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家づくりの雑学

2024.05.13

隣地斜線制限とは?用途地域別の違いとともに分かりやすく解説

市街地の高い建物の上部が斜めにカットされているのを見ることがあります。これが斜線制限への対応です。

建物づくりの際は、各種の法令制限をクリアすることが必要です。今回は隣地斜線制限について、どのような制限となるのかを解説します。

INDEX

隣地斜線制限とは

隣地斜線制限とは、敷地の隣地との境界線から一定の高さを取り、そこからひく斜めの線より中に建物をつくる決まりです。近隣の採光や通風などの環境が、新しくできた建物に妨げられないために設けられています。

境界線からの高さと、斜めの線の角度は、建築基準法で土地の用途地域によって指定されています。敷地の境界から後退距離を設け、計算のうえで天空率という数値を満たすことで、隣地斜線制限は緩和される決まりです。

なお、一般的な一戸建ての多い第一種低層住居専用地域と第二種低層住居専用地域では、建物の絶対的な高さの制限が設けられているので、隣地斜線制限は適用除外となります。

また、用途地域指定のない市街化調整区域も、隣地斜線制限は規制除外されます。

隣地斜線の範囲

隣地斜線の制限範囲を図示すると、以下のようになります。

まず、隣地との境界線から20mか31mの高さの部分が、斜線のスタートです。

そして斜線の角度は、以下の図のように三角形の底辺と高さの比率で1.25:1か、2.5:1の2種類で指定されます。

隣地斜線よりもはみ出ないように建物をつくる関係で、最上階のフロアが斜めにカットされた建物があるという理屈です。

境界線からの高さと斜めの線の角度の指定は、住居系の用途地域でより厳しい指定がされています。

用途地域別の隣地斜線の高さと勾配

用途地域別の隣地斜線の高さと勾配は、以下の表のとおりです。建物の滞在時間が長く、暮らしの環境に直結する住居系の用途地域では、基準となる高さが低く、斜線の角度も横になっている、より厳しい基準が適用されます。

用途地域 基準となる高さ 傾斜勾配
第一種中高層住居専用地域
第二種中高層住居専用地域
第一種住居地域
第二種住居地域
準住居地域
20m 1.25 : 1
近隣商業地域
商業地域
準工業地域
工業地域
工業専用地域
31m 2.5 : 1

用途地域に関しては、以下の記事も参考にしてください。
用途地域とは?特徴や建築制限について解説!|住宅展示場のハウジングステージ

北側斜線制限・道路斜線制限・日影規制との関係

暮らしの環境を保護する斜線制限は、隣地斜線のほかにも北側斜線・道路斜線があり、さらに日影規制も設けられています。

北側斜線制限
住居系の用途地域のみに適用され、自分より北側の隣地の環境保護のために、隣地斜線より厳しい規制が設けられています。高さの基準は5mか10mで、対象の用途地域は以下です。

  • ● 第一種低層住居専用地域
  • ● 第二種低層住居低層地域
  • ● 田園住居地域
  • ● 第一種中高層住居専用地域
  • ● 第二種中高層住居専用地域

北側斜線制限については、以下の記事も参考にしてください。
北側斜線制限を図を用いてわかりやすく解説!日影規制との違いは?|住宅展示場のハウジングステージ

道路斜線制限
道路と、道路を隔てた北側建物の環境保全のために設けられ、すべての用途地域が対象です。道路の向かい側からの斜線の中に建物が収まるようにする規制で、斜線の長さを20~35mとします。

斜線の長さは、歩道も含んだ道路の幅員によって決められます。

日影規制建物がつくる日影の、近隣への影響を抑えるために設けられます。読み方は「ひかげきせい」です。対象となる可能性のある区域は、商業地域・工業地域・工業専用地域以外の用途地域ですが、用途地域指定のない区域でも制限を受けます。

日影規制は自治体の条例で指定する日影規制対象区域にのみ適用され、規制の内容は各自治体によって定められるため、まちまちです。

これらの各種の規制のうち、どれが優先されるかは、対象となる用途地域の規制の中で、一番厳しいものが適用されます。

まとめ

隣地斜線制限について、どのような制限となるのか、他の斜線制限や日影規制とあわせて解説しました。

斜線制限のほかにも、街の環境保全や産業の発展のために、「ここにどんな用途の建物をつくれるか」「街のどこを優先して整備するか」など、さまざまな法令制限が設けられています。

法令制限に適合した建築は、設計を担当する建築士の方が進めてくれますが、施主の方も予備知識を持つことで、家づくりのアイデアが広がるかもしれません。

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