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家づくりの雑学

2026.01.27

引き渡しの意味とは?「竣工」「受け渡し」との違い、注文住宅の引き渡しの準備や注意点を解説

でき上がったマイホームが自分のものとなる「引き渡し」。待ち望んでいた瞬間ですが、その前後にしなければならないことが幾つかあります。

ここで気が緩んで手続きや確認がおろそかになってしまうと、トラブルの原因になることも。引っ越しが間に合わない事態は、避けたいものです。

本記事では、引き渡しの意味とは何か、「竣工」「受け渡し」との違い、注文住宅の引き渡しの準備や注意点を解説します。家造りの最終工程を上手に乗り切りましょう。

INDEX

引き渡しとは

引き渡しとは、家が完成してから引っ越すまでの間で、家が正式に施主のものになるタイミングのことです。所有権がハウスメーカーや工務店のものであった建物が、施主であるご家族に移行すると考えれば良いでしょう。

鍵を受け取るだけではなく、残金の決済、所有権移転の法的な手続きを同時に行います。これは、民法で規定される「債務の同時履行」というルールにのっとり、お金を精算・鍵渡し・権利の移動を同時に行うためです。したがって何か問題が生じた場合、引き渡しは後日に延期となります。

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「引き渡し」と「受け渡し」の違い

引き渡しは前述の通り、家を引き渡すという、施工者から施主へ行われる一方通行の行為です。

対して受け渡しとは、両者間で双方向でやり取りされる行為を指します。たとえば仲介手数料を払って領収書を受け取る、司法書士の登記手続きに対して報酬を渡す(現金で準備することが多い)、鍵渡しに対して受取証を書いて渡すなどが、受け渡しです。

引き渡しのときには、前述の「同時履行の原則」によって、無数の受け渡しが発生します。これらの手続きを不備なく進めるよう、注意が必要です。

「竣工」と「引き渡し」の違い

竣工とは、建築工事が全て終わったという状態で、施工会社の中ではひと区切りでも、このあと必要な手続きがあります。竣工の時点ではまだ引き渡しはできません。

まず、建築基準法にもとづく完了検査や竣工検査を受け、図面と一致しているか、設備の設置は問題なく行われているかなどを確認することが先決です。そして問題がなければ検査済証の交付と、完了届の自治体への提出が行われます。

ここまでで、家として使えることが法的に認められた状態となりました。

このあと、施主によるチェック(施主検査)と、その結果に応じた手直しを経て、引き渡しの可能な状態となるのです。

引き渡しはいつ行われるのか

引き渡しは、施主検査で見つかった傷や不具合などをメーカーや工務店が修繕し、施主が再確認してから行われることになります。

一般的には、施主検査のあと1週間から10日後に予定されますが、見つかった不具合の修繕に要する時間で、長引くことも。

また、決済・所有権移転などの、引き渡しと同時に行う手続きの関係者(融資先の金融機関、司法書士、不動産会社やメーカーの担当者など)のスケジュールなどによって、時期設定が左右されます。

引き渡しまでにやること

引き渡しまでに施主である皆さんがやることについてご説明します。とくに、必要書類や費用の準備は、不備があると引き渡しが遅れる原因となるので、要注意です。

引き渡し日を決定する

前述のように、引き渡し・決済の関係者のスケジュール合わせや、引っ越し日の都合なども勘案しながら、引き渡し日を決めます。施主検査による修繕完了が確実な日取りであることも必要です。

メーカー・工務店や不動産会社のスタッフが調整をしてくれるので、希望日を伝えます。

なお、金融機関は週末や祝祭日は基本お休みなので、引き渡し日は平日になると考えておきましょう。会社勤めを休むなども必要となるため、早めに決めたほうが良いことになります。

引き渡しも大切な日ではありますが、契約のときほど六輝にこだわる風習はなく、大安や友引に合わせるケースは珍しいようです。

必要書類や費用をそろえておく

引き渡し日の当日には、一般的に以下の書類や費用が必要です。

  • ● 本人確認書類(免許証など)
  • ● 住民票
  • ● 印鑑証明書と実印
  • ● 通帳と届出印(銀行印)
  • ● 仲介手数料
  • ● 登記費用
  • ● 司法書士報酬
  • ● 固定資産税の清算金(事前に金額の提示がある)

通帳と銀行印は、住宅ローンの融資を受けた金融機関で新しく作ったものを準備します。

費用については、現金で準備を依頼されることも多いです。また、必要な書類は、建築会社や金融機関によって異なる場合があります。当日に必要なものは、事前に細かく教えてもらえるので、当日までに確実に準備をするようにしましょう。

引っ越し準備を進める

引き渡し日が決まったら、それ以降はいつでも引っ越しができるようになりますが、引き渡しから1〜2週間後というのが多いようです。

新居の平面図から家電や家具の配置などを事前に検討しておき、足りないものも購入しておくと、新生活がスムーズに始められるでしょう。

新居のライフラインの開通日も、入居日前に設定しておく必要があります。ガスだけは開栓に立ち会いを要するため、事前にガス会社の人と予定を合わせて、新居で開栓をしてもらいましょう。

つまり、今の家から運ぶガス器具がある場合は、開栓までに新居に運んでおく必要があるのです。

賃貸物件の場合は退去日を家主に伝える

現在の住まいが賃貸住宅の場合、退去日を決めて管理会社を通じ、家主に伝えることが必要です。この日にちは契約書上で「退去の1か月前」とされていることが多く、これより短いと余計な家賃が発生する可能性があるので、注意しましょう。

また、家賃がもったいないからと、早すぎるタイミングで退去日を設定した場合、建設工事や引き渡しの遅れが生じた場合、家族と荷物の行き場がなくなる可能性があります。引き渡し日のタイミングを見極めながら、安全かつ無駄のない退去日設定をしましょう。

なお、賃貸借契約上、「退去月の家賃は日割りにしない」となっているケースもあります。その場合は、月末がお得で無駄のない退去日です。

引き渡し当日の手順

引き渡しの当日は、思いのほか手続きが多く、初めての方は戸惑うかもしれません。この項では、引き渡しの当日に何が行われるかを、細かく解説します。

施主検査で見つかった修繕箇所を確認する

施主検査で指摘した修繕箇所が、問題なく修繕されているかの確認を行います。

妥協をしないでしっかり確認し、指摘していた箇所以外にも問題がないか、もう一度よく見ておくことが必要です。

この過程は事前に済ませておくこともできるので、その場合は決済の指定場所に直接集合しましょう。

金融機関に書類を提出し、残金を支払う

建築会社から実際に物件の引き渡しを受けたことを証明する書類に署名して、融資実行に必要な書類を金融機関に提出して住宅ローンを実行してもらいます。

融資が実行されて施主の口座に振り込まれたお金は、そのまま建築会社や売主、不動産会社(業者売主の土地の場合)の口座に送金され、代金の支払いは完了です。

登記手続きを行う

司法書士にあらかじめ作成してもらった書類の記載内容に間違いがないかどうか確認のうえ、施主が必要箇所に署名などを行いましょう。司法書士は決済後に管轄法務局に出向き、登記手続きの申請を行います。

1~2週間後に登記が完了し、郵送で登記識別情報(いわゆる権利書に相当するもの)が送られてきて完了です。

土地は売主からの所有権移転、建物は建築会社からの所有権移転、土地と建物に金融機関の抵当権設定、売主は住宅ローンなどの抵当権抹消などの手続きを行います。

売主の氏名や住所が謄本上で古いままになっているような場合、書き換えの手続きができないので、事前に直してもらう段取りが必要です。

鍵や建築確認済証などを受け取る

売主への口座着金を確認し、手続きが全て完了すると、家の鍵、建築確認済証、住宅性能評価書などの書類の引き渡しを受けます。鍵は何本を受け取ったかを、書面に書き残しておきましょう。

受け取った書類の確認などが終わったら、引き渡しは終了です。ここまでの所要時間は1時間から、長くて2時間弱というところです。

このあとは引っ越しという流れですが、事前に新居の近隣に転入のあいさつと、引っ越しの車両停車や騒音でご迷惑かける旨、お断りをしておきましょう。簡単な粗品を持参して、両隣や周囲のお宅をまわります。

決済当日の詳細な流れ

1.本人確認・書類確認 売主と買主が本人であるかの確認を行う。同時に決済に必要な書類に不備がないかの確認も進める。
2.登記関係書類の作成 所有権移転登記や抵当権の設定登記などの書類作成をする。手続きは以下の手順に応じてタイミングを合わせて行う。
3.住宅ローンを実行 住宅ローンの融資実行で、金融機関から買主の銀行口座に入金される。

金融機関に支払う事務手数料や保証料などは差し引かれて入金される。

4.残代金・税金の精算 固定資産税・都市計画税は、年度の途中で所有者が変わった場合、当事者間での日割り清算を行う。

取引する物件がマンションの場合、管理費や修繕積立金の清算も必要。

5.売主側の抵当権抹消手続き 残代金の支払いを確認した時点で、売主の抵当権抹消手続きを行う。

売主が住宅ローンや事業用の根抵当権を設定して借り入れている金融機関が担当する。

6.物件の引き渡し 売主から買主に物件の引き渡しがされる。

鍵や管理規約、パンフレットなどを売主から買主に引き渡す。

7.業者等への代金の支払い 不動産業者に支払う仲介手数料、司法書士に支払う登記費用、火災保険料などを支払う。
8.所有権移転登記・抵当権設定 金銭の支払いと物件の引き渡しの完了後、司法書士が法務局で所有権移転登記、抵当権設定登記などの登記手続きを行う。

所有権移転登記の完了までに1~2週間の期間がかかる。登記が完了すると登記完了書類が交付される。

引き渡し時のポイント・注意点

引き渡しは、平穏に当日を迎えられるようで、実はまだトラブルの種が隠れていることがあり、注意が必要です。この項では引き渡し前に注意すべきポイントをご説明します。

施主検査後に正式に引き渡しを受ける

施主検査の結果、「これ以上手直しが出ない」という見極めのあとに、引き渡しを進めることが理想となります。

一度引き渡しを受けると、「新居について完全に納得した、契約内容を満たしていると理解した」とみなされ、それ以降の修繕はアフターケア=有償となることも多いので、要注意です。

ただしここで、今まで指摘してこなかった点を大量に挙げたりすると、「もっと早く言ってください」となり、信頼関係に支障をきたすこともあります。早めの確認と相談をしておくようにしましょう。

保証内容や範囲を事前に確認しておく

アフターケアの内容をしっかり確認しておくことも大切です。

新築の家屋に経年劣化の問題が起き始めるのは、10年前後先となります。ただし、10年先にどのような修繕が、いくらぐらいの予算感で発生するのか、それ以降定期的に発生するメンテナンスの内容を確認しておき、その内容を記録しておくことが大切です。

このほか、目に見えない不具合を事前に見つけるためには、第三者によるホームインスペクションを依頼するのも効果的でしょう。

まとめ

引き渡しの意味とは何か、「竣工」「受け渡し」との違い、注文住宅の引き渡しの準備や注意点を解説しました。

引き渡しは、家造りの最終段階として、確認や手続きが必要となるタイミングです。

傷や不具合だけではありません。仕様の内容がプラン通りか、最終的な請求は予定取りで増額はないか、増額が必要な場合は説明を受けているか、補助金や助成金の手続きは予定通り進んでいるかなど、確認をしましょう。

当日に向けて必要な書類については、気になる点などをよく質問のうえ、準備をしておくことが大切です。

執筆・情報提供

滋野 陽造

保有資格:宅地建物取引士 賃貸不動産経営管理士

早稲田大卒。マスコミ広報宣伝・大手メーカーのWebディレクター・不動産仲介業を経て、ライター業・不動産賃貸業に従事。実務経験をもとに住まいづくり、不動産の売却・購入、暮らしの法令などのジャンルで記事の執筆を行う。

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この記事はハウジングステージ編集部が提供しています。

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