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家づくりの雑学

2022.01.28

コンセントの位置や高さ・数の目安は?新築住宅で失敗しないためのポイントを紹介

最終更新日:2024/06/07

ニューノーマルな暮らしをきっかけに、コンセント不足に悩んでいる人も多いのでは?これからの時代は今まで以上にコンセントの数や位置、照明の工夫が必要になっています。今回は、暮らしやすい家にするためのコンセント・照明計画をご紹介します。

INDEX

新築でよくあるコンセントの位置・数の失敗例

新しい家で実際に暮らし始めてみたら、コンセントの位置や数が良くないことで後悔してしまう場合があります。失敗例は以下のような点です。

  • ● コンセントの数が足りなかった
  • ● 欲しい場所にコンセントがなかった
  • ● 無駄に多くのコンセントを作った
  • ● 家具を置きたい場所にコンセントを作った
  • ● コンセントの高さが使いづらい
  • ● 危険な場所にコンセントを作った

コンセントの数が足りない背景として、たとえばロボット掃除機や食器洗い乾燥機など、家事を楽にする家電製品の普及が進み、新たに設置場所と電源の確保が求められている点があります。

コロナ禍以降のテレワークや自宅シアター、オンラインレッスン、アウトドアリビングなどの新しい行動需要にも、新たなコンセントや照明などが欠かせません。

また、コンセントがあっても使いづらい高さや場所では、やはり失敗です。使うのに手が届きにくい、あるいは無理な姿勢を強いるコンセントは使わなくなるものです。

濡れやすい場所など、漏電や感電のリスクのあるコンセントも、後悔の原因となります。

以下は住まいで経験したトラブル数の集計です。コンセントの位置は2位を占め、頻度が高いといえるでしょう。

2020年 暮らしの達人チーム調べ

家を建ててから後悔しないように!場所別のコンセントの位置・数

では実際に家の中で、どのようにコンセントの数を決めれば良いのでしょうか?場所ごとのコンセントの位置・数の参考例をご説明します。

以下は、「もっとコンセントを増やせば良かった」という場所のアンケートデータです。家電の使用頻度の高いキッチンとリビングが1位・2位となっています。

2022年 さぶろぐ調べ

リビング

リビングのコンセント使用例

使用が想定される器具 ・テレビ
・エアコン
・スマートフォンなどの充電器
・パソコンと周辺機器
・季節家電(扇風機・ファンヒーターなど)
・掃除器具
・追加の照明器具
コンセントの参考数 ・6〜8畳:4
・8〜10畳:5
・10〜13畳:6

※上記100Vのほか200Vコンセント1

もっとも過ごす時間が長いリビングでは、コンセントが不足しがちです。長い延長コードやタコ足配線にならないよう、家族の過ごす位置から、配置と数を考えましょう。

ホームシアターは機器の数が多いので、スイッチ付きのタップも併用しながら、無理のない配線をしましょう。テレビやホームシアターを想定する位置の壁面には、テレビアンテナ端子と併せて、コンセントは2つくらいあるのが理想です。

リビングでリモートワークを行う場合は、パソコンや周辺機器が増えます。ルーターやLANポートの場所も、電波の強さや使い勝手を意識しましょう。

掃除ロボット用のコンセントは、自動ゴミ収集機能付きのタイプが人気なので、周辺のスペースにゆとりをもたせましょう。スティック型の充電式クリーナーも、常時充電器の電源を必要とします。

キッチン

キッチンのコンセント使用例

使用が想定される器具 ・電子レンジ
・冷蔵庫
・炊飯保温窯
・オーブントースター
・コーヒーメーカー
・ミキサー
・食器洗い乾燥機
コンセントの参考数 ・100V:6
・200V:1

キッチンは消費電力の大きな家電製品を使うため、コンセントの数や対応電力には要注意です。ブレーカーが落ちるときは、たまに使うキッチン家電が原因であることが多いです。

また、近年のキッチン家電は目的別に細分化しつつあり、これからもさまざまなアイテムが増えていく可能性があります。
位置はコンロとシンクの間や冷蔵庫の背面、シンクの背中側の壁面などに作っておくのが良いでしょう。

ダイニング

キッチンのコンセント使用例

使用が想定される器具 ・ホットプレート
・電気鍋
・IHクッキングヒーター
・コーヒーメーカー
・トースト
・ポット、電気ケトル
・スタンドライト
・ノートパソコン
コンセントの参考数 ・100V:2

ダイニングは意外に卓上調理のニーズがあります。電気鍋やホットプレートのために、離れたコンセントからダイニングテーブルに向かって延長コードを伸ばすのは避けたいものです。

また、普段キッチンの電源の補助的に、コーヒーメーカーなどを使うこともあるでしょう。

ダイニングテーブルでちょっとしたリモートワークを行う場合も、テーブルそばの高めの位置にコンセントがあると便利です。

洗面所

洗面所のコンセント使用例

使用が想定される器具 ・ドライヤー
・洗濯機、乾燥機
・ヒーターなど暖房器具
・掃除機
・電動歯ブラシ、シェーバーの充電
コンセントの参考数 ・100V:2

洗面所は洗濯機や乾燥機の置き場となるほか、ドライヤー、電動歯ブラシ・電動シェーバーなど、身だしなみの家電を利用する場所です。

洗面台にサービスコンセントが設けられている場合が多いですが、洗濯機用以外に、暖房器具などに使えるコンセントがあると、気温差によるヒートショック対策に良いでしょう。

また、湿気がこもりやすい時期に窓を開け、小さな扇風機を回せるようにしておくとカビ対策に有効です。

トイレ

トイレのコンセント使用例

使用が想定される器具 ・温水洗浄便座
コンセントの参考数 ・100V:1

トイレは、便座用以外に1口電源を使えるようにしておき、ちょっとした暖房や消臭機器を置く方も。

コンセントのそばの位置に手洗い用のタオルを吊るすと、水がかかりやすくなって漏電の危険があるので、避けましょう。

寝室

寝室のコンセント使用例

使用が想定される器具 ・電気スタンド
・電気毛布
・布団乾燥機
・エアコン
・スマートフォンなどの充電器
・季節家電(扇風機・ファンヒーターなど)
・掃除器具
・照明スタンド
コンセントの参考数 ・6〜8畳:4
・8〜10畳:5

※上記のほか200Vコンセント1

寝室は就寝や布団用の電源以外に、お部屋の用途によってコンセントの必要数が左右されます。

寝るだけのお部屋なら、コンセントは2つもあれば良いかもしれません。しかし夜間の映像鑑賞、リモートワーク、クローゼット機能など、寝室は用途が増えやすいので、まずその点を検討しましょう。

ベッドサイドと、その反対側に2つずつくらいあれば安心です。タンス類を置く予定がある場合、そちら側にコンセントを設けても使えません。

書斎・ワークスペース

書斎・ワークスペースのコンセント使用例

使用が想定される器具 ・パソコンと周辺機器
・スマートフォンなどの充電器
・季節家電(扇風機・ファンヒーターなど)
・追加の照明器具
・エアコン
コンセントの参考数 ・100V:3
※上記のほか200Vコンセント1

ワークスペースも、利用頻度が高い場合は使用機器の数も増えるでしょう。周囲にもコンセントが多めにあると、オンライン会議用の照明や空調に利用しやすくなります。

デスクまわりに2つ、その反対側に1つは準備すると良いでしょう。

玄関

玄関のコンセント使用例

使用が想定される器具 ・掃除機
・電話(子機)
・常夜灯
コンセントの参考数 ・100V:1

玄関の屋内は、下駄箱の上の高さに1つ設けておくのがおすすめです。常夜灯や掃除機用のほか、季節の電飾や水槽の電源にもできます。

廊下

廊下のコンセント使用例

使用が想定される器具 ・掃除機
・除湿機、乾燥機
コンセントの参考数 ・100V:1

廊下は全長の真ん中あたりに1つ設けておくのがおすすめです。掃除機のコードを無理に引っ張り、コンセントに負担がかからないように注意しましょう。

夜間のトイレや帰宅のために常夜灯を設ける場合は、それに合わせてコンセントを設けます。電池式のセンサーライトを使うこともできますが、使い続けるのであれば、電源式のほうが良いでしょう。

外・カーポート

外・カーポートのコンセント使用例

使用が想定される器具 ・高圧洗浄機
・照明器具(防犯など)
・電動工具
・自転車や工具、玩具等の充電器
コンセントの参考数 ・100V:1~2

屋外用のコンセントは、掃除機やDIYで使用する工具のほか、今後自動車用にも使う可能性があるでしょう。また、カーポート周辺には、人感センサーが付いた照明を取り付けておけば、防犯対策になります。

庭やベランダには、アウトドアリビングや子どもの遊び用に使いやすい位置にコンセントや照明があると、おうちレジャーがさらに楽しくなるでしょう。

後悔しないためのコンセントの決め方

必要なコンセントの数と高さは、どのように決めていくかをご説明します。高さなどの位置はあとで全く変更できないわけではありませんが、工事代がかかってしまいますので、見落としのないように考えましょう。

実際に図面に書いてイメージしてみる

コンセントの配置を決める際は、家の図面に実際に書き込んで、検討する決め方がおすすめです。どこにどんな家電を置くか、机やベッドの配置図などと合わせて考えると、具体的なニーズが浮かび上がってくるでしょう。

家具の配置まで考えれば、家具で覆われる壁にはコンセントが作れないことも分かります。

また、いくら便利でも水回りに近い場所や、掃除がしにくい場所は、水がかかったりホコリが溜まったりして漏電のリスクが高まることも、念頭に置きましょう。

エアコンや電子レンジなどの消費電力の多い家電製品は、専用のコンセントが必要となる場合も多いです。

床からの高さは用途に合わせて変える

コンセントは用途によって、使い勝手の良い高さが違います。以下はコンセントの理想的な床からの高さの例です。

使いやすいコンセントの高さ

一般的な高さ 25センチ
掃除機用 30〜40センチ
勉強机・書斎机 70〜90センチ
洗濯機用 105〜110センチ
エアコン用 180〜200センチ

たとえば掃除機に使用するコンセントは、もっとも低い25センチの高さではプラグを差すたびに大きくかがむ必要があり、30〜40センチと、もう少し高さが必要です。

エアコン用の電源は室内機のそばで使うため、エアコンの室内機の近く、ホースの配管を通す穴近くに設けるのが一般的でしょう。

洗濯機の位置は排水用の洗濯パンで制約を受けますが、洗濯機用の電源と給水蛇口は、高さによっては洗濯機本体の位置と干渉してしまうことがあるため、注意しましょう。

まとめ

コンセントの位置や高さ・数の目安などについて、新築住宅で失敗しないためのポイントをご紹介しました。

電気の使用は生活に直結しています。全国で電気代が高騰の傾向にあるなか、待機電力のカットが求められるでしょう。また、電気機器による火災は、2021年で1,816件 と非常に多いです。

コンセントの位置をうまく検討して、延長コードやタコ足配線を避け、個別スイッチや落雷保護機能の付いた電源タップなどもうまく活用しましょう。

執筆・情報提供

尾間 紫(住宅・リフォームコンサルタント/一級建築士/インテリアプランナー/インテリアコーディネーター)

一級建築士事務所 OfficeYuu 代表。
生活情報サイトAll Aboutリフォームのオフィシャルガイドとして業者選びからプランの立て方など実践的ノウハウを発信。テレビや雑誌、新聞掲載、講演などで活躍している。

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コラムはネクスト・アイズ(株)が記事提供しています。
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