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家づくりの雑学

2023.10.04

北側斜線制限を図を用いてわかりやすく解説!日影規制との違いは?

住宅の購入を検討するなかで、北側斜線制限という言葉を初めて知った方も多いでしょう。建築基準法で定められている北側斜線制限は、住宅の外観に影響する可能性があるため、内容を理解しておくことが大切です。

本記事では、北側斜線制限について日影規制との違いも含めて解説します。

INDEX

北側斜線制限とは北側の道路または隣地側に面した建物部分の高さの制限

斜線制限とは、建物に課される高さの制限です。周囲の日当たりや景観を守るため、敷地の形状や建物の配置に応じて、建物の高さの上限が決められます。

斜線制限には、以下の3種類があります。

道路斜線制限 道路の見通しや採光を確保するため、建物の道路側部分に課される高さ制限
隣地斜線制限 隣の敷地の日当たりや通風環境を守るため、建物の隣地境界に面する部分に課される高さ制限
北側斜線制限 日影になりやすい敷地北側の日当たりを確保するため、建物の北側部分に課される高さ制限

北側斜線制限を受けた建物は、敷地の北側の境界(接する道路の反対側の境界線または隣地との境界線)から斜線状に建物の高さの上限が定められ、それを超えてはなりません。

そのため、限界まで高い建物を建てると上記の写真のような斜線状の外観になります。

関連記事:土地選び・購入のために成功する秘訣!初めてでも失敗しないためのコツをご紹介

北側斜線制限は用途地域によって異なる

北側斜線制限で定められる建物の高さの上限は、用途地域により緩和されます。

用途地域とは、都市計画法により区分けされた地域です。用途地域について詳しくはこちらの記事をご覧ください。

関連記事:用途地域とは?特徴や建築制限について解説!

用途地域別の北側斜線制限の計算式は、以下の通りです。

用途地域 建物の上限高さ
● 第一種低層住居専用地域
● 第二種低層住居専用地域
● 田園住居地域
5m + (敷地北側からの水平距離 × 1.25)m
● 第一種中高層住居専用地域
● 第二種中高層住居専用地域
(※日影規制の対象区域は除く)
10m + (敷地北側からの水平距離 × 1.25)m
上記以外の用途地域 規制なし

なお、中高層住居専用地域では、日影規制と北側斜線制限のどちらか一方のみが適用され、もう片方は適用されないルールとなっています。日影規制については次章で詳しく解説します。

参照元:e-Gov|建築基準法第56条(建築物の各部分の高さ)

日影規制は、全く日が当たらないことのないように建物の高さを制限する規制

日影規制とは、日が完全に当たらない建物ができることを防ぐための規制です。

北側斜線制限が建物の高さを規制するのに対し、日影規制では建物により生じる日影の範囲や時間の長さを規制します。

具体的には、建物の形状から日影ができる範囲を計算し、日影になる時間が規定値を超えないように建物の高さを決める必要があります。

日影規制の対象は、地方公共団体が条例により指定した区域内の建物です。建築予定の敷地が日影規制の対象かを確認するには、役所の建築指導課などに問い合わせるのが確実でしょう。

参照元:国土交通省|日影規制の概要(建築基準法第56条の2)

まとめ

本記事では北側斜線制限の概要と日影規制との違いを解説しました。

北側斜線制限とは、建物の北側に課される高さ制限です。具体的な上限高さは用途地域により異なります。

一方、日影規制は、建物により生じる日影の範囲や時間の長さの上限値を定めた規制です。対象区域は地方公共団体が定めています。

高さの制限は住宅の屋根形状などの外観に影響するため、住宅を購入する前に土地の条件を確認しておきましょう。

執筆・情報提供

吉本えり

【プロフィール】
二級建築士・整理収納アドバイザー1級資格保有。
大学院まで建築学を専攻し、ハウスメーカーでの勤務を経てWebライターとして独立。
主に建築、不動産、インテリアなど住まいに関する記事を執筆。執筆実績100記事以上。

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この記事はハウジングステージ編集部が提供しています。

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