2026.08.24
インナーバルコニーをつけて後悔する原因と対策を紹介
一戸建てに設けるインナーバルコニーは、その広さや屋根付きであることなど、活用方法次第では、屋内では果たせない機能を得られ、さまざまな用途に利用できます。
しかし、デメリットや後悔しがちなポイントもあり、「貴重な床面積を割いても、活用できるだろうか」という不安も感じてしまいそうです。
本記事では、インナーバルコニーをつけて後悔する原因と対策をご紹介します。設置の際の参考にしてください。
下記は、バルコニーに設けた屋根の形態についてのアンケートです。完全なルーフバルコニーのほか、一部屋根がかかっている形態のものも一定数あることがわかります。

INDEX
インナーバルコニーとは

インナーバルコニーは、形状的に建物からせり出していない屋外スペースで、上階の床や屋根が天井という構造となっています。
面積・容積にとくに定義はありませんが、奥行きは90㎝以上と、ベランダやバルコニーより大きめにつくられる場合が多いです。
インナーバルコニーに似た、建物からつながる屋外スペースは、以下のようにさまざまなものがあります。それぞれの違いについて、知っておきましょう。
- ● ベランダ・・・・建物からせり出した屋外スペース・屋根がある
- ● バルコニー・・・建物からせり出した屋外スペース・屋根がない
- ● ルーフバルコニー・・・下の階の天井部分を利用した屋外スペース・屋根がない
- ● テラス・・・建物から出入りする1階屋外スペース。タイルやコンクリートなどが敷かれる
- ● サンルーム・・・建物から出入りする増築スペース。ガラスやアクリルで覆われ、床が設けられる。

インナーバルコニーを選んで後悔する原因と対策

この項では、インナーバルコニーを選んで後悔する原因と対策について解説します。事前に確認のうえで対策を検討しておきましょう。
周囲の目線が気になる

インナーバルコニーはテラスやバルコニーに比べてある程度の広さを取ります。そこで、椅子やテーブルを配置して家族・友人でのバーベキュー、外気に触れながら趣味や娯楽を楽しむスペースとして活用可能です。
しかし周囲に同じ目線の高さの隣家がある場合、気になってしまい、楽しめないこともあるでしょう。
とくに都市部の狭小地における立地では、3階建て4階建てが多く、隣との距離も近いため、利用しづらいことも。
対策として、目隠しを設ける方法があります。
- ● 手すり壁を高めに設ける
- ● 手すり壁の上に、目隠しフェンスを設ける
- ● 目隠しルーバーを取り付ける
- ● 格子をつくる
このような目隠しによって、外から中の様子は見えなくなり、中からの視界は外に向かって妨げられないという状況をつくれます。採光や通気も可能です。
室内への採光が難しい

インナーバルコニーを設けた場所に面した居室は、大きな軒に覆われた状態となり、室内側への採光は難しくなります。
しかし採光を優先して屋根を設けない場合、ルーフバルコニーとなり、屋根の機能を活用できなくなるでしょう。
室内の採光を対策する場合、以下の対策が有効です。
- ● 屋根に天窓(トップライト)を設ける
- ● インナーバルコニー側面などにハイサイドライト(高窓)を設ける
- ● 居室の天井に吹き抜けをつくる
インナーバルコニーを南側に設けるのであれば、東の側面から高窓などで採光するのも良いでしょう。
また、夜間などであれば、インナーバルコニー天井の照明で、居室側の明るさをある程度補うことも可能です。
なお、室内の採光はインナーバルコニーを設ける方角の周辺環境にもかなり左右されるため、隣家との距離なども想定して検討しましょう。
雨漏りの原因となる

インナーバルコニーは屋外の環境の影響を受けやすく、雨漏りなど、家の傷みの原因にならないように、注意が必要です。
インナーバルコニーは建物からせり出していないスペースであり、真下の部分は通常の居室となります。
したがって、雨漏りが起きると室内や壁に雨水が伝い、家の腐食や、カビ・シロアリ発生の原因となるかもしれません。
対策として、バルコニー床面を中心に、以下のような日頃からのメンテナンスを、定期的に行う必要があります。
- ● 防水層のひび割れ補修
- ● トップコートの塗り替え
- ● 排水口の補修
- ● 手すり壁のコーキング
- ● 笠木の補修
塗装や目地などの箇所における耐用年数は、約10年が目安です。劣化が進む前に、メンテナンスを行うことで、劣化の進行を防ぎ、多額の補修となるのを防ぐことができます。
また、排水口の小まめな掃除、バルコニー床面のホコリやゴミを定期的にきれいにしておくことで、排水の詰まりを防げるでしょう。
排水溝がスムーズに機能していることで、手すり壁や防水層への負担を和らげることが可能です。
インナーバルコニーのメリット

インナーバルコニーのメリットとして経験者に「良かった」とされる点は、何といっても開放的な屋外の空間を、身近に利用できることでしょう。
とくに都心の狭小住宅は、限られたスペースを建物に利用する関係で、庭を設けることが難しいです。
そんなケースでもインナーバルコニーがあれば、屋外の環境を利用できる有効なスペースとなるでしょう。
外の空間を楽しめる
インナーバルコニーは、家の中にいながら自然の光や風を味わえるなど、開放感のあるアウトドアリビングとして楽しむことに大きな価値となります。
テーブルやソファを置いて、少しだけ特別なブランチや朝食の場所にしたり、花火やバーベキュー、ティータイム、読書、ハンモックでくつろいだりするなど、利用方法はさまざまです。
屋根がある
家事目的で実用的に利用する場合、洗濯物のほか、布団など大きなものを干す場所にできます。
趣味で利用したテントやタープ、スキーウエアなど、干す場所には意外と困るものですが、インナーバルコニーであれば安心です。
雨となっても、風のある吹き降りでなければ、すぐに濡れてしまうことはないでしょう。
屋根があることで日差しの強さも適度なため、落下対策が万全なら、子どもの遊び場としても向いています。
インナーバルコニーの活用例

この項では、インナーバルコニーの活用例を改めてまとめます。
ある程度の広さがある・2階以上の高さがある・プライバシーが守られる・屋根がある、これらの特徴を持つインナーバルコニーの場合、活用の方法は、下記が考えられるでしょう。
- ● ガーデニングや家庭菜園を楽しむ
- ● 洗濯物や布団ほかの干場
- ● テーブルセットを置いて、食事やお茶の場に
- ● 友人を呼んでバーベキューやお家キャンプをする
- ● 読書やヨガ、天体観察など、趣味を楽しむ場所
- ● 家庭用のプールなどを準備して、子どもを遊ばせる
- ● セカンドリビングとして利用する
「せっかくつくったのに活用していない」「いらない設備だった」となる要因として、よくあるのが掃除せずに放置しているケースです。定期的な清掃は家の傷み対策になるほか、活用のきっかけにもなります。
インナーバルコニーを設置する際のポイント

この項では、実際にインナーバルコニーを設置する際に、どのような点に気をつけるべきかを解説します。インナーバルコニーを間取りに取り入れる際に役立つポイントをご確認ください。
用途にあわせた間取りにする
インナーバルコニーは、おもにどのような目的で使用したいかで、ほかの居室との配置が変わってきます。
食事やティータイムの利用頻度が高いと想定する場合、キッチンの近くにすると準備が楽です。
静かに過ごしたい空間にしたいのであれば、道路側ではない方角に設けるのが良いでしょう。
また、リビングとインナーバルコニーを隣接させると、利用価値や頻度は増しますが、リビングの採光に影響を及ぼさないような工夫が必要となります。
後悔がないように、インナーバルコニーの目的にあわせた間取り・ほかの居室との兼ね合いをしっかりと検討することが大切です。
プライバシー確保のためにフェンスを設置する
インナーバルコニーは、プライバシーを確保するための目隠しをいかにうまく設けるかも、重要なポイントとなります。
前述のように目隠しは大切な役割を果たしますが、あまり高いフェンスをつくると、開放感がなくなってしまうことも。
圧迫感を避け、通風や採光もうまく取り入れられる目隠しが理想となります。施工会社の人とよく相談してみましょう。
フェンスや床材などは、木目調のデザインにするとナチュラルでおしゃれな空間に仕上がりやすくなります。逆にシンプルモダンな外観や外構の場合、シルバー系のアルミフェンスがマッチするでしょう。
インナーバルコニーを設置した場合の固定資産税

インナーバルコニーに窓を付ける場合、固定資産税はどうなるかは、とても気になるところでしょう。
窓を付ければ、さらに機能性が高まると考え、実際にそのようにされている例も多いです。しかし、インナーバルコニーを部屋にする=居室扱いとみなされた場合、固定資産税がかかることになります。
課税の基準は以下のように自治体によって多少解釈が異なる点もあるため、管轄自治体の状況を要確認です。
屋根と三方の壁に囲まれている
居室同様に利用できるとみなし、床面積に算入され課税対象となる。
壁面の二方向以上が開放されている
三方が壁でなければバルコニーやベランダと同じ扱いとなり、課税床面積に含まれない。
半分程度が壁面で囲まれている
床面積に一部算入=2分の1課税などとする自治体もある。
インナーバルコニーが居室として課税された場合の、固定資産税の増額目安は以下です。
| インナーバルコニーの広さ | 固定資産税の年間増額目安 | 30年間の累計 |
|---|---|---|
| 2帖(約3.3㎡) | 約3.3万円/年 | 約99万円 |
| 3帖(約5㎡) | 約5万円/年 | 約150万円 |
| 4帖(約6.6㎡) | 約6.6万円/年 | 約198万円 |
| 6帖(約10㎡) | 約10万円/年 | 約300万円 |
ぶっちゃけハウジングによる試算
物干し用にサンルーム同様の用途を検討される場合、課税と窓設置のコスト分の費用で、ランドリースペースを室内に設け、ガス乾燥機(乾太くんなど)までが設置可能となります。
つまり、物干し場のために窓付き仕様のインナーバルコニーにするのは、コスト的に不利となるでしょう。
ただし、インナーバルコニー分の面積を最初から居室にしていた場合、固定資産税は課税されていたことにもなるため、最終的には間取りの考え方によって判断が分かれます。
関連記事:
インナーバルコニーは固定資産税がかかる?発生条件やメリット、デメリットを解説|住宅展示場のハウジングステージ
まとめ

インナーバルコニーをつけて後悔する原因と対策をご紹介しました。
目的にあわせた使い勝手や広さなどを確保できれば、インナーバルコニーは生活に結びついた場所になります。外気や風、日光とのつながりが希薄になりがちな暮らしに、良い変化をくれるきっかけにできる点はおすすめでしょう。
一口にインナーバルコニーといっても、内装の仕様や設備によって、アウトドアリビングからバルコニーの延長まで、イメージはさまざまです。ご家族にとって理想のデザインはどのようなものか、固めてみることをおすすめします。
執筆・情報提供

滋野 陽造
早稲田大卒。マスコミ広報宣伝・大手メーカーのWebディレクター・不動産仲介業を経て、ライター業・不動産賃貸業に従事。実務経験をもとに住まいづくり、不動産の売却・購入、暮らしの法令などのジャンルで記事の執筆を行う。
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この記事はハウジングステージ編集部が提供しています。





