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家づくりの雑学

2023.07.07

家の風通しのポイントは、窓の配置。間取り事例を基に、解説

家づくりを検討するうえで重要なのが風通しです。風通しを踏まえずに間取りを考えると、家の中ににおいや湿気がこもったり、カビが生えたりする恐れもあります。

快適な室内環境で長く生活するためにも、事前に家の風通しを考えて設計しましょう。そこで本記事では、家の風通しを良くするポイントや具体的な間取りを解説します。

本記事を読んでいただければ、どのようなことに注意するべきかが分かり、快適な住宅を建てられるでしょう。風通しの良い家で生活したい方は、ぜひ参考にしてください。

INDEX

風通しが悪くなってしまった家の、後悔・失敗事例

風通しが悪くなってしまった家の後悔・失敗事例は以下の通りです。

  1. 1. 結露やカビが発生しやすくなり、家具や建具が傷む
  2. 2. 湿気やにおいがこもり、不快な空間になる
  3. 3. ダニやハウスダストが発生しやすくなり、アレルギーの原因になる
  4. 4. 家の中に熱がこもる
  5. 5. 風が吹き抜けないため、換気がしにくい
  6. 6. 家の中に虫が発生しやすくなる
  7. 7. 洗濯物が乾きにくい

風通しが悪い家は、湿気やにおいによって不快な空間になるだけでなく、家具や建具が傷みやすくなるため、住宅の寿命が短くなる可能性があります。

また、風通しは住んでいる人の健康状態にも影響を与えます。たとえば、風通しが良い家の場合、換気をすることでカビの胞子やウイルスを追い出せますが、風通しの悪い家では同じようにはいきません。

結果として、風邪を引いてしまったり、アレルギーを発症してしまったりと、健康への悪影響が懸念されます。

さらに換気が不十分だと、夏場に室内が蒸し暑くなってしまいます。本来であれば換気によって空気を入れ替えれば解決しますが、風通しが悪い家の場合はエアコンを使用しなければなりません。春や秋にもエアコンを使用する機会が増え、光熱費がかかってしまうでしょう。

家づくりの際は間取りも重要ですが、窓の数や風の通り道などを踏まえて設計する必要があります。

風通しが良い家のポイント

風通しが良い家は、自然の風がスムーズに循環するような設計になっています。具体的には、以下のポイントをおさえて間取りを考えましょう。

  1. ①窓を二箇所に作る
  2. ②天井近くに窓を作る
  3. ③室内は引き戸にする
  4. ④風の通り道に遮るものを置かない
  5. ⑤換気扇を設置する

それぞれについて解説します。

①窓を二箇所に作る

風通しを良くしたい場合は窓を二箇所に作りましょう。室内に窓が一箇所しかない場合、風の抜け道がなく空気が出入りしにくいためです。風の入り口と出口を作ることで、室内の風通しが良くなります。

また、窓を作る際は南と北の対角線に作るのがおすすめです。地域によっても異なりますが、日本では春〜秋にかけて南から北 に風が吹くためです。

窓の種類によって風通しに違いが出るため、それぞれの特徴をおさえておきましょう。住宅の窓は一般的に以下の3種類 に分けられます。

窓の種類 特徴
縦すべり出し窓 ・縦方向を回転軸にして、左右どちらか一方に回転する窓
・正面から入ってくる風だけでなく、横からの風も室内に入りやすくなる
・細いタイプは人が侵入できる幅がないため防犯性が高い
横すべり出し窓 ・窓枠の左右に設けられたレールに沿って上部の吊元がスライドし、
窓の下側を外におし出して回転するように開閉する窓
・窓が開いている状態でも雨が入りにくい
引き違い窓 ・一般的な左右にスライドする窓
・設置コストがリーズナブル
・開口部の面積の割には風が入ってくる箇所が狭い(片側が塞がれているため)

縦すべり出し窓は、外壁面に対して直角に窓が開くため、正面からの風に加え、壁面に沿って流れる風をガラス面でキャッチして室内に取り込みます。

また、積極的に風を取り込みたい場合におすすめなのは、縦すべり出し窓を組み合わせたウインドキャッチ連窓です。

ウインドキャッチ連窓は風を受け止めやすい形状であるため、室内に窓を一箇所しか設置できない場合でも、引き違い窓に比べて約22倍 の換気量になるというデータがあります。

窓を設置する箇所が一箇所しかない場合は、ウインドキャッチ連窓を検討してみましょう。

なお、横すべり出し窓は窓ガラスで雨を防げるため、雨の日でも窓が開けやすく天候に左右されずに換気できます。

いずれも引き違い窓より少ない開口部面積で設置できるため、大きな開口部を作るのが難しい場所に設置してみましょう。

②天井近くに窓を作る

天井近くに窓を作ると、室内の風通しが良くなることに加え、室内の熱を外に逃がしやすくなります。冷たい空気は下に、暖かい空気は上に溜まる性質があるためです。

天井近くに窓を作ると暖かい空気の逃げ道ができ、室内の空気が循環するようになります。大きな窓を作る必要はないため、換気のための小窓を設置しましょう。

③室内は引き戸にする

室内にある扉を引き戸にすると、より効率的に換気ができます。

開き戸の場合は風の影響で扉が閉まるため、少しだけ開けておくなどの微調整が難しいですが、引き戸であれば対応可能です。

また、ドアにアンダーカットを施すと風の通りが良くなります。アンダーカットとはドアの下数センチをカットして、床との隙間を作ることです。

しかし、住宅の断熱性能が低い場合は、廊下と室内の温度差が激しく隙間風を感じるため注意しましょう。住宅全体の断熱性能や冷暖房効率を考えて設計する必要があります。

④風の通り道に遮るものを置かない

風の通り道に遮るものがあると、風通しが悪くなります。ベッドやタンス、本棚などの大きなものを風の通り道に置かないようにしましょう。

また、カーテンやレースカーテンは開けておいたほうが換気の効率が良くなります。

⑤換気扇を設置する

間取りや近隣住宅との位置関係によって、窓を設置できない場合もあるでしょう。

窓を設置できない場合は、換気扇を活用して換気するのがおすすめです。換気扇を回すことで室内の空気を外に排出し、同時に外の空気を室内に取り込みます。

窓が一箇所しかない部屋でも換気扇を設置すると、風の抜け道を作れます。

窓の位置にこだわった、風通しの良い間取りの事例

風通しが良い家のポイントが分かったところで、具体的な間取り事例を紹介します。

風通しを良くするには、風の入り口と出口を確保したうえで、スムーズな風の通り道を作る必要があります。

理想は窓を対角線に設置することですが、間取りや近隣住宅との位置関係上難しい場合もあるでしょう。窓を対角に設置できない場合は高所に設置したり、換気扇を稼働させたりする方法もあります。

また、風通しが悪くなりがちな洗面所や浴室も、家全体で風の通り道を考えると快適な状態にできます。

風通しの効率を高めるには、風が吹いてくる方向に窓を設置するのがおすすめです。一般的に窓を開けることが多い春から秋は、南から北に風が吹きますが 、地域や季節、立地条件によって異なるため、地域の事情を熟知した専門家と相談しながら進めましょう。

なお、網戸の性能によって家の快適性に違いが出ます。網目が細かい網戸は虫の侵入を防ぎやすくなるため、夜間でも窓を開けやすくなるでしょう。室内から外の景色がクリアに見える網戸もあるため、さまざまな商品を比較してみるのがおすすめです。

まとめ

本記事では、家の風通しを良くするポイントや具体的な間取りを解説しました。

風通しが悪い家は、湿気やにおいによって不快な空間になるだけでなく、家具や建具が傷みやすくなるため、住宅の寿命が短くなる可能性があります。カビやウイルスによる健康への悪影響も懸念されるため、風通しを踏まえた間取りを考えましょう。

具体的に考えるべきことは、窓の位置や数、種類などです。また、室内の扉を引き戸にするなど、家全体で風の通り道を考えることが大切です。イメージが浮かびにくい方はモデルハウスを見学して、どのような間取りにするべきかを考えてみましょう。

風向きなどは地域や立地条件によって異なるため、ハウスメーカーと相談しながら進めるのがおすすめです。

執筆・情報提供

岡﨑渉(おかざきわたる)

国立大学卒業後新卒で大手不動産仲介会社に入社。約3年間勤務した後に独立。現在はWebライターとして活動中。不動産営業時代は、実需・投資用の幅広い物件を扱っていた経験から、Webライターとして主に不動産・投資系の記事を扱う。さまざまなメディアにて多数の執筆実績あり。宅地建物取引士・FP3級の資格を保有。

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この記事はハウジングステージ編集部が提供しています。

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