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2020/11/15

家づくりで注目すべき「空気環境」vol.1 調湿・抗菌に優れた「漆喰」の壁

世界でも有数のきれい好きといわれる日本人は、空気にも清潔さを求めているようで、数ある家電製品の中でも空気清浄機はとても人気があります。

そもそも空気中における汚れの要因は、湿気によって発生したカビなどの菌類です。菌類が少なければ、室内の空気が澄んでいるように感じたり、逆に多ければ濁っているように感じたりします。その菌類の発生を抑えてくれるのは、古くから欧州や日本で使われてきた漆喰です。国内外の歴史ある城やワイナリー・酒蔵などで漆喰が使われてきたのは、湿気対策も理由のひとつといえます。

そこで、おうち健康学7回目となる今回は、家の中で大きな面積を占める「壁材」に着目し、その中でも快適な住空間をサポートする素材「漆喰」についてご紹介します。

INDEX

古代エジプトから利用されてきた「漆喰」

漆喰の歴史は古く、その原料である石灰は世界中で産出されてきました。ヨーロッパでは5000年も前から利用されているといわれており、古代エジプトのピラミッドや古代都市ポンペイ、古代ギリシャ神殿や古代ローマ時代の遺跡に多く見られます。ルネサンス期には、生乾きの漆喰の上に絵を描く「フレスコ画」が確立し、現在も多くの作品が残されています。

日本でも漆喰の歴史は古く、約1500年前の飛鳥時代にはすでに漆喰の技法は確立していたといわれています。江戸時代以降は、多くの城や商人屋敷の土蔵、神社仏閣などで使用されてきました。

同じ漆喰といっても、日本と海外では配合に違いがあります。
主にヨーロッパでは壁そのものが建物を支える構造が多いため、原料となる消石灰には砂のほか、凝集剤や保湿剤、防水材などを混ぜて、強度を高めるとともに壁に厚みを出していました。一方、日本は室内外の壁の表面を覆う上塗り材として用いられていたため、消石灰に麻すさなどの植物の繊維や、海藻のりを混ぜて使用してきました。

ちなみに、漆喰は砂を混ぜると強度は増しますが、ボロボロと剥がれやすくなるという欠点があります。

漆喰壁がもたらす5つの効果とは?

漆喰はさまざまな効果を発揮することから、古くからあらゆる場所で重宝されてきました。それでは、具体的な効果についてご紹介しましょう。

ひとつには「抗菌効果」です

漆喰の原料となる消石灰は、菌が死滅する強アルカリ性であるため、大切なものを保管する蔵や、菌の管理が欠かせない酒蔵などで使われてきました。ペストや天然痘が流行した中世のヨーロッパでは、漆喰壁の家から患者がほとんど出なかったそうで、その事実が漆喰の抗菌性の高さを証明したといえます。

また「防汚効果」もそのひとつです

漆喰は、ビニルクロスのように静電気を発生させないので、ほこりを寄せ付けず、壁が汚れにくいというメリットがあります。

次は「防臭効果」です

漆喰を顕微鏡でみてみると無数の結晶があり、スポンジのような多孔質であることがわかります。その構造によって、漆喰は臭いを吸着し、分解するといわれているのです。

そして、湿気の多い日本においては、なんといっても「調湿効果」です

多孔質な構造が調湿効果を高めるといわれており、最初の抗菌効果と相まって防カビ材として優れた機能を発揮します。

最後にあげられるのは「防炎効果」です

漆喰は1000度のバーナーで焼いても燃えず、有毒ガスや臭いも出さない優秀な建材といえます。

以上のように、漆喰は優れた建材なのですが、近年、施工性を高めるためにさまざまな添加物が加えられるようになりました。そのことによって、漆喰が本来持つ効果が半減することもありますので、内容をきちんと確認してから選ぶようにしましょう。

漆喰壁を用いた快適な住まい例


ここまでは漆喰の性能についてご紹介してきましたが、つぎは実際に漆喰壁を使った事例をご紹介します。一般的な壁紙から素材を漆喰に変更するだけでもよいのですが、そこはせっかくの塗り壁。思い切って入り口をアーチ状にするなど、曲線を取り入れてみるのはいかがでしょうか。塗り壁のよさも際立ちますし、空間にリズムも生まれてきます。

また、本来の漆喰の色は白系ですが、最近は顔料を混ぜて色をつけることもできるようになりました。たとえば、壁の一部を色つきの漆喰で塗り、部屋のアクセントカラーとして楽しんでもよいでしょう。

漆喰は木材との相性も抜群。無垢フローリングや木製の化粧梁、突板の建具などと組み合わせることで、ナチュラルな空間に仕上げることができるのでおすすめです。

空気環境を大幅に改善することができる漆喰のように、住まいづくりにおいて素材選びはとても重要です。住宅展示場では実際に漆喰を塗った空間を体感することができますので、じっくりチェックしてみてください。そして、理想の住まいの実現に向けて、イメージを膨らませましょう。

執筆・情報提供

吉田美帆(一級建築士)

SUNIHA UNIHA 代表 吉田美帆
一級建築士/グリーンライフプロデューサー/インテリアコーディネーター/宅地建物取引士/LOHASスタイリスト(NPO法人ローハスクラブ認定/花育インストラクター(NPOフラワーハートセラピスト協会認定)武蔵工業大学建築学科(現東京都市大学)卒業、大手設計事務所にて小学校・保育園等の設計、マンションディベロッパーにて企画等を経て、2010年SUNIHA UNIHA(サニハユニハ)設立。
執筆やセミナー、講演会など幅広く活躍する。
・1996年 武蔵工業大学卒業設計蔵田賞受賞
・2011年 国際森林年間伐材利用コンクール審査員賞受賞。
・2016年 フランス国際映像コンペ(MCSD)受賞
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