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住宅のマネーと制度

2021.12.21

家を買う前に考えておきたい レジリエンス住宅とは

最近、「レジリエンス住宅」という言葉を聞くようになりました。レジリエンスというのは強靭さ、しぶとさ、回復力というような意味。レジリエンス住宅についてはハウスメーカー各社から色々な提案がされていますが、一般的には、平時には健康で安全・快適に過ごすことができ、非常時には電気を自力でまかなうことができるような住まいを指します。ZEHなどスマートハウスの進化形と考えてもいいでしょう。

今回は「レジリエンス住宅」についてご紹介します。

INDEX

【1】レジリエンス住宅では、停電時にも電気をまかなえるという特徴が

日本サステナブル建築協会のレジリエンス住宅チェックリストでは、チェック項目は大きく3つに分類されています。「普段の健康・安全を高める免疫力」、「災害発生時に命を守る土壇場力」、「災害後の生活を支えるサバイバル力」の3つです。

この分類を参考にすると、レジリエンス住宅とは、以下のことを意味する住宅と考えられます。特に③が最も大事なポイントになるでしょう。

①平時には健康で安全・快適に過ごせる
②災害などの非常時には被害を小さくできる
③非常時からの回復も早くできる

①平時には健康で安全・快適に過ごせる

「平時には健康で快適に過ごせる住まい」というのは、住宅の中の温度差をできるだけ無くすような作りにした住宅などです。たとえば、冬にリビングは暖かいのにお風呂場が寒いと、その温度差で血圧が乱高下し、心臓や血管の疾患(心筋梗塞や脳梗塞など)につながる危険性があります。住宅内の温度差を無くすことで、そういった危険性をできるだけ取り除く住宅を目指します。

②災害などの非常時には被害を小さくできる

「災害などの非常時に被害を小さくできる住まい」というのは、たとえば、耐震性能を高めることや、台風などに備えて割れにくい窓ガラスにするなどの対策をした住宅を意味します。

③非常時からの回復も早くできる

「非常時からの回復も早くできる住まい」というのは、たとえば、停電時にも使用可能な電源を備えているような住宅などです。この点に関しては、ZEH(ゼッチ:ネット・ゼロ・エネルギー・ハウス)などスマートハウスの進化形と言ってもいいでしょう。

ZEHとは太陽光発電システムやエネファーム(※)など電気を創る設備があり、加えて、壁や窓などの断熱性能を高めて省エネを実現した住宅で、創エネと省エネで、住宅において使うエネルギーを実質0以下にすることを目指します。

※エネファーム:ガスから取り出した水素と空気中の酸素を化学反応させて発電し、このとき発生する熱を給湯にも使う設備。

レジリエンス住宅では、ZEHのように創エネや省エネを行うだけでなく、停電時にも電源を確保できるような設備を導入します。たとえば太陽光発電システムなどで創った電気を、蓄電システムなどに貯め、それを停電時に使えるようにしておく、というようなものです。また、たとえばV2H(ヴィークル・トゥ・ホーム)システムと太陽光発電とを組み合わせ、太陽光で発電した電気を電気自動車に貯め、停電時には電気自動車に貯めてある電気を自宅に送ることができる、などもその一例でしょう(なお、平時には貯めた電力を夜間に使います)。

レジリエンス住宅を考える際は、この3つ目の特徴がもっとも大事なポイントになるでしょう。

【2】ZEHの補助金などがレジリエンス住宅に活用可能

レジリエンス住宅に関連する補助金として、ZEH関連の補助金があります。図1には例として、2021年度(令和3年度)の概要をまとめています。来年以降、内容や金額などが異なる可能性もあります。また、毎年受付時期が決まっているので、気になる人はハウスメーカーと相談して計画的に準備することをおすすめします。

図1:ZEH関連の補助金(2021年度のもの)

金額
ZEH 補助金 60万円/戸
蓄電システム導入
の場合の加算
2万円/kWh、補助対象経費の1/3又は20万円
のいずれか低い額
ZEH+ 補助金 105万円/戸
次世代ZEH+ 補助金 105万円/戸
※以下のいずれか1つ以上を導入すること
蓄電システム導入の場合 2万円/kWh、補助対象経費の1/3又は20万円
のいずれか低い額
燃料電池導入の場合 2万円を加算
V2H充電・充放電設備導入の場合 補助対象経費の1/2又は75万円のいずれか低い額を加算
太陽熱利用温水システム
導入の場合
液体式:17万円/戸
空気式:60万/戸

※以下のいずれか1つ以上を導入すること
市町村などの自治体には、省エネ機器導入やスマートハウス関連の補助金が用意されている場合があります。たとえば、さいたま市には「スマートホーム推進・創って減らす機器設置補助金」があります(図2)。

図2:さいたま市「スマートホーム推進・創って減らす」機器設置補助金(2021年度のもの)

パターン 省エネ対策の種類 補助金額
Aパターン 太陽光発電設備 【4kW未満】3万円
【4kW以上】5万円
太陽熱利用システム(自然循環型) 3万円
太陽熱利用システム(強制循環型) 5万円
家庭用燃料電池(エネファーム) 4万円
家庭用蓄電池 2万円/1kWh
(上限12万円)
V2H(ビークル・トゥ・ホーム)システム 5万円
地中熱利用システム 30万円
HEMS(ホームエネルギーマネジメントシステム) 5,000円
Bパターン ZEH 20万円
家庭用蓄電池 2万円/1kWh
(上限12万円)

※上記以外に、Aパターンには既存住宅の屋根面を、高熱塗装する場合、
 塗装面積1平方メートルあたり400円(戸建て住宅2万円・集合住宅50万円が上限)の補助があります。

※なおさいたま市のこの補助金制度は、2021年度(令和3年度)分は予算に達したため申請受付は終了しています。来年度以降、同じような補助制度がないか確認してみることをおすすめします。

今回はレジリエンス住宅についてまとめました。レジリエンス住宅については、ハウスメーカーからさまざまな提案がされていますので、住宅展示場にて色々なハウスメーカーに話を聞いてみるといいでしょう。省エネ機器導入・スマートハウス関連の補助金に関しては、例としてさいたま市のものを挙げましたが、ほかの自治体にも似たようなものが用意されていることも多いです。住宅建築を希望するエリアの自治体のホームページなどで確認するか、こちらも住宅展示場にてハウスメーカーに確認してみるといいでしょう。

※2021年11月1日時点の情報を基にしています

執筆・情報提供

井上 光章(ファイナンシャルプランナーCFP®)

アルトゥルFP事務所
独立系FPとして、住宅購入時の資金計画や住宅ローンのコンサルティングを行なう。注文住宅を建てる人向けの住宅ローンコンサルティングが得意。豊富な相談実績を基にした、マイホーム購入時の資金計画や住宅ローンで失敗しない秘訣をお伝えします。

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