2026.01.26
新築の平屋500万の間取りは?ローコストな間取りの例や実現方法・注意点を解説
暮らしやすさ、維持の容易さ、シンプルな良さなどから人気の高まる平屋住宅。なかでも建築面積の小さなコンパクト平屋は、中古の流通化も含めて、とても流通物件数が増えている印象です。
コストを抑えた平屋の建築は、いくらくらいから可能なのか、また、間取りの構成はどのような例があるのでしょうか。
本記事では、新築の平屋500万の間取りはどのようなものか、ローコストな間取りの例や実現方法・注意点を解説します。
INDEX
平屋500万で建設は可能なのか

2020年頃以降の建築資材の高騰、また、現場人件費の高騰から、ローコストな住宅の建設で予算をキープすることは、大変難しくなってきました。
500万円の予算で平屋を建築することも例外ではなく、「できなくはないが、簡単ではない」というのが答えです。
500万円の予算内で建てる平屋の平均例は、下表のようなプランとなるでしょう。広さだけでなく、設備等もミニマムな仕様となります。
| 広さ | 8〜15坪(26〜50㎡) |
| 間取り | 1R〜1LDK(2DKが限界) |
| 構造 | 木造軸組工法かプレハブ工法 |
| 断熱 | 最低基準 |
| 設備 | 必要最低限のシステムキッチン |
平屋500万の実際の仕様

前述のような構造や設備では、既成品をうまく活用しきって、調達コストを下げるという考え方が求められます。
オーダーの仕様を望まず、既成品をうまく組み合わせ、建物のつくりもシンプルな外形で、部屋数も減らした間取りが予算を抑えるには有利です。
プレハブであればコンテナハウスのような商品を探すことで、希望に近いプランが見つかるでしょう。プレハブは、プレファブリケーションの略で、工場で事前に組み立てられた部材を現場に持ち込んで最終作業をするため、コストを抑えるには有利です。
木造の風合いがほしい場合は、木造軸組で施工例の豊富なプランを探すのが近道と考えられます。
また、500万円と言っても、建物本体価格を指すことが多く、諸費用を含めていくと、実際には以下の様な総額となると考えましょう。ここからどのくらい節約可能かは、施工会社と相談になります。
| 項目 | 金額 | 内容 |
|---|---|---|
| 建物本体価格 | 500万円 | 躯体・内装・設備 |
| 付帯工事費 | 100〜150万円 | 給排水・電気・ガス工事 |
| 外構・造成工事 | 30〜80万円 | 駐車場など最低限 |
| 設計・確認申請費用 | 20〜40万円 | 建築確認申請など |
| 諸費用 | 30〜50万円 | 登記・保険など |
| 実際の総額 | 680〜820万円 |
2025年 RAN調べ
平屋500万の建設を実現する方法

この項では、500万の平屋建設を実現するための具体的な方法をご紹介します。
ローコスト住宅メーカーを選ぶポイント
前述のように、規格品を扱うメーカーを主体に検討することが必要です。
もう一つの選択肢として、工期がかなり長くなるのを覚悟のうえで、地域密着型の工務店に依頼する方法も。資材の調達コストも比較的安いうえ、中間マージンが発生しないため、商品として成立する可能性があります。
規格住宅・プレハブ住宅を選ぶ
規格住宅の専門メーカーは、間取りや設備があらかじめパッケージ化されているため、大量仕入れによるコストダウンを実現しており、工期も2〜3か月と短い期間で建築が可能です。
プレハブの専門メーカーは、工場生産によって品質が安定していることもメリットで、坪単価は25〜35万円程度と、注文住宅メーカーの半分以下のコストで建築できるのがメリットでしょう。
DIYで費用を抑える方法
素人でもできることをDIYでやることによって、家づくりの費用を大幅に抑えることも可能です。
基礎工事や躯体工事、電気・配管工事、屋根工事は、資格保持者以外できない作業も含め、プロに依頼すべき箇所となります。また、建築確認申請には建築士が必要であり、安全管理、完成後の保証も考えておくことが必要です。
しかしDIYで可能な工程として、内装工事、設備の取り付け、外構工事、塗装工事などがあります。また、外構の造営=生け垣、植栽、塀、ウッドデッキ制作なども、DIYで可能でしょう。
腕に覚えのある方、やってみたい方、時間に余裕のある方はチャレンジするのも良いのではないでしょうか。
ローコストな平屋の間取り例

この項では、ローコストな平屋でどのようなプランが実現でき、どんなイメージの暮らしができるのか、価格帯や用途、家族構成別の事例をご紹介します。
新築500万円台|ワンフロアですべて完結・バリアフリー対応で安心
| 価格 | 500万円台 | 間取り | 2LDK |
|---|---|---|---|
| 坪数 | 18坪 | 家族構成 | 2人(1人) |
中高年のご夫婦が、老後を見越してつくった終の棲家です。通風や採光が良いほか、寝室そばのトイレ、コンパクトな水回りの動線など、一人暮らしにも対応しやすい間取りとなっています。
収納効率を優先したウォークインクローゼットは、来客時にはロールカーテンで目隠し。ペニンシュラキッチンはパントリーも備えます。
天気の良い日にリビングのハンモックは、とても気持ちが良いことでしょう。

新築800万円台|サンルームの縁廊下に包まれた日だまりの家
| 価格 | 800万円台 | 間取り | 2LDK+S |
|---|---|---|---|
| 坪数 | 25坪 | 家族構成 | 2人 |
土地代の安い場所で、地元工務店に依頼できたため、夫婦のこだわりを投影する予算の余裕ができました。
日本家屋でよく見られた縁廊下は平屋と相性が良く、保温性や安心感が利点です。縁廊下をさらにサンルーム化し、リビングに開放感をプラスできました。縁廊下に加えて、パントリーの役割を果たす納戸や浴室、洗面などが居室を取り囲んだ構造は、断熱性能の助けになることでしょう。

新築1000万円台|スペースを贅沢に使用・プライバシー配慮の平屋
| 価格 | 1000万円台 | 間取り | 2LDK |
|---|---|---|---|
| 坪数 | 35坪 | 家族構成 | 3人 |
子どもはすでに大きく、2人で過ごすことの多い生活です。しかしそれにもましてゆったりした時間が流れている理由は、ゾーニングのはっきりした、家族のなかでもプライバシーを尊重した間取りによるものでしょう。
家の中心付近に家事動線を集約し、それ以外は用途ごとにゆったりした部屋使いが印象的です。各居室はしっかり区切られ、開放感よりも落ち着きを優先したプランといえます。

ローコストの小さな平屋は一人暮らしにぴったり

ローコストの小さな平屋は、そのコンパクトさや、プランのシンプルさから、一人暮らしの方にぴったりな要素が多くあります。小さな平屋が一人暮らしに向く理由とは何でしょうか。
近年では、広い家にたくさんのものを詰め込んで暮らすのが幸せではないという風潮が高まりつつあります。
テレビやインターネットの通販利用が一般化した結果、大きな商品が簡単に購入でき、直接配送も依頼できることから、高齢の方を中心に、家の中が「飽和状態」となっていることへの反動があるのかもしれません。
ワンルームかそれに近い開放的な空間に、無駄のないコンパクトな生活空間がおしゃれであるという意識が、浸透してきているのです。
加えて、2階建てに比べて女性や高齢者の一人暮らしでも安心な、バリアフリー性能の高さ、維持のしやすさも、大きなメリットとなります。
また、お金は節約するだけでなく、かけどころにメリハリをつけることで、自分らしい暮らしが得られるでしょう。
建物で節約した分の予算を、内装や設備に回し、終の棲家として愛着のある家を目指しましょう。

ローコストな平屋を建てるための注意点

平屋はメリットだけではなく、その構造上の特性からくるデメリットも考慮しておく必要があります。ローコストな平屋を建てる際には、このデメリットを注意点として意識しましょう。

土地の条件次第で「建築不可」や「費用増」の可能性がある
ローコスト平屋は、企画型住宅が主体となるのは、前述のとおりです。また、土地の取得についても、全体のコストを抑えるために考え抜いた選択をされるのではないでしょうか。
ここで問題となりやすいのは、希望の建築面積を実現するために建ぺい率が足りない、地型に合わせて建物の形状を変更できないなどの点です。
また、都市計画による建築制限から防火仕様への変更が必要になり、その分の費用が追加でかかってしまうなども考えられるでしょう。土地ありで建てる場合でも、この点は注意が必要です。
平屋は周囲の土地から視線が遮りにくく、防犯やプライバシーへの配慮も必要なので、建築当初から塀などの外構設備に予算をとる可能性も考慮しましょう。
価格の安さだけでなく、「性能や品質」にも目を向けること
「安かろう悪かろう」とはいい切れませんが、予算なりの性能や品質については、考えておく必要があります。
気密性や断熱性では、注文住宅などの平屋に比べて性能が落ちること、その分光熱費を要することなども意識し、対策も検討しておきましょう。
また、2階のない平屋はメンテナンスの工費も抑えめにでき、気軽に点検して対策できるのは魅力です。しかし一方で、ローコスト建築の場合は長期にわたってメンテナンスが不要な高価な建材は使いづらいのも事実でしょう。
たとえば、企画型のローコスト平屋ではほとんどがサイディングの外壁を使用すると考えられます。サイディングの場合、補修や塗装の延命にも限界があり、早ければ10年程度で張り替え・上張りを行う必要が生じることも。
張り替えの場合は100万円以上の工事費となるため、意識しておく必要があるでしょう。
住宅メーカーの候補は、幅広く検討し慎重に選ぶこと
シンプルな間取りプランでこそ、メーカーのノウハウによる暮らしのイメージに合わせた工夫が活きてきます。
安ければ同じではなく、複数のメーカーのプランをよく比較し、ご自分の暮らしのニーズに合っているのはどれなのか、選ぶことが大切です。移動しやすい動線や、家事がやりやすいレイアウトなどは、注文住宅のようにオーダーできないからこそ、商品の選択が必要になります。
また、竣工後のメンテナンスについても、依頼しやすいメーカーかどうか、確認しておきましょう。
まとめ

新築の平屋500万の間取りはどのようなものか、ローコストな間取りの例や実現方法・注意点を解説しました。
500万円の平屋というのは、無理めの要求かもしれませんが、不景気かつ核家族化の流れが尾を引いている今の時代、ニーズは増大していると考えられます。
今後も暮らしやすさを考えたプランや、メンテナンスのコストまで配慮されたローコスト平屋が、商品としてヒットする可能性はあるでしょう。3Dプリンター住宅の普及化や、コンテナハウス商品の多様化も、そのような動きを後押しするかもしれません。
執筆・情報提供

滋野 陽造
早稲田大卒。マスコミ広報宣伝・大手メーカーのWebディレクター・不動産仲介業を経て、ライター業・不動産賃貸業に従事。実務経験をもとに住まいづくり、不動産の売却・購入、暮らしの法令などのジャンルで記事の執筆を行う。
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この記事はハウジングステージ編集部が提供しています。





