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家づくりの雑学

2020.10.13

健康は睡眠から カラーコーディネートで快眠生活

みなさんは、なんだか落ち着くなと感じるお部屋やお店などはありますか?また、元気になると感じたり、食欲が湧いたりするような空間はどうでしょうか?

古来より、色彩が人間の心理や感覚に影響を与えることはいわれてきました。

商業施設などはこれらの色彩の効果を取り入れた空間設計や看板などが多々あって、実は私たちは無意識のうちに色彩の影響を受けているのです。

そして、その色彩は睡眠の質を高めるためにとても重要な要素になります。

そこで、睡眠シリーズの4回目となる今回は「色彩」に着目し、快適な睡眠をサポートするカラーコーディネートについてご紹介します。

INDEX

空間を劇的に変える色の魅力

カラーコーディネートとは、その名前の通り、色彩が持つ特色や効果を知り、それらを上手く調和させてまとめること。ファッションはもちろん、インテリアにおいても重要な要素となります。「なぜかインテリアがまとまらない」、「センスよく見えない」というときは、この「色彩」を見直すと劇的によくなることも。

色は「色相」「明度」「彩度」の3つの属性で構成されています。
「色相」は赤や青などの色合いのことで、「明度」は色の明るさの度合い、「彩度」は鮮やかさの度合いをいいます。黒やグレーなどの無彩色は「明度」として分類されます。

カラーコーディネートで重要になるのが、「色相環」と「色調(トーン)」といわれています。色相環は赤→橙→黄→緑→青→藍の順番に円環に並べた色配列のことで、色は「暖色系」「寒色系」に分かれます。また、赤と青緑のように色相環で対抗位置にある色を「補色」といい、黄と黄緑のように左右に隣り合う色相を「類似色相」といいます。

トーン(色調)とは明度と彩度で色の調子を表したものです。純色(派手なトーン)に白を少しずつ加えると、明度は高く、彩度は低くなっていきます。反対に黒を加えていくと明度、彩度ともに低くなっていきます。淡いトーンはペールトーンといい、暗いトーンはダークトーンやダルトーンなどと呼ばれます。

カラーコーディネートのコツとして、一つは「同系色でまとめる」ことです。同じ色彩かつトーン(色調)違いでまとめることは、比較的、簡単に取り入れやすいのではないでしょうか。

次に色相環で隣り合う2色「類似色」でまとめるコーディネートですが、こちらも色同士の相性がよいので、どちらか一色をメインカラーにしてコーディネートするとよいでしょう。

また、色相環で相対する色「補色」でまとめるのもひとつ。こちらはお互いを引き立て合う色の組み合わせとなるので、メリハリのあるコーディネートになります。「類似色」と同じく、どちらか一方をメインカラーとし、もう一方はアクセントカラーとして取り入れるとよいでしょう。

寝つきをよくするカラーコーディネートとは

色に対する感覚や感情は個人差がありますので、究極は自分が一番心地いいと感じる色がベター。とはいえ、色彩には、交感神経を活発にする作用と副交感神経を優位にする作用があるって知っていましたか? 心理学的には「プライミング効果」もあげられます。これは行動する直前に見た色に影響を受けるというもので、この効果を利用すれば快眠に導くカラーコーディネートも可能となります。

就寝前に副交感神経を優位にすると自然に入眠できるといわれていますが、その際にもっとも効果のある色彩は青や青緑などの寒色系です。もしくは、ベージュやクリームなども入眠しやすい色といわれています。交感神経を活発にする暖色系は入眠しづらいといわれていますが、イギリスで行なわれたある調査※ では、中性色である紫が寝つきを妨げる色のワースト1位だったようです。

快眠しやすい色の知識をもとに、ぜひ、みなさんも試してみてはいかがでしょうか。

※参照:日本眠活眠育協会

おすすめカラーを取り入れたインテリア術

それでは、実際に自然な入眠を促すカラーをどのように取り入れたらよいのかをご紹介しましょう。

もっとも効果が期待できて手軽に取り入れられるのは、ベッドリネンやカーテンなどのファブリック(布製品)を変えることです。目に見える面積が広いので色の効果を感じやすく、飽きたり合わなかったりしても、気軽に変えられます。もしくは、クッションやランプシェード、オブジェやスリッパ、ラグなどの小物に取り入れてみると、アクセントになって空間にメリハリが生まれます。
また壁紙や塗装を真っ白ではなく、ベージュ系にしてみてもよいかもしれません。

このように睡眠と色彩は密接な関係にあります。質の高い睡眠を得るためには、ご自身に適したカラーコーディネートすることが大切です。住宅展示場ではさまざまな色彩でコーディネートされた空間を体感することができますので、じっくりチェックしましょう。そして、理想の住まいの実現に向けて、イメージを膨らませてみてくださいね。

執筆・情報提供

吉田美帆(一級建築士)

SUNIHA UNIHA 代表 吉田美帆
一級建築士/グリーンライフプロデューサー/インテリアコーディネーター/宅地建物取引士/LOHASスタイリスト(NPO法人ローハスクラブ認定/花育インストラクター(NPOフラワーハートセラピスト協会認定)武蔵工業大学建築学科(現東京都市大学)卒業、大手設計事務所にて小学校・保育園等の設計、マンションディベロッパーにて企画等を経て、2010年SUNIHA UNIHA(サニハユニハ)設立。
執筆やセミナー、講演会など幅広く活躍する。
・1996年 武蔵工業大学卒業設計蔵田賞受賞
・2011年 国際森林年間伐材利用コンクール審査員賞受賞。
・2016年 フランス国際映像コンペ(MCSD)受賞

Ⓒ2020 Next Eyes.co.Ltd

この記事はネクスト・アイズ(株)が提供しています。

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