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2020/08/19

住宅取得等資金贈与の贈与税非課税枠って何?

これから住宅の建築や購入等を検討されている方が、その建築や購入資金の計画をたてる際に、両親などから資金援助を受けることができるのであれば、かなり助かると考えている方は多いと思います。住宅を取得しやすくするため、税制的に、両親等から子への資金の贈与について、一定の金額までは、非課税扱いとしています。今回、この住宅取得等資金の贈与税の特例について、みていきたいと思います。

ポイント

  1. 新築等の金額に含まれる消費税額(税率)、契約日、住宅の種類により贈与税の非課税額が決まります。
  2. 非課税の特例を受けるための要件は多々あります。実行前に必ず確認しましょう。

INDEX

暦年贈与の場合、最大1610万円控除される!

令和3年12月31日までの間に、父母や祖父母など直系尊属からの贈与により、自己の居住の用に供する住宅用家屋の「新築」取得(中古含む)または、「増改築」等の対価に充てるための金銭(住宅取得等資金)を取得した場合、一定の要件を満たすときは、図1の非課税限度額までの金額について、贈与税が非課税となります。

図1:非課税限度額

(1)住宅用家屋の新築等の金額が、消費税率10%で計算されている場合
  住宅用家屋の新築等に係る契約の締結日 省エネ等住宅 左記以外の住宅
1 令和2年4月1日~令和3年3月31日 1,500万円 1,000万円
2 令和3年4月1日~令和3年12月31日 1,200万円 700万円
(2)個人間売買により、中古住宅の購入金額に消費税がかかっていない場合など
  住宅用家屋の新築等に係る契約の締結日 省エネ等住宅 左記以外の住宅
1 令和2年4月1日~令和3年3月31日 1,000万円 500万円
2 令和3年4月1日~令和3年12月31日 800万円 300万円

図1をみて頂くとわかりますが、(1)消費税が10%で計算されているか、(2)新築等に係る契約の締結日、(3)省エネ等住宅に該当するかどうか等で、非課税限度額が決められています。

(1) 消費税が10%で計算されているか?

これからの住宅の建築代金や新築物件の購入代金については、消費税は10%で計算されることになりますが、中古物件を第三者である個人から購入する場合や、先に住宅用地だけを購入する場合などは、消費税はかからない場合もあり、そのような取引は対象外となります。

(2) 契約締結日はいつか?

贈与を受けた日や住宅用家屋の完成・引渡しを受けた日が基準となるわけではなく、住宅用家屋に係る請負契約や売買契約を締結した日が基準となります。

(3) 省エネ等住宅とは?

具体的には下記のいずれかの基準をクリアしている住宅用家屋をいいます。

  1. 断熱等性能等級4もしくは一次エネルギー消費量等級4以上であること
  2. 耐震等級(構造躯体の倒壊等防止)2以上もしくは免震建築物であること
  3. 高齢者等配慮対策等級(専用部分)3以上であること

この省エネ等住宅にかかる非課税限度額を適用する場合は、「住宅性能証明書」や「建設住宅性能評価書の写し」などを申告書に添付する必要がありますので、必ず取得して下さい。
暦年贈与の場合は、年間110万円までは贈与税はかかりませんので、住宅取得等資金の非課税限度額と合わせると、今後は、最大1610万円まで(消費税10%・省エネ等住宅、令和3年3月31日までに契約した場合等)贈与税はかからないことになります。
なお、相続時精算課税贈与との併用も可能ですが、ここでは割愛させていただきます。

要件や注意点は?

この住宅取得等資金の贈与税の特例を受けるための適用要件は多々ありますので、実行前に、下記の国税庁HPに掲載されているチェックシートをご参照いただければと思います。
年度毎に更新されますので、最新年度のものをご確認ください。

※国税庁HPはこちら

以下、主な注意点について、簡単にみていきましょう。

(1)両親等から贈与を受けた住宅取得等資金の全額を、自分の住宅用家屋の新築等のために充てた場合に、住宅取得等資金の贈与税の特例が適用されるため、資金の流れが重要になってきます。

  1. 贈与契約書を作成したうえで、両親等から住宅取得等資金を贈与してもらう
  2. 贈与を受けたその資金の全額を、不動産会社等への支払いに充てる

という流れを、贈与を受けた者の預金口座を通して行うことが大切です。直接、両親等の口座から不動産会社等に支払うことはしないでください。

(2)受贈者に関する要件

住宅用家屋の新築等を行う者の直系血族(父母、祖父母)からの贈与が対象となりますので、配偶者の両親(義父母など)からの贈与は対象となりません。また、贈与を受ける者の所得制限(2千万円)もありますので、給与所得等以外に、株取引などを行って結構な儲けを出している方などは、ご注意ください。

図2:住宅取得等資金の贈与に係る大まかな流れ(一例)

(3)住宅用家屋の新築又は取得に関する要件(図2参照)

住宅取得等資金の贈与を受けた日の翌年3月15日までに、新築工事が完了し、もしくは引渡しを受けて住み始めていなければなりません。事前に、竣工又は引渡し予定日と居住予定日を確認しま しょう。ただし、新築工事の場合は、翌年3月15日までに、最低でも上棟まで完了できていれば、必要書類を提出し、完成後速やかに居住することを条件に、この特例が適用されます。その他、面積要件等もありますので、ご確認ください。

(4) 手続き要件

住宅取得等資金の贈与税の非課税の特例を受けるためには、納税がなかったとしても、贈与税申告書を期限内に提出することが要件となっています。忘れずに、贈与を受けた日の翌年3月15日までに、必要書類とともに申告書の提出を行ってください。

住宅取得等資金の贈与税の特例は、贈与を受ける方にメリットがあるだけでなく、贈与する両親にもメリットはあります。相続税対策が必要な場合は、住宅取得等資金の贈与の非課税相当額は、相続財産を有効に減らすことができるため、ぜひとも検討していただきたいものとなります。
後から要件を満たさず、この特例の適用ができなかったということにならないよう、実行前に、必ず、適用要件をご確認ください。

※本文で紹介させていただいた内容は概略となります。また、2020年7月17日時点の情報に基づいております。実際のお取引の際には、改めて詳細をご確認ください。

執筆・情報提供

利根川 裕行(税理士)

利根川税理士事務所 代表。
大学卒業後、大手会計システム関連の会社に入社し、約8年間営業に従事。
その後、税理士を目指し会計事務所に転職してから、他業種の法人業務に携わる。
都内税理士法人の資産税部責任者として、多くの資産税案件に携わったのちに、
令和元年12月に、池袋にて独立開業。
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