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家づくりの雑学

2023.04.27

パントリーの間取りで失敗しないための対策!生活をイメージして理想の家を建てよう

最終更新日:2024/02/13

住宅の間取りを考えるうえで、パントリーを設置するべきかどうか悩んでいる方も多いのではないでしょうか。

パントリーを設置すると収納が増えるため、キッチンまわりがスッキリします。しかし、他の箇所との兼ね合いを考えずに作ると、使い勝手の悪いパントリーになってしまうため注意が必要です。

そこで本記事では、パントリーの間取りで失敗しないための対策やポイントを解説します。本記事を読んでいただければ、自宅の間取りに合った便利なパントリーを作れるでしょう。

住宅の間取りを考えている方は、ぜひ参考にしてください。

INDEX

パントリーの3つのタイプ

パントリーとは食品庫のことです。

食材以外にも食器や冷蔵庫、炊飯器、電子レンジなどの家電を置けるため、パントリーを作るとキッチンスペースを有効活用できます。

オープンキッチンやアイランドキッチンのようにリビングとキッチンが一体となっている場合、キッチンが散らかっていると来客時に目立ってしまいますが、パントリーがあれば心配はいりません。

キッチン回りの食品収納は、以下のデータが示すように大多数の方が不満を持っており、約3分の1がキッチンの収納が足りない、8割以上がパントリーが欲しいという結果になっています。

「パントリーをうまく設置できると暮らしやすくなるのに」という気持ちが伝わってきます。

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なお、パントリーと一口にいっても種類は以下の3つに分けられます。

  • ● ウォークインタイプ
  • ● ウォークスルータイプ
  • ● 壁付けタイプ

本章では各種類の特徴を解説します。住宅の間取りに合わせて適切なタイプを選びましょう。

ウォークインタイプ

ウォークインタイプとは、ウォークインクローゼットのように人が歩けるスペースが確保されたパントリーです。

居室ではありませんが、入り口以外の三方向が壁で囲われているため納戸のようなスペースです。

パントリー内は食器や食材を置くのが一般的ですが、広い面積を確保できれば冷蔵庫などの大型家具も設置できます。

家電や食器を人目に付かないところに置き、キッチンをきれいに見せたい方はウォークインタイプのパントリーを検討しましょう。

ウォークスルータイプ

ウォークスルータイプとは、出入り口が二箇所ありキッチン側と別の部屋から出入りできるパントリーです。買ってきた食材をそのままパントリーに持ち込めるように、玄関や廊下につなげるのが一般的です。

ウォークスルータイプのパントリーは、ウォークインタイプよりも利便性や風通しに優れています。しかし、出入り口を二箇所作る必要があるため、同じ面積の場合はウォークインタイプよりも収納が少なくなると考えましょう。

壁付けタイプ

壁付けタイプのパントリーは、ウォークインタイプやウォークスルータイプのような専用スペースを設けずに、キッチンの壁にパントリースペースを作ります。

他のタイプと比較すると収納力は劣りますが、キッチンにいながら家電の操作や食器の取り出しができるため効率的に家事をこなせます。

しかし、リビング側からパントリースペースが見えてしまう可能性があるため、目隠しを設けるなどの工夫が必要です。

独立したパントリーを作るスペースがない方は、壁付けタイプを検討しましょう。

パントリーのメリット・デメリット

パントリーにはメリットもあればデメリットもあります。

本章では住宅にパントリーを作るメリット・デメリットを詳しく解説します。パントリーの特徴を踏まえて、パントリーを設置するべきかどうかを考えましょう。

パントリーのメリット

パントリーを作るメリットは以下の通りです。

  • ● 多くのモノを収納できる
  • ● キッチンがスッキリする

各メリットについて詳しく見ていきましょう。

多くのモノを収納できる

パントリーを作ると多くのモノを収納できます。

これまで購入してきた食器やまとめ買いした食材、調味料、キッチン用品などの置き場に困っている方は多いでしょう。

これらをキッチンに置いてしまうと見栄えが悪くなることに加え、調理スペースが狭くなってしまいます。しかし、パントリーを作ればキッチンがモノで溢れかえることもなくなり、気持ち良く家事がこなせます。また、収納が豊富にあるためスーパーに買い物に行く頻度も減らせるでしょう。

キッチンがスッキリする

パントリーを作るとキッチンの荷物をパントリーに置けるため、キッチンがスッキリします。

キッチン収納として人気なのはカップボードですが、カップボードに炊飯器や食器を置くとリビング側から見られてしまいます。

見せる収納としてカップボードを活用するのも良いのですが、見栄えを良くするにはこまめに掃除や整頓をしなければなりません。来客が多い家庭や掃除が苦手な方にとってカップボードでの収納は苦労も多いでしょう。

一方、パントリーであればリビング側から見えないため、収納の見栄えを気にする必要はありません。キッチンに不要なものはパントリーにしまい、キッチンを広々と使いましょう。

パントリーのデメリット

パントリーのデメリットは以下の通りです。

  • ● 面積を確保するのが難しい
  • ● つい余計なものを買いすぎてしまう

各デメリットについて詳しく見ていきましょう。

面積を確保するのが難しい

パントリーを作ると家事が便利になりますが、家の広さは限られているためすべての住宅でパントリースペースを確保するのは難しいでしょう。パントリーを広くする分、他の部屋を狭くしなければならない可能性があります。

また、パントリーはキッチンの近くに作るのが一般的ですが、リビングや浴室など他の部屋との兼ね合いで最適な箇所にパントリーを作れない場合もあるでしょう。家づくりで後悔しないためにも、各部屋の優先度をもとに間取りを考える必要があります。

つい余計なものを買いすぎてしまう

パントリーのような広い収納スペースがあると、つい余計なものまで買ってしまう点に注意が必要です。

食材は賞味期限・消費期限があるため、必要以上に買いすぎると腐らせてしまうでしょう。特に夏場はパントリー内が高温多湿になり、食材も傷みやすくなります。

また、食材だけでなく使用頻度の低い食器や調理器具も購入しがちです。置ける場所があるとしても本当に必要かどうかを踏まえて購入しましょう。

パントリーの間取りでよくある失敗と対策

パントリーの間取りでよくある失敗は以下の通りです。

  • ● 広さが合わない
  • ● コンセントが少ない
  • ● 湿気がこもる
  • ● 暗くて使いにくい
  • ● 動線が使いにくい

本章では上記の具体的な内容と対策を紹介します。失敗事例を踏まえて最適な間取りを考えましょう。

広さが合わない

パントリーの広さが十分でないと、収納が不足してパントリーを作る目的が達成できない可能性があります。反対に広く作りすぎて持て余してしまうこともあるでしょう。広く作りすぎると「他の部屋をもっと広くするべきだった」と、後悔の原因にもなります。

パントリーを作る前に収納するモノの量や種類を把握して、必要な広さを計算する必要があります。また、パントリーに収まらないものは、他の収納スペースに分散させることも検討しましょう。

コンセントが少ない

パントリーには食材だけでなく、冷蔵庫や電子レンジ、調理器具などを設置できますが、コンセントの数が少ないと必要な機器を設置できない可能性があります。

パントリーを設計する際は、設置する家電をもとにいくつのコンセントが必要かを確認しましょう。掃除機などにコンセントを使うタイミングもあるため、少し多めに作っておいても良いでしょう。

なお、使用する家電によってはアース端子付きのコンセントが必要です。アース端子は漏電した際に電気を逃がす役割があり、アース端子を接続しないと火災などの危険があります。

アース端子がない場合は、電気工事店や家電販売店に依頼する必要があるため、二度手間にならないように建築時に取り付けておきましょう。

湿気がこもる

押し入れやクローゼット同様にパントリーは湿気がこもりやすいです。湿気がこもると食材が傷みやすくなるため、夏場などは特に気を付けましょう。

パントリーに湿気がこもるのを防ぐには、パントリー内に窓や換気扇を設置するのがおすすめです。ただし、パントリーが北側にあると日が当たらず冬場に結露が生じる場合もあるため、方位には注意しましょう。

他にも、ウォークスルータイプにして風通しを良くする方法や、湿気を吸収する壁材を使用する方法があります。建築後に湿度対策する場合は、除湿機や除湿剤を使用しましょう。

暗くて使いにくい

パントリーには必ず照明を設置しましょう。

パントリーの奥は夜間だけでなく日中も暗くて見えにくいため、食材を探すのに手間がかかります。また、高い場所のモノを取るときには危険もあるでしょう。

パントリー内すべてが十分な明るさで照らされるように、照明の位置を考慮する必要があります。人感センサーを付けると、買い物帰りで両手がふさがっているときでも便利です。

動線が使いにくい

パントリーがキッチンから離れていると食材の取り出しや収納に時間がかかってしまうため、キッチン近くに設置するのが望ましいです。

また、玄関から離れていると買い物後の荷物運びが大変であるため、玄関との位置関係も重要です。

玄関の近くに設置できない場合は勝手口付近にパントリーを設けたり、パントリー内に勝手口を設けたりと、便利な動線を考えましょう。

なお、パントリーの出入り口は引き戸にするのがおすすめです。引き戸にするとパントリーを開けっ放しにできることに加え、両手がふさがっているときでも出入りしやすくなります。

パントリーを設ける際のポイント

パントリーを設ける際のポイントは以下の通りです。

  • ● 可動棚にする
  • ● 棚の奥行きを変える
  • ● 生活を具体的にイメージする

上記のポイントを意識することで、使い勝手の良いパントリーを作れるでしょう。各項目について詳しく解説します。

可動棚にする

パントリーは可動棚にすると利便性が向上します。パントリーに収納するものは大きさや形が異なりますが、可動棚であれば柔軟に調整できるためです。

水などの重いものは下に置き、普段使うものは目線の高さに置くなど、使いやすいようにカスタマイズしてみましょう。パントリーの使い方や置くものが今後変わる可能性があるため、柔軟に対応できるようにしておくことが大切です。

棚の奥行きを変える

パントリーは棚の奥行きを変えることで、さまざまなものを収納できます。

たとえば「奥行きが浅い棚には缶詰やスパイスなどの小さなものを収納する」「奥行きが深い棚には調理器具や保存容器を収納する」などです。

一般的にお皿やグラス、調味料などは奥行き30cm程度、キッチン家電やホットプレートなどは45cm程度の奥行きがあると収納しやすくなります。

また、60cm程度の奥行きが深いものを作ると、現在は使用していない荷物や非常食を一箇所にまとめておけます。

生活を具体的にイメージする

パントリーを設ける際は家族のライフスタイルに合わせて動線や収納するものなど、具体的な生活を考える必要があります。

パントリーの具体例は以下の図を参考にしてください。

間取りを考える際は上記のように個々に理由を添えることで、失敗を避けられるでしょう。

おすすめのパントリーを用いたキッチン収納事例

パントリーの間取りに失敗しない予備知識として、収納の事例をご紹介します。理想のキッチン収納を作る参考にしてください。

最下段をキャスターつきワゴンに

最下段に飲み物などの重いものを置くうえで、キャスター付きのワゴンを活用すると、使い勝手が向上します。高さや段数など、用途に合わせて選びましょう。

スライドドアが理想

パントリーだけでなくキッチンの収納は、スライドドア、引き戸がおすすめです。開けたまま手で支えずにものが出し入れでき、中を掃除する時は扉を簡単に取りはずせます。

見せるオープン収納

扉などがあった方が見た目はすっきりしますが、装飾的な意味でパントリーの一部を見せる収納にする方法もあります。パッケージのきれいな食材やおやつを置くと、パントリーを活用するモチベーションになるでしょう。

100円均一のかごを活用する

100円均一ショップのかご類を、パントリー内の整理に活用しましょう。色を統一したり、分類の目印にしたりできます。形も素材もさまざまな種類から選ぶことができます。

センサーライトで明るさを確保

パントリー内は、最初から意識して設計しないかぎり暗くなりがちですが、補助的にセンサー付きのライトを活用すれば、スイッチ操作なしで便利です。明るさを求める場合は屋外用の電池式のものを転用するのがおすすめです。

分別できるごみ箱を置く

キッチンはさまざまなゴミが出やすい場所なので、分別できるごみ箱をパントリー内に設けると、合理的な動線でゴミ処理ができて便利です。

大きめの引き出し

大きめの引き出しがあると、食器等の収納にも活用できます。前述の棚の奥行き同様、45cm程度の奥行きがあると、たまに使う電動調理器具や食器、60cm程度の奥行きがあれば大きめの鍋や非常食を置けるでしょう。

後付け目隠しの工夫

最初から棚にしっかりした扉を付けるとコストがかかるうえ、あとで使い勝手が変わって不便な場合もあります。後付けでローススクリーンやナイロン製のシャワーカーテンを活用するのも良いでしょう。

DIYで後付けパントリー

パントリー用のスペースを間取りに設けておいて、あとでDIYでカスタマイズしていく方法もおすすめです。無印良品、ニトリ、IKEAなどから豊富な種類のユニットシェルフが販売されており、サイズをカスタムオーダーできるものもあります。

スペースを活用する

オリジナルのパントリースペースを作る場合、キッチンの中の空きスペースを上手く見つけて活用しましょう。カウンター下などは意外に使い勝手が良いです。

まとめ

本記事ではパントリーの間取りで失敗しないための対策やポイントを解説しました。

パントリーを設置する際は失敗を避けるために、広さやコンセント、動線などさまざまなことを考慮する必要があります。

家族の生活をイメージして、どのような間取りが適しているのかを考えましょう。しかし、頭のなかでイメージするのには限界があるため、モデルハウスなどを見学してイメージを膨らませるのがおすすめです。

執筆・情報提供

岡﨑渉(おかざきわたる)

国立大学卒業後新卒で大手不動産仲介会社に入社。約3年間勤務した後に独立。現在はWebライターとして活動中。不動産営業時代は、実需・投資用の幅広い物件を扱っていた経験から、Webライターとして主に不動産・投資系の記事を扱う。さまざまなメディアにて多数の執筆実績あり。宅地建物取引士・FP3級の資格を保有。

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この記事はハウジングステージ編集部が提供しています。

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