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今どきの住まい・暮らし

2023.11.14

合同会社 natuwo 代表・梶浦武人 さん 「 都心を離れて生まれた ‘ ポジティブ思考 ’ で 生活を楽しむ 」

シリーズ:毎日を素敵に過ごす、私のこだわりのマイルール

池袋駅から特急で最速40分ほどの場所にある飯能駅。週末ともなれば、ハイキングやキャンプ、山登りといったアウトドアを楽しむ人たちが多く訪れます。現在、企業のマーケティングやブランディングのコンサルティングや広告代理店業を営む梶浦武人さんは、今から10年ほど前、この飯能駅を最寄りとする大規模な分譲地の一角に家を建てました。当初は都心で家を探していた梶浦さんが、自然豊かなこの場所を選んだその訳とは?

INDEX

あえて都心を離れるという選択肢

奥さまがこだわったキッチン。休日は梶浦さんも料理の腕を振るうので、天板の作業スペースは広く、使い勝手を重視。

2018年に起業した梶浦さんですが、前職はある住宅メーカーで広報・宣伝の業務に携わっていました。仕事柄、入居者の方たちを取材する機会が多かったそうで、現在、ご家族と暮らすこの地域にも何度か足を
運んだことがあったそうです。そこで、梶浦さんは入居者の方たちが楽しそうに暮らす姿や豊かな自然環境を目の当たりにし、いつしかここで暮らしてみたいと思うようになりました。

「子どもが生まれたこともあり、都心のマンションもいろいろと見てはいたのですが、どれもピンとくるものがなかったんです。でも、ここはすぐ近くに自然がありながら、生活環境が整っていて住みやすそうだったし、都心までの通勤のしやすさや当時の予算を考えるとベストな場所でした」

もう一つ、梶浦さんの気持ちを後押ししたのは、働き方をめぐる環境の変化です。当時はまだ会社通勤は当たり前のことでしたが、梶浦さんは今後リモートワークが普及してくるはずだと考えていました。

「特に僕の仕事はデータを見て判断することが多いので、毎日出社しなくても十分対応できるんです。だから、この先、ずっと会社に通い続けることはないだろうから、都心を離れても問題ないと思いました。起業とコロナ禍で、その時代は想定よりも早く来ましたが、今も僕はほぼほぼリモートで仕事をしています。それで仕事のやりにくさを感じたことはありません」

梶浦さんの一番のお気に入りは、自ら植栽を施した庭。バードテーブルも梶浦さんの手づくり。(画像提供:梶浦さん)
春は桜の塩漬けにも挑戦。(画像提供:梶浦さん)
子どもたちが庭で育った花を仕事部屋に飾ってくれるそう。梶浦さんは「子どもたちが楽しく過ごしているのが何より嬉しい」と話す。
「僕は文化や芸術に触れる機会は作れるけど、これだけ自然あふれる環境はそうそうないですから」。(画像提供:梶浦さん)

木のぬくもりに包まれた住空間でのんびり過ごす

ダイニングテーブルに合わせたのは、北欧を代表する2人のデザイナーの椅子。手前のモーエンセンの椅子は座り心地がよく、梶浦さんのお気に入り。

梶浦さんが新居に求めたのは“のんびりと自然体で過ごせる家”でした。木を多用した温もりあふれる空間に加え、開放感も大きなポイントです。リビングの吹き抜けは大きく、2階には家族がくつろげるオープンスペースも設けられました。また、キッチンは料理好きの梶浦さんと奥さまが一緒に立っても狭くないようにゆとりを持たせ、天板の作業スペースも広くとっています。さらに梶浦さんのこだわりは椅子にも。

「僕は椅子が好きで、でも人生で多くの椅子を買う機会はそうそうないだろうと思ったので、いろいろと試してみたいとボーエ・モーエンセンとハンスJ.ウェグナーの椅子を買いました。どちらも普遍的で美しい椅子ですが、インテリアとしては1つの椅子で統一した方が落ち着きも生まれるので、今ならリビングはモーエンセンで統一してもよかったかなと思います。実際に暮らして、使ってみて分かることも多いから、当時のこだわりが決して正解ではないということですね(笑)」

吹き抜けを通してつながる2階のファミリースペース。ここで子どもたちは絵を描くそうだ。
画像左:子どもたちの作品が壁面を彩る。ここから子どもたちの成長もうかがえる。
画像右:展覧会や美術展で見つけたお気に入りのポストカードはモビールのように吊るす。これはアート好きの梶浦さんのこだわり。「これなら作家の名前もひと目でわかるし、思い出の記録としても役立ちます(笑)」。

そして、リビングや階段、ファミリースペースのウッディな壁面には、まるでギャラリーのように、子どもたちが描いた作品がにぎやかに飾られています。

「これは子どもたちが自分で考えて貼っています。僕が子育てで大事にしていることは、子ども自ら考えるということです。親の考えが必ずしも正解とは限らないですから。僕らは子どもたちが困ったときに相談に乗り、その問題に一緒に向き合っていければいいのかなと思っています」

地方暮らしをポジティブに捉える秘訣

子ども部屋は将来的に2部屋に分けることも可能。姉妹で好みも違うらしく、この部屋のインテリアは子どもたちにお任せなのだとか。

長女が自主保育サークルに通うことをきっかけに、地域の活動にも積極的に参加するようになったと話す梶浦さん。さらに、そこで知り合った有機栽培農家の人たちと交流を深めたことで、今では畑3カ所を耕すまでに。四季折々で旬な野菜を育てる傍ら、漬物やジャムづくりにも挑戦しているそう。そして、休日は子どもたちや仲間と川遊びやキャンプを楽しみ、今年は本格的に山登りにも挑戦したいと意欲を燃やしています。

「以前の僕だったら信じられないことばかりです(笑)。僕は都会が大好きで、アウトドアにも野菜づくりにも一切興味がありませんでしたから。それが、今は畑の土にまみれて汗をかくことが気持ちいいと思える(笑)。でも、畑仕事をした後は頭も冴えて、仕事の生産性もすごく上がるんです!」

画像左:子家の裏の畑で採れたラディッシュ。新鮮な野菜が食べられるのも、自家栽培だからこそ。
画像右:展昨年は大根がたくさん採れたので、沢庵づくりにも挑戦。(画像提供:すべて梶浦さん)
野いちごを摘んでジャムを作ることも。(画像提供:梶浦さん)

都心で暮らしていたときとは比べものにならない快適さと楽しみを手に入れた梶浦さん。一方で、地方暮らしにありがちなデメリットは、発想を転換してポジティブに捉えています。

「たとえば、大きな美術館は近くにないけど、ここからなら日帰りで都心の美術館を数カ所見て回ることはできるし、ちょっと贅沢をして都心のホテルに泊まるという選択肢もあります。美味しいレストランも都心の方が多いから、『一食も無駄にしないぞ!』という気持ちでしっかり計画を立て、予約していく。洋服もシーズンごとに何度か足を運べば事足ります。普段は土にまみれてもいいような恰好をしていますけど、都心に出るときはお気に入りの洋服でバチバチに決めていくんですよ。これは田舎者のマインドですかね(笑)。でも、そういうオンとオフの切り替えは生まれたと思います」

画像左:子広々とした玄関は収納もしっかり確保。
画像右:大きな吹き抜けで開放感たっぷり。手前にあるのは、子どもたちが手づくりした猫用ハウス。
空間を彩るガーランドは、この家で初めて長女の誕生日を祝ったときのもので、子どもたちのリクエストで今もそのままに。
中央のピカソの絵の切手シートはスペインで購入したもの。

最後に住まいづくりのアドバイスをうかがうと、「あまり気張らなくてもいいのかもしれません」と梶浦さんは答えました。

「暮らし始めて気づくこともあるし、ライフステージや社会の変化は想像できませんから。ムリのない予算で、1つ、2つ、自分や家族の中で変わらない価値観を反映したらいいのかなと思います」

少し発想を変えるだけで、理想の暮らしを手にした梶浦さん。住宅展示場には、理想の住まいを叶えるアイデアや工夫がたくさんあります。ぜひ、お近くの住宅展示場で住まいづくりのヒントを探してみてください。

取材協力

合同会社natuwo 代表 梶浦武人さん 

1977年生まれ。兵庫県出身。

広告代理店に勤務後、住宅メーカーへ転職し、広報・広告・マーケティング業務に携わる。
2018年に「合同会社natuwo」を設立。現在は、さまざまな企業のマーケティングやブランディングの支援、新規事業開発のコンサルティングや広告代理店業務を行う傍ら、大手ITプラットフォーマーにも籍を置き、既存会員の利用促進や、新規事業の立ち上げ、販路開拓などに携わる。

プライベートでは、地元の人たちと積極的に交流を図り、地域活動にも熱心に取り組む。野菜づくりやキャンプ、釣り、山登りなどアウトドアライフも満喫。



編集・執筆:石倉 夏枝
撮影:石河 正武

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