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家づくりの雑学

2025.06.03

シンプルな家とは?おしゃれなデザインの特徴やメリットを紹介【間取り図】

近年の住まいづくりの流れにおいて主流となるは「シンプル」のキーワードです。家のデザインスタイルで人気上位を占めるシンプルモダン、和モダン、北欧系のいずれもが、シンプルな内外観でおしゃれを実現するものばかり。

そしてこれらのスタイルのシンプルさには、共通点があるといえるでしょう。

本記事ではシンプルさを貫くおしゃれな家とはどのようなものか、おしゃれなデザインの特徴やメリットをご紹介します。家族の要望を反映したおしゃれな住まいづくりの参考にしてください。

INDEX

シンプルな家とは?デザインの特徴を解説

シンプルな家づくりは、内外観に極力装飾を排し、刺激の少ない普遍的なものを目指します。このように表現すると没個性で画一的なイメージがありますが、そのようなことはありません。真似したくなるような美しい意匠がとてもたくさんあります。

シンプルが好まれる時代背景として、バブル期のようなきらびやかな豪華さや、突出した個性を求めることが幸せのイメージではないという空気感があるようです。

また、コロナ禍以降にインドアでの充実した時間の過ごし方が尊重され、落ち着ける空間へのニーズが強まったことが挙げられます。

上記のような理由で、シンプルな家が注目を集める流れは、今後も根強いものがあるでしょう。この項では、シンプルなデザインの特徴を解説します。

余白を活かした直線的でシャープなデザイン

無駄のないデザインは直線的でクール、シャープな印象があるようで、自然との一体感や温かみも感じさせてくれます。

シンプルなデザインや、ものの少ない空間は、そこで過ごす人にストレスをかけず、落ち着いた気持ちにさせてくれる効果も。

逆にものの多い、散らかったお部屋は視覚的なノイズから、絶えず落ち着かない気持ちにさらされることとなるといいます。

また、同様にシンプルな間取りでは、家事動線・生活動線もシンプルで合理的に構成しやすくなるでしょう。

以下の写真では家具、ペンダント照明や調度を取り除くと、直線基調の飾り棚と間接照明があるのみです。しかしそれでもこのように全体が鮮やかに引き立つ部屋づくりが可能といえます。

階段や梁もオブジェのようなアクセントに

お部屋のシンプルスタイルは階段や梁、ドア、窓枠などの構造物をうまく活かして、アクセントにします。

全体をシンプルにまとめるために、構造物もその一環として取り込み、役割を持たせるというほうが適切かもしれません。

この写真のように、階段や梁の色をコーディネートし、オブジェのように際立たせます。階段は踏板のみの直線的・開放的なタイプ。梁は吹き抜けの高さを強調しながら、床とともに真っ白な景観に温かみを付加しています。

反面、窓や収納の引き戸は存在を消すかのように、壁面に溶け込ませ、視覚的にうるさくない仕様です。

建具やインテリアに統一感を持たせる

家具や調度、照明などもお部屋のシンプルデザインの構成要素です。

お部屋に配置するもののデザインの方向性や色、素材に統一感を持たせるというだけで、そこまで難しく考える必要はありません。統一感さえ意識すれば、和洋折衷でもうまくまとめることができます。

大切なのは空間に余白を持たせ、ものを置きすぎない、増やさないようにすることでしょう。

以下はダイニングセットと応接セットの色やデザインを合わせ、視覚的に落ち着くまとめ方をした例です。

シンプルな色味2色+アクセントカラー

シンプルな空間には、シンプルな色遣いが調和します。濃くクールな色と、淡く優しい色のバランスも考えながら、メインとなる色は2色に抑えます。

生活の場なので、どうしてもほかの色彩は入ってこざるを得ません。それらの色彩にそなえて、色数は少なく、カラーコーディネートは統一感を持たせることが、視覚的に落ち着くお部屋にするためのポイントとなるでしょう。

以下はブラウン、チョコレートの2色に明るいグレーのアクセントウォールを配した例です。この壁は素材をタイルや木質にする方法もありますが、シンプルなお部屋を意識する場合、色の主張は抑え気味にしましょう。観葉植物の緑を配して、アクセントとすることもあります。

なお、北欧のモダンスタイルは内外観ともにシンプルで色遣いも抑えたテイストでまとめますが、例外的に子ども部屋や調度などは、カラフルでかわいいものを配してアクセントとします。かわいいものが映えるのも、ほかの要素がシンプルで控えめにまとめられているからといえるでしょう。

間接照明で落ち着いた印象の空間を演出

クールで直線的な内装デザインに、温かみを付加してくれるのが間接照明やダウンライトなどの照明遣いです。照明の種類や配置によってお部屋の印象が変わるだけでなく、落ち着ける空間づくりができるでしょう。

LED照明に含まれるブルーライト(青色光)の強い光は、目に対する傷害や生体リズム、睡眠などへの間接的な障害が不安視されています。一日の終わりにくつろぐリビングには、癒やしの灯かりを意識したいものです。

日本照明工業会の推奨するお部屋の明るさは、お部屋の広さによって推奨値が規定されており、LEDシーリングライトでまかなう場合14畳までの広さで、5,100~6,099ルーメンとされます。

この光量を適宜配分して、落ち着いた空間づくりをしましょう。ただし高齢の方は視覚的により明るさを必要とするので、読書の際などには手元の明かりに配慮が必要です。

以下のような、ダウンライトで壁面に光を反射させる間接照明がおすすめでしょう。カウンターのライトも傘などをつけ、ソフトな採光や配光の方向を工夫します。

収納を充実させスッキリとした暮らしを実現

シンプルなお部屋の実現には、充実した収納の存在が欠かせません。スッキリとした暮らしのためにも、まず以下を意識しましょう。

  • ● 余分なものを置かない・持たない
  • ● 収納はどこに何をしまうかがはっきりしている

必要なものがすぐ取り出せ、しまう場所も決めておくことは、より良い暮らしのうえで家事・生活動線の設計と同じくらい大切な要素になります。

また、上記を実行するだけで、「シンプル・おしゃれ」はぐっと身近になるでしょう。

収納は合理性の追求だけではなく、シンプルな中に機能を伴った遊び心も足し算できます。

キッチンでよく使う調理器具をぶら下げたり、食材をガラス瓶で棚陳列したりすると、生活感とは違う温かみが感じられる空間に。
見せる収納と隠す収納をうまく調和させ、収納スペースの周囲は広い空間をとっておくのが、デザイン性と実用性を両立させる収納の手法です。

シンプルなデザインの種類

冒頭にもお伝えしましたが、近年におけるシンプルスタイル志向は各種の調査結果にはっきりと表れています。

以下は「理想のインテリアスタイルは?」という調査の結果です。

ナチュラルなスタイルとは、木材や石材などの自然素材の温かみを活かす、シンプルな内外装です。こちらもやはりモダンな雰囲気を重視しており、カントリーや和風の伝統建築のように木の装飾に凝るようなスタイルではなく、シンプル志向です。

また、シンプル、ナチュラルに加えて、和やモダンもシンプルなスタイルが主流であることを考えると、4分の3の人がシンプル志向といって良いでしょう。

2019年 シンコール調べ

さらに別の調査結果でも、7位まではシンプルさを身上とするスタイルが上位を占めました。

2021年 ミタイナ調べ

シンプルモダン

シンプルモダンスタイルは、近年注文住宅から分譲のローコストハウスメーカー商品まで、人気を集めているスタイルです。

モノトーンでシンプルな黒・濃紺・白などの壁面色、小さめの窓、陸屋根か片流れを主流とする簡素な屋根の形。内装も無駄な装飾を省いて、ガラスや金属など無機質な素材の風合いを活かします。

価格が抑えられ、飽きがこず、家族みんなの支持を得やすいこともあり、新築家屋で急速に増えた感があります。

和モダン

近年では「和といえば和モダン」というくらい、伝統的な和風建築に代わって増えてきたのが和モダンスタイルでしょう。

写真のように外構や玄関、壁面、切妻屋根の構成などは伝統的な和風で、小さめの金属サッシ窓が折衷感を出すようなデザインです。壁面もモノトーンの配色でモダンな感覚を強めに打ち出す例もあります。

また、和モダンスタイルは鋼板屋根や金属サイディングの壁面でも成立するため、コストを抑えながら和の雰囲気を楽しむ外観にできるでしょう。

内装は障子や畳などもともとシンプルな意匠が多い和の要素を活かしながら、北欧スタイルなども取り入れて、和洋折衷な空間を作り出すのが人気です。

キューブ型

キューブ型の住宅は、平坦な陸屋根と軒のない四角い立方体の外観形状が特徴のスタイルです。

シンプルモダンスタイルの一環ともいえますが、無駄のない外観は、そのまま効率の良い間取り設計にもつながります。また、スタイリッシュな外観が支持され、個性的な住宅を建てたい人の支持も集めるスタイルです。

鉄筋コンクリートやALC、木材やコンクリートの工場生産パネルを用いた商品がキューブ型の外観になりやすいことから、耐震性や耐久性と好みの外観を両立させたい人にもおすすめでしょう。

外観上、余白を意識した造形が容易で、シンプルなまとめ方が得意です。複数のキューブを組み合わせたデザインにすると、モダンな雰囲気が強くなります。

支持理由の声

ご紹介した3つのスタイルが支持される理由についての声を以下に集めました。

シンプルモダン
  • スタイリッシュで、生活感がないところが好き。
  • シンプルなインテリアにしたかったから。白や黒一色が理想。
  • 小さな家ということもあるが、あまり値段が高くなかった。
  • モノトーンの統一感がお気に入りだったため。
和モダン
  • シンプルで温かいから好き。
  • 畳の安心感と、シャープな雰囲気を両立したかった。
  • 布団や床のごろ寝が好きで、違和感がないのが和モダンだった。
  • 毎日生活するうえで、和の雰囲気が落ち着く。
  • 和の雰囲気で両親を喜ばせたかった。
キューブ型
  • 都市型のスマートなデザインが好き。
  • 総二階で合理的な間取りができる。
  • 無機的な鋼板の壁面と木のアクセントの調和が気に入っている。

要約すると、コストパフォーマンスが良く、無理なくおしゃれなデザインが実現できるシンプルモダン、おしゃれさと温かみを両立できる和モダン。また、スマートで実用的・機能的なキューブ型というところでしょう。

シンプルな家づくりのためのポイント!

この項では、シンプルな家づくりのために心がける具体的なポイントを解説します。

内観

シンプルな室内を志向する場合の、心地よい空間・余白の作り方を以下にまとめます。

  • ● 色数・色遣いを抑える
  • ● 家具・調度もコーディネートする
  • ● 空間の広がり・開放感を意識する
  • ● 凹凸を減らしたスッキリした内装
  • ● シャープさと温かみを意識する

以下は、色遣いを極限まで抑えたリビングです。白と淡いアイボリーのみというストイックさで、床・アクセントウォールからソファーまでを統一した結果、高い天井の開放感を引き立て、清潔感と高級感を生むことに成功しています。

以下はシャープで無機的な演出で、オフィスやラウンジのようなリビングにした例です。無垢のフローリング床やカーテンがアクセントカラーとして機能し、ぬくもりを付加しています。

外観

シンプルな外観も、余白とアクセントを効果的に取り入れることで、おしゃれさが引き立ちます。以下を参考にしてください。

  • ● 壁面に余白をとる
  • ● 屋根の形もシンプルに陸屋根・片流れ・切妻など
  • ● 外壁素材は無機的とアクセントの組み合わせに
  • ● 窓や玄関の配置をアクセントにする

また、外観では生活感をなくす工夫として、エアコンの室外機や壁面の配管を外から見えない場所にするなども意識してみましょう。

生活感を出さない工夫まとめ

外観
  • エアコンの室外機や配管を見えない場所に。カバーをする
  • 外水道やメーターなど=植栽を利用して外部から隠す
  • 物干しスペースの設定の工夫
  • 雨どいや2階の排水などの配管の工夫
  • 車や自転車、子どものおもちゃなどの収納場所を工夫する
内観
  • 収納は必要なものを都度しまえるよう確保する
  • 衣類・リネンはファミリークローゼットやランドリースペースで集中管理
  • ものを増やさない。散らかさない

「ほど良くものに囲まれていたほうが落ち着く」「狭い空間のほうが落ち着く」と考えがちです。しかし、どこでも寝転がれる広いリビングや、片付いていてストレスがない空間に慣れると、その良さが理解されるでしょう。

無機的なネイビーの壁面と、玄関と2階ベランダのルーバーにあしらったアクセントカラーで、あとは何も要らないと思わせてくれるデザインです。不規則な窓の配置も、アクセントとして機能しています。

白一色・キューブの組み合わせのみの家ですが、植栽や玄関のさりげない調度だけで、これほどまでにモダンな印象となります。給排水、空調などの設備系の生活感のあるものは、こちらの路面側には一切登場しません。

大きな片流れ屋根の平屋はシンプルな中に、玄関側軒下の木質壁や煙突がアクセントとなっています。経済性にすぐれながら、長く愛着を持って住める家となったのではないでしょうか。

シンプルな家の間取り図

この項では、シンプルな家の特徴を、間取りの観点から説明します。

間取り引用:madree

ビルトインガレージを備えたシンプルな平屋です。考え抜かれた生活動線が印象的で、外出時・帰宅時の身支度・身じまいや買い物の収納、衣類の収納など、無駄なスペースがないコンパクトな間取りにもかかわらず、余白=ゆとりの感じられる暮らしがうかがわれます。

以下は生活感のある水回りや各居室と、LDKを明確にゾーン分けして、シンプルでプライバシー性の高い間取り例です。ウッドデッキに面し、吹き抜けを備えるリビングは、シンプルで居心地の良い暮らしに集中できる環境を備えているでしょう。

1階部分がほぼワンルーム構成となった間取りです。コンパクトな来客・宿泊スペースは、シンプルな1階間取りの中で仮の収納や休憩、小さな子どもの寝かしつけなどさまざまな機能を果たします。

まとめ

シンプルさを貫くおしゃれな家とはどのようなものか、おしゃれなデザインの特徴やメリットをご紹介しました。

ひと言でシンプルといっても、さまざまな要素の集積であることが分かります。しかしそれでこそ、シンプルでおしゃれな住まいの個性は無限です。

その点も、シンプルでおしゃれな家が流行りで終わらない、長期的な支持を得ている理由の一つかもしれません。

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総合住宅展示場ハウジングステージ編集部

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