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2021/06/16

二世帯住宅での玄関共用は、避けた方がいいって本当?

二世帯住宅を建てるとき、水まわりやキッチンは世帯別にすることが多いのに比べ、玄関は共用にするケースが多いようです。でも、実は暮らし始めてからその不便さに気づくことがあるんです!
親世帯、子世帯の履物の量、靴の脱ぎ履きに要する時間や来客の種類など、玄関には世帯別の違いが大きく表れます。生活スタイルをチェックして、理想の玄関のあり方を考えてみました。

INDEX

玄関共用で起きがちな問題


玄関先での立ち話は世代間ギャップあり。できれば聞かれたくないもの。
玄関では、ご近所さんやお友達、ママ友など、身近な来客と立ち話をすることもあります。そんなときに、お嫁さんが帰って来たり、お舅さんの帰宅と鉢合わせしたりすると、急に会話を止めてしまうことに。別に悪口を言っていたわけではなくても、お互い何となく遠慮する気持ちになることもあるでしょう。親世代、子世代で価値観は異なってあたりまえ。できることなら聞かれたくない会話もあり、玄関先での立ち話にも気を遣います。

●親、子、さらにその子ども、実質三世代の履物は、数も種類も膨大。
子どもが小さいときや、親が年齢を重ねてくると、玄関の履物は、出し入れしやすい高さに収納できるのが理想。さらに世代によって靴の種類もさまざまです。履物のしまいづらさや収納量の不足でついつい靴の出しっぱなしが増え、結果、玄関がいつも靴で散らかっている状態になる可能性も。

●子どもとシニアでは靴の脱ぎ履きにかかる時間が異なる。
年齢によって、玄関で靴の脱ぎ履きにかかる時間は異なります。朝などは玄関渋滞が起こることもあるでしょう。特に急いでいるときは、お互いに動作のリズムが違うことで、身体がぶつかったり、イライラしてしまうことも。

●玄関の人の出入りが多いと親世帯にストレスがかかることも。
玄関の出入りは、若い世代ほど多くなりがち。間取りによっては、玄関での頻繁な人の出入り、扉の開閉音や外気の流入、深夜の帰宅の気配など、親世帯にとっては大きなストレスになることもあるので要注意です。

玄関を分ける場合の間取りのポイント

間取り例のポイント

  1. 子世帯エリアや共用のリビングなどから、親世帯への来訪者をさり気なく見守り、不審者をチェックできるよう配慮する。
  2. 完全分離の玄関ではなく、一部共用の手洗いやコート用クローゼットなどを設けることで、両世帯ともに外からのウィルスや花粉をここでシャットアウト。家の中は清潔な状態をキープする。
  3. 玄関が別になると帰宅したかどうかが分かり難いため、必ず使用するスペースへの動線を世帯共用にする。
  4. 部屋の壁や扉に灯りが漏れるようにスリットを設けて、世帯間の気配を自然と感じられるよう配慮する。
  5. 親世帯の玄関は収納が少なくても、ベンチや手すりなど動作が楽になる工夫を。子世帯は靴の数や種類も多いので収納をたっぷり確保する。
  6. 玄関先にベンチを置くなどすると、孫との会話やご近所さんとの立ち話(座り話)も気軽にできる。

二世帯住宅のメリットのひとつは、親世帯を子世帯が見守る安心・安全面です。
でも、玄関を分けることで、不審な訪問者を招くことになっては、本末転倒。防犯面を考慮し、親世帯の玄関は、子世帯の生活空間から見える位置や周囲からの視線が感じられる配置にしましょう(図面①)。どうしても死角にならざるを得ない場合は、防犯カメラの設置を。

玄関を分けた場合も、内部の共用スペース、世帯間で行き来する場所は、感染症対策の面から清潔な状態であることが理想です。外から帰ってすぐに手洗い・着替えをした後、共用スペースに至るような動線計画が望ましいでしょう。(図面②③)

また、せっかくの二世帯にも関わらず、玄関を分けたことで、帰宅したかどうか気づきにくくなると、コミュニケーションが希薄になる恐れも。

その解決策として、以下の工夫が考えられます。

  1. 家に居れば必ず顔を合わせる場所(動線)を設ける。
  2. 洗面やリビング、あるいはトイレに行き来する廊下など(図面③)

  3. リビングやダイニングを吹き抜けにし、話し声やテレビの音で気配を感じられるようにする。
  4. 世帯間の部屋の扉にガラススリットなどを設け、灯りや人影が映ることで、プライバシーを侵害することなくお互いの在宅状況を気配で感じることができる。(図面④)

以上のようにさり気なくお互いの存在を確認でき、干渉しすぎない範囲で顔を合わせられる間取りの工夫がおすすめです。

玄関は住まいの顔。玄関を分けることで世帯別の役割を果たせるような工夫が必要です。

  • 親世帯は、安心・安全、ゆったり使える玄関に。
  • 子世帯は、物が多くてもスッキリ使える玄関に。

そして、互いの世帯に遠慮することなく、玄関でご近所とのコミュニケーションが維持できれば、家の中でも親子が気持ちよく同居生活を送れるのではないでしょうか。
二世帯住宅の玄関のスタイルはいろいろあります。住宅展示場で玄関を分けているモデルハウスを探して同居の工夫のヒントをみつけてみてくださいね。

執筆・情報提供

川道 恵子(一級建築士)

(株)住まいと街設計事務所 代表取締役
住宅メーカー設計部にて、戸建住宅の設計業務 デベロッパーにて、マンション等の企画・監理業務を経て設計事務所において不動産開発業務に携わる。土地の活かし方、住宅の間取り提案等、幅広い実績多数。
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