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家づくりの雑学

2022.01.19

用途地域とは?特徴や建築制限について解説!

用途地域とは?特徴や建築制限について解説!

INDEX

1.用途地域とは?

用途地域は、都市計画法(9条)という法律に基づき、地域ごとに建築できる建物や用途が規制される制度です。
建物を建築する場合、該当する用途地域の規制の範囲内で建築が可能となります。

では、なぜこのように地域ごとに建物の用途など規制される制度があるのでしょうか?

それは、都市において「住宅地」「商業地域」「工業地帯」などを明確にし、建物の用途や種類を区分けすることで、より住みやすい、買い物や工業活動の利便性が高い街づくりを促進するためといえます。

もし、何も規制がなく、どの場所にでも好きな建物を建築することができるとなると、例えば、一戸建て住宅の隣に風俗店や大きな工場も自由に建てることもできます。
そうなると、良好な住環境の維持や安全性の面で問題が生じやすく、効率的な土地活用も難しくなります。

こういったことのないように、地域で建てられる建物の用途や大きさ(建ぺい率や容積率、高さなど)を規制し、その都市(まち)全体の住環境維持や生活利便性の向上、経済活動をしやすくしているといえます。

2.用途地域の種類

用途地域は、大きく「住居系」「商業系」「工業系」と3つに分けられ、全部で13種類あります。

(1)住居系の用途地域

住居系の用途地域は主に住宅の建築を目的とし、将来にわたって住居の環境を維持していこうとする地域になります。
どういった住宅のどれくらい良好な住環境を維持するかによって、8つの用途地域に分けられます。

  • ➀ 第一種低層住居専用地域
  • ② 第二種低層住居専用地域
  • ③ 第一種中高層住居専用地域
  • ④ 第二種中高層住居専用地域
  • ⑤ 第一種住居地域
  • ⑥ 第二種住居地域
  • ⑦ 準住居地域
  • ⑧ 田園住居地域

(2)商業系の用途地域

商業系の用途地域は次の2種類あり、店舗や事務所、ビルなど、商業活動の利便性を図る地域になります。住宅を建築することはできますが、落ち着いた住環境としての住みやすさよりも買い物や娯楽など生活利便性が優先される地域といえます。

  • ➀ 近隣商業地域
  • ② 商業地域

(3)工業系の用途地域

工業系の用途地域は3種類あり、工場や倉庫など工業に必要な施設の建築が促進される地域です。

  • ➀ 準工業地域
  • ② 工業地域
  • ③ 工業専用地域

3.13の用途地域の特徴や住みやすさ

上記で簡単に説明した13種類の用途地域について、その特徴や建てられる建物、住みやすさなど1つずつ解説していきます。

(1)住居系用途地域

➀ 第一種低層住居専用地域

低層の住宅のための地域です。その住環境を維持するため、10mあるいは12mの高さ制限や容積率(200%)、建物の外壁の敷地境界からの後退距離などの制限がもうけられています。
住宅以外の用途では、幼稚園から小・中・高までの学校施設や図書館、診療所などの建築が可能で、店舗については床面積50㎡以下という条件があります。
すべての用途地域のなかでも、閑静で落ち着いた住環境が最も維持されやすい地域ではありますが、場所によっては買い物などの生活利便性が高くない場所もあります。

② 第二種低層住居専用地域

主には低層住宅のための地域です。
ですので、第一種低層住居専用地域と同様の高さ制限があるほか、建てられる建物の用途も同じです。
一方で、第一種低層住居専用地域との違いは、床面積150㎡までの店舗や飲食店の建築が可能となるなど、落ち着いた住環境を維持しつつ、小規模な店舗、コンビニエンスストアなど買い物の利便性が見込める地域です。

③ 第一種中高層住居専用地域

第一種中高層住居専用地域は、中高層の住宅の良好な環境を促進する地域で、高さ制限はありません。
建物の用途は、低層住居専用地域に建てられる建物に加え、大学や専門学校、病院を建てることができます。

また、店舗や飲食店についても、床面積500㎡まで建てられることができるので、スーパーマーケットなども可能です。
住居のための地域には違いありませんが、高さ制限がなくなり、3階建て以上の分譲マンションや一定規模の店舗、飲食店が混在し、より生活利便性を感じることができる地域と言えます。

④ 第二種中高層住居専用地域
こちらも主に中高層の住宅のための地域ですが、第一種中高層住居専用地域とは、建てられる建物の用途や規模が少し異なります。

2階建てまでであれば事務所の建築が可能となり、また、店舗や飲食店の床面積が1,500㎡まで認められます。
住居系地域の中に、中規模の商業施設、ショッピングモールなどが建てられ、一定程度落ち着いた環境で、買い物などの生活利便性が高い場所に住みたい方に向いている地域といえます。

⑤ 第一種住居地域

第1種住居地域は住居系の用途地域ですが、住居専用地域ではないため、日当たりや日影などの規制が厳しくはなくなります。
そのため、ゆったりとした住環境というより、一戸建てやマンションが密集することも多い地域です。

また、建物の用途も、これまでの低層住居専用地域、中高層住居専用地域の建物に加え、ホテルやボーリング場、スケート場といった娯楽施設や自動車教習所(いずれも床面積3,000㎡以下)も建てられるようになります。
住居専用地域と比べ、商業施設が増えるとともに、駅近くに指定されることもあり、生活利便性や交通利便性は高くなります。

⑥ 第二種住居地域
住居系の用途地域ですが、大規模な商業施設も建てられる地域になります。
床面積10,000㎡までの店舗や3,000㎡以下の事務所の建築が可能になるとともに、第一種住居地域では建てられなかったカラオケボックスやパチンコ店(いずれも10,000㎡以下)の建築も可能となります。

住居系の地域ではありますが、大規模な店舗、飲食店、商業施設が混在する地域とはいえ、生活利便性を重視する1人暮らしや若い世代におすすめしやすい地域です。

⑦ 準住居地域

準住居地域は、道路の沿道としての特性とこれと調和する住環境という2つの要素からなる地域です。
国道や幹線道路沿いに指定され、住環境としての建物の規制はもっともゆるくなります。

準住居地域では、客席200㎡未満の劇場や映画館も建てることができます。
さらに、道路の沿道地域の利便性を高める施設として、自動車修理工場(作業場床面積150㎡以下)や3階以上、床面積300㎡を超える営業用倉庫の建築が可能となっています。

⑧ 田園住居地域

2018年4月に施行された最も新しい用途地域です。
田園住居地域は、都市部に農地があるエリアについて、農業と調和した低層の住環境を守るために指定される地域です。そのため、建物の規模や用途については、基本的に低層住居専用地域と同様の規制を受けることになります。
ただし、店舗等については、床面積500㎡以下の農産物直売所、農家レストランや農産物を貯蔵する倉庫、生産処理する工場の建築が認められています。

(2)商業系用途地域

➀ 近隣商業地域
近隣商業地域は、周辺住民の買い物のための店舗や業務の利便性を促進する地域です。
住宅地の近隣で、主に日用品などの店舗が集まっているイメージで、駅周辺の商店街や商業エリア、幹線道路沿いなどで指定されることが多いものです。

商業活動の利便性向上の地域になりますので、床面積10,000㎡を超える大規模な商業施設や事務所、映画館などのほか、小規模の工場であれば建てることができます。

生活利便性は高い一方、車や人の往来が多くなることから、一人暮らしや若者向け、昼間在宅しない層におすすめの地域といえます。

② 商業地域
商業地域は、主として商業その他の業務の利便性を促進するための地域です。
大都市の都心やターミナル駅周辺に指定されることが多く、高層ビルや大規模商業施設、高層マンションが混在する地域となります。
近隣商業施設との違いは、キャバレーなどの風俗店の建築も可能となる点です。
落ち着いた生活環境より、交通利便性や生活利便性を求める人におすすめできる地域です。

(3)工業系地域

➀ 準工業地域
準工業地域は、中小企業の育成・促進を目的とする地域で、比較的小規模な工場や商業施設、住宅など混在する地域となります。
ただ、工場といっても危険性が大きく、環境を悪化させる可能性の高い工場は建築することはできず、住宅や店舗、学校、病院など、いろいろな種類の建物が幅広く建つ地域です。
住宅に関する規制は、他の工業系用途地域と比較しても、建ぺい率や容積率の制限が少なく、土地の有効活用をしやすい地域でもあります。
色々な建物が混在する環境、工場の音などが気にならならない方にはおすすめできる地域です。

② 工業地域
工業地域は住宅も建てられますが、主として工業の利便性を図るために指定される地域です。そのため、危険性が大きい、もしくは環境を著しく悪化させる恐れのある工場の建設も可能となっています。
その一方、準工業地域と異なり、ホテルや旅館、映画館、病院などは建てることができません。
住宅の建築が可能で、地価も比較的安いこともあり、工場跡地に大規模な分譲マンションが建てられることもありますが、周辺環境の確認は大切になります。

③ 工業専用地域
工業専用地域は、工業の促進を図るために指定され、コンビナートや工場が立ち並ぶ工場団地を想定した地域となります。
工業地域以上に工業促進目的以外の建物は制限され、住宅や老人ホーム、ボーリング場などの娯楽施設の建築も認められません。

臨海部や川沿いなどで指定されることが多い地域です。

4.まとめ

「住居系」「商業系」「工業系」と大きく3つに分類される13の用途地域について解説してきました。

用途地域は、人が住む場所、買い物や娯楽など商業活動をする場所、仕事や工業活動をする場所について、地域を指定し、規制をもうける制度です。
その結果、人々が生活や買い物、仕事をする上での利便性や安全性を向上させようとするものです。

工業専用地域を除いて、住宅を建てることができますが、日々の生活の中で住環境としてどういったものを優先するかは、人それぞれです。この記事を参考に、家を買う・建てる場所を検討してみてはいかがでしょうか。

執筆・情報提供

吉満 博(不動産コンサルタント)

大学で建築を専攻後、ゼネコンやハウスメーカーでの経験、自身のマイホーム購入での後悔から、住宅購入を中心に、買い替えや売却、リフォーム、購入後の家計改善を売り手ではない第3者の立場からサポートする『あなたの住宅購入相談室』をスタート。

住宅にまつわるお金のこと、土地建物のことまとめて、老後までのライフプランをベースに長期の視点でサポートします。

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