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アルバム

今どきの住まい・暮らし

2024.01.16

『心ときめくもので住まいをしつらえる』デザイナー・板井亜沙美さん

シリーズ:毎日を素敵に過ごす、私のこだわりのマイルール

すてきな写真とともに、旦那さまと愛娘・いとちゃんとのなにげない日常や大好きなインテリアへの想いをSNSに綴っているデザイナーの板井亜沙美さん。そこから伝わってくるのは、家族と毎日を心地よく過ごしたいという想いとご自身の“好き”を貫くものへのこだわりでした。

INDEX

家は“私”というオリジナリティを発揮する場所

リビングダイニングの一角には、いとちゃんの遊び場となるキッズスペースを設けた。
いとちゃんのおもちゃのほか、本や雑誌など細々としたものは、窓際の収納家具へ。
こちらは板井さんのお父さんの手作りなんだそう。

板井さんのご自宅は築40年以上のレトロなマンションです。3面にある窓から陽射しが差し込むリビングダイニングは明るく、キッズスペースもとっても十分の広さがあります。そこには、味わいのあるヴィンテージ家具や板井さんのお父さんお手製の造作家具がバランスよく置かれ、さらに壁面や各コーナーを彩るさまざまなアートやオブジェと相まって、住まい手の個性とセンスが発揮された空間に仕上がっています。

「私にとって家は、“私”というオリジナリティを存分に表現できる場なんです。誰にも遠慮せず、自分の“好き”を貫き通すことができるから、余計に好きなものの蒐集に拍車がかかってしまったかもしれないですね」

妊娠を機に住まいづくりがスタートした板井さん。
初めてこの家を内見したときにピンと来るものがあり、購入を決めたという。
「賃貸と違い、自分の“城”感はあります。だから、自分の好きなことをやろうという気持ちが爆発したのかもしれません(笑)」。

板井さんがこの家の購入を決めたのは2020年のことでした。それまで賃貸マンションで暮らしていましたが、妊娠を機に「もっと広い家で暮らしたい」と物件探しがスタート。ところが、エリアを広げても理想とする物件になかなか出合えず、途中、出産を経て、ようやくこの家に巡り合えたときはすでに1年半が経っていたそうです。

「希望は駅近の利便性のよさに加えて、日当たりがいいことも絶対条件だったんです。初めてこの家を内見したとき、大きな窓からの日当たりと眺望に『これだ!』と思いました。それと窓側に廊下があるのも縁側のようでいいなと思いました」

画像(左):玄関まで光が入るようにとLDKのドアはガラス入りを採用。右のキャビネットもお父さんの手作りで、その上には愛用のカメラなどがディスプレイされている。

画像(右):まるで縁側のように廊下が伸びる間取りも購入の決め手になったそう。廊下の先にはご夫妻の書斎スペースがある。

家族や生活の変化に合わせて柔軟にアップデート

キッチン本体は前の住人が使っていたものをそのまま使用することに。その代わり、吊戸棚の扉はラワン材に替え、壁の一部はキッチンのライトグリーンの扉とのバランスを考えて深緑色のタイルを貼った。「このラワンがわが家のオリジナリティを現してくれている気がします。タイルは自分たちで貼ったのですが、これがものすごく大変で(笑)。でも、それも今はいい思い出ですし、より愛着も沸いています」。

当初はフルリノベーションを想定していたものの、前の住人が大規模リフォームをしていたことから、板井さんらは使えるものはそのまま残し、あとは自分たちの暮らしにフィットするように部分的に改装することにしました。生後間もないいとちゃんを背負い、板井さんは工事の打ち合わせから素材選び、さらにDIYにも挑戦したといいます。それは、この家を心地いい空間にしたいという強い想いがあったからです。

「今、振り返るとあの状況でよくできたなと思いますが、私は制約がある中で頑張るのが好きなようで(笑)、ひとつずつ折り合いをつけながら進めていきました。それでもわが家はまだまだ課題が山積みです。和室をもう少し何とかしたいと思っているし、この先、子ども部屋をどうしよう?という問題も。でも、住まいづくりを終えた今、大事なのは家族やライフスタイル、自分の気持ちの変化に柔軟に対応できる余裕を持つことだと思うようになりました」

画像(左):キッチンは半円テーブルを置いても余裕の広さ。壁の収納棚には実用性とディスプレイを兼ねたさまざまなアイテムが並ぶ。

画像(右):まるでキャンバスのように、冷蔵庫にはお気に入りのポストカードやショップカードなどを貼って楽しく演出。

画像(左):イケアの洗面ボウルを用いて造作した洗面化粧台。扉材はラワン材を使用したことで統一感も生まれた。壁のグレーのタイルも板井さんが自ら貼ったものだそう。

画像(右):板井さんが次に手を加えたいと考えているのが和室。「最初は書斎として使っている奥の部屋を寝室にしようと思っていたのですが、そもそも寝室って寝るとき以外の活用法があまりないような気がして。それはもったいないなと思って、今は和室を寝室として使っています」

板井さんがその思いを強くしたのは、半年前から進めている蒐集物の見直しが影響しているといいます。

「私は本当にものが好きで、特に簡単に手に入らないようなヴィンテージが好きなんです。だから、骨董市やヴィンテージショップではアンテナが反応して、ついつい買ってしまう。でも、せっかく買っても飾りきれなくてしまったままのものもたくさんあるんです。だから、最近はもう少し落ち着こうかなと思い始めて、これまで購入したものを改めて見直しています。その中にはもう手放してもいいかなと思うものも。あれほどときめいて買ったものなのに、私自身の心境の変化に驚きました。だから、今はさまざまな変化に対して、その都度、アップデートしていく感覚でいます」

画像(左):土間への憧れから、玄関はもともとあったシューズクロークの扉を取り払ってオープンに。
画像(右)玄関からキッチンへと続く開口部はもともとあったもの。でも、板井さんはベビーカーが入るように手前の収納スペースやキッチン側の収納棚のサイズを優先して、開口部は人が1人通れる最低限の幅に作り直してもらったそう。「買い物をしたら、リビングダイニングを通らなくても、すぐキッチンに食材を置けるので、とても便利です」。
たくさんあるキャップはカゴを利用した収納術でスッキリ。

自分の“好き”を諦めず、最大限の工夫で理想に近づく

「この家はまだまだ完成形とはいえませんが、今の私たちにはこの状態が一番フィットしているのかなと思います。でも、この先、家族の好みやライフスタイルはきっと変わってくるはずなので、その変化を広く受け止められる柔軟性は持っていたいなと思うし、家族とともにその変化を楽しみながら少しずつ理想に近づきたい」と板井さん。

今は旦那さまと協力しながら、仕事と家事・育児を両立している板井さん。初めての子育てに戸惑うことも多いそうですが、子どもの成長を感じるのは何よりの喜びだといいます。

「私が子育てで心がけているのは、まずは子どもの気持ちを優先し、肯定してあげることです。その後に、子どもがなぜそう思うのかを考えるようにしています。簡単なことではありませんが、そうすることで子どもの自己肯定感が高まればいいなと思っています。あと子どもには自由に創作させてあげたい。子どもは大人が思いつかないような発想をするのでおもしろいなあと思うし、大人のことをよく見ているなあと感じることも多いですね」

画像(左):DIY好きのお父さんがいとちゃんのために作ったかわいいドールハウス。

画像(右):デスク前の棚には動物などのオブジェに混ざって、いとちゃんが作った犬の切り絵もディスプレイ。「創作は自由に楽しくがわが家のモットー。子どもの発想力にはいつも驚かされます(笑)」。

最後に心地よく暮らすために譲れないポイントをうかがうと、板井さんは「本当に心ときめくものを置くこと」だと話してくれました。

「まだ子どもが小さいので安全であることは一番なのですが、自分の“好き”という気持ちだけは諦めたくないんです。たとえば、家の中に季節の花を飾るために、子どもの手が届かない台を作って、そこに飾ったり。自分ができる最大限の工夫をしています。あとはそのときにいいなと思った感覚を大切に、今の自分が一番の心地いいと感じる空間を作っていくだけです。家は家族の基盤となる場所なので、これからも“好き”と思う感覚は妥協せずに貫いていきたいなと思っています」

画像(左):お父さんにリクエストして作ってもらったというコーナーラックの上には、さりげなく空間を彩る季節の花を。ここならいとちゃんの手も届かないので安心。

画像(右):絵や写真を飾るときに意識していることは色合いだと話す板井さん。洋服のコーディネートと同じように、飾るときは絵の中の色やフォルムに近しいものを一緒に置くとバランスよく見えるそうだ。

板井さんのように好きなものに囲まれた暮らしはきっと楽しいはず。住宅展示場には、自身の好みを見極め、インテリアのセンスを磨くヒントがたくさんあります。ぜひ、お近くの住宅展示場まで足を運んでみてください。

取材協力

板井亜沙美さん

グラフィックデザイナー、イラストレーター。
大学で芸術学を学び、卒業後はデザインの道を志し、制作会社に就職。
現在は主に出版物や広告などのデザインを手がける。
趣味は、骨董市やヴィンテージショップ巡りのほか、愛用のカメラで自宅や家族を撮影すること。夫と4歳の娘と3人暮らし。

https://www.instagram.com/tgwasm1116


編集・執筆:石倉 夏枝
撮影:小島 沙緒理

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