設備として最適だということです。燃焼などで空気を汚したり、乾燥させたりせず、また対流もないのでホコリが舞うこともなく、驚くほど静かで快適に過ごすことができます。

 

睡眠をサポートするアロマ(精油)

睡眠時の快適な空気環境のサポートとしてアロマ(精油)もお勧めです。アロマに用いられる精油は、香りの成分が大脳に直接届くため、すぐに効果がでやすい点が特徴です。睡眠前にアロマを使用することで、心身ともにリラックスした気持ちのまま、心地よい睡眠へと導いてくれます。

なかでも「安眠」にお勧めの精油といえば、代表的なのが「ラベンダー」です。ラベンダーの香りは自律神経を整え、セロトニンの分泌を促し、幸福感を高めてくれます。そのほか、「ベルガモット」や「オレンジ」、「ユズ」などの柑橘系の精油もリラックス効果が高いのでお勧めです。精油は成分表示がしっかりと記載された、品質のよいものを選ぶようにしましょう。

部屋全体に香りを拡散させるには、アロマディフューザーを使います。部分的に香りを楽しみたい場合は、リネンスプレーとしてシーツや枕に吹きかけたり、寝る前のマッサージにアロマオイルを使ったりするなど、さまざまな方法で取り入れることができます。

このように睡眠と空調は密接な関係にあります。質の高い睡眠を得るためには、適した空調設備を選び使用することが大切です。住宅展示場では季節に関係なく室温を快適に保つように工夫された空調空間を体感することができますので、じっくりチェックしてみてください。そして、理想の住まいの実現に向けて、イメージを膨らませましょう。

執筆・情報提供

吉田美帆(一級建築士)

SUNIHA UNIHA 代表 吉田美帆
一級建築士/グリーンライフプロデューサー/インテリアコーディネーター/宅地建物取引士/LOHASスタイリスト(NPO法人ローハスクラブ認定/花育インストラクター(NPOフラワーハートセラピスト協会認定)武蔵工業大学建築学科(現東京都市大学)卒業、大手設計事務所にて小学校・保育園等の設計、マンションディベロッパーにて企画等を経て、2010年SUNIHA UNIHA(サニハユニハ)設立。
執筆やセミナー、講演会など幅広く活躍する。
・1996年 武蔵工業大学卒業設計蔵田賞受賞
・2011年 国際森林年間伐材利用コンクール審査員賞受賞。
・2016年 フランス国際映像コンペ(MCSD)受賞

Ⓒ2020 Next Eyes.co.Ltd

この記事はネクスト・アイズ(株)が提供しています。

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