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家づくりの雑学

2021.12.21

軽く考えると世帯間の確執に発展? 二世帯住宅の収納問題

二世帯住宅の計画において、関心が高いのはキッチンなどの水まわりを共用にするかということですが、実はそれと同じくらい「収納計画」も大切なポイントです。
二世帯住宅では、ただスペースを多く確保するだけでは解決にはならないこともあり、精神的にも影響するため注意が必要です。
二世帯住宅の収納を後まわしにして後悔することがないように、起こりがちな問題点からそうならないためのポイントをご紹介します。

INDEX

【1】収納不足で起こりがちな二世帯の問題点

二世帯住宅で、もっとも多いのが「収納不足」による問題です。

二世帯分の物は大量、収納不足で片付かない。

親世帯は人生が長いので持っている物も多くなり、子世帯は子どもの成長にともなって物が増えていきます。必要な物、あるいは持っていたい物は、各世帯合わせるとかなりの量になり、収納スペースは不足してしまいます。そうなると、収納スペースに入らない物が部屋の中に出て、生活スペースを狭めてしまいます。

収納場所のことでお互いに不満が。

ただでさえ収納スペースが不足しがちな家の中で、リビングなど共用部分の収納に、自分の世帯が使わない物があると、「もうっ!なんでこんなところに入れてるのかしらっ!」と内心思ってしまいますよね。

二世帯住宅では、「どこに」「何を」収納するかで、お互いに不満がたまることも少なくありません。

物の持ち方や価値観は世代によって異なる。

・親世帯は、「来客用の立派な寝具を何組も押入に用意しておかないと、いざという時に客に対して恰好がつかない。」というのに対し、子世帯は、「滅多に人が泊まることなどないのだから、そういうときはレンタル寝具でいい。出し入れしやすい場所を客布団が占めるなんて!」

・子世帯は、「お気に入りの趣味のコレクションやキャンプ道具を、いつでも取り出せる場所にしまっておきたい。」 一方で、親世帯は「出し入れに便利な場所には毎日頻繁に使う日用品を置きたい。趣味の物は置いてほしくない!」

など。収納の価値観が異なると、世帯間の気持ちにもズレが生まれてきます。二世帯の暮らしでは、こうした気持ちのズレの積み重ねがストレスの元になります。

【2】二世帯住宅の収納計画のポイント

「専用収納」「共用収納」に合わせて物を仕分ける

まず二世帯住宅の場合、世帯別の「専用収納」か「共用収納」を明確に意識しながら、以下の3つの種類に合わせてプランニングしましょう。

a 世帯ごとの専用収納
b-1 二世帯の共用収納で、収納する物は別
b-2 二世帯の共用収納で、収納する物も共用

a 世帯ごとの専用収納は、動線に気をつける。

世帯専用の収納スペースに、ほかの世帯の動線が交錯するような配置は避けましょう。特に、子世帯が使う頻度の高い物の収納スペースを、親世帯の寝室の近くにするなどは論外です。

b-1 二世帯共用の収納スペースでも収納する物が別なときは、高さなどで位置決めを。

親世帯用の収納位置は、高い場所だと踏み台から落ちてケガをしたり、低い場所で無理にかがむと足腰に負担がかかります。この場合、親世帯が、かがまず背伸びすることなく物の出し入れができる高さを測り、親世帯用の位置を決めましょう。

たとえば、玄関が共用収納の場合、身長や体の可動域に合わせて高さを決め、扉を世帯別に分けると使いやすいですね。当然、子どもの成長と親の加齢に合わせて、収納場所を交換していくことも必要です。

b-2 二世帯共用の収納スペースで、収納する物も共用する場合、両世帯とも使いたい物か事前に話し合いを。

共用になると思われる物については、必要か不要かを予め話し合っておきましょう。共用で使う収納スペースに、どちらかが使わない物が入っていると、不満がたまる原因になります。意見が分かれる場合は、世帯専用の収納スペースに。

収納は面積だけでなく、容量がポイント

収納は面積の確保だけでなく、容量の検討も忘れてはいけません。どの程度の物を収納するのかを考えてスペースは決めていきます。収納スペースは高さがあれば容量も大きくなりますが、高すぎて出し入れしにくいと死蔵品ができてしまうので、出し入れしやすい高さで検討しましょう。

収納内部の使い勝手から考える

収納は、内部の使い方から考えて計画することがコツです。

・重い物の出し入れはキャスター付の収納にしたり、そのキャスター付収納を動かしやすくするために扉をノンレールにするなど工夫が必要です。ポイントは、親世帯の立場で考えた収納にすること。そうすることで、家族みんなの使い勝手のよさにつながります。結果的に、「自分で自分の物をしまう」という習慣ができあがり、子育てや仕事に忙しい子世帯の家事負担の軽減にもつながります。

・洗面脱衣室が共用で収納が1箇所しかない場合、家族ひとりずつラベル付きのカゴを用意して、それが納められるような形や大きさで計画すると、効率よく収納できます。

二世帯住宅は家族の人数が多くなり、物も多くなります。それでも各自が自分の物を管理しやすい収納にすれば、物の持ち方や多少の価値観の違いがあっても、理解し合いながら暮らすことができるのではないでしょうか。

住宅展示場には、二世帯住宅のモデルハウスもたくさんあります。
それぞれの世帯にどんな収納を計画しているか見てまわることで、実際の収納プランのイメージが湧いてきますよ。ぜひ三次元で確認して、使い勝手のヒントを掴んでみてくださいね。

執筆・情報提供

川道 恵子(一級建築士)

(株)住まいと街設計事務所 代表取締役
住宅メーカー設計部にて、戸建住宅の設計業務 デベロッパーにて、マンション等の企画・監理業務を経て設計事務所において不動産開発業務に携わる。土地の活かし方、住宅の間取り提案等、幅広い実績多数。

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