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家づくりの雑学

2020.02.19

二世帯住宅のおしゃれな間取り事例を紹介!費用相場も解説

最終更新日:2024/08/14

近年、高齢化社会が進むにつれて、二世帯住宅を選ぶファミリーが増えています。
一方で、二世帯住宅を検討しながらも、生活面に不安がある人も多いのでは?
そこで今回は、二世帯住宅の間取りと、二階の間取りを考えるポイントについてご紹介します。

INDEX

二世帯住宅の間取り

年齢や世代の異なる二世帯の同居のために、これまで間取り上のさまざまな工夫が行われてきました。しかしその基礎となるのは、これからご紹介する以下の3種類のパターンです。

  • ● 完全同居型
  • ● 部分共用型
  • ● 完全分離型

完全同居型

家族それぞれの寝室以外の、すべての空間を共用するタイプです。親世帯・子世帯の交流の時間が取りやすく、家族団らんを楽しめます。

また、少ないスペースで、費用を抑えながら無理なく二世帯住宅をつくることができる点もメリットでしょう。

ただし、生活の時間帯が違う場合は気を遣わなければならないため、窮屈に感じる人もいるかもしれません。完全同居型は親世帯と子世帯が接している時間が長いため、家族それぞれのプライベートな時間や空間の確保にも配慮が必要です。

部分共用型

一部共有型とも呼びます。玄関や浴室などの一部の設備を共用しつつ、親世帯・子世帯で生活するゾーンを分けるタイプです。
建築にかかるコストを抑えつつ、適度にプライバシーを保てるため、人気の間取りです。
たとえば、二階建ての住宅なら一階に親世帯、二階に子世帯を振り分ける間取りが一般的です。

玄関や、水回りでも利用があまり重ならない設備は一つにするなど、間取りの設計の自由度が高く、コストも適度に抑えられます。

ただし完全分離と違って、両世帯の生活パターンによって間取りの検討が必要になるため、同居の成功に向けて、設計段階でしっかり話し合いをする必要があるでしょう。

完全分離型

家の中で親世帯と子世帯の間取りが完全に独立して玄関も別、両世帯は行き来ができないか、扉1枚でつながっている間取りです。両世帯は1階・2階で分けたり、左右で分けたりと、方法はさまざまです。

お互いのプライベートな時間や生活時間帯に気遣いがなく、生活リズムも一定に保てます。また、お客様も気兼ねなく呼ぶことができるでしょう。

完全分離型は必要な土地も家も大きくなり、予算上も高価なほか、居住空間や収納を必要な分得るためには、間取り上の工夫が必要になることも考えられます。

設備は家2軒分となりますが、独立して登記すると固定資産税、不動産取得税、住宅ローン控除など、さまざまなメリットがあります。ただし、別々に登記すると相続税の評価上は不利となる場合があるため、今後の状況などによって、どうするかを決めるのがおすすめです。

以下は、集合住宅の3タイプの選択割合に関するアンケート結果です。

おしゃれな二世帯住宅の間取り事例6選

二世帯住宅は、親世帯と子世帯の利便性や快適性を考えると、制約の多い間取りになってしまうと考えがちですが、楽しい暮らしを連想させるおしゃれな間取りもたくさん見られます。

生活に根差しながらおしゃれを感じられる二世帯住宅の間取り例をご覧ください。

【完全同居型】利用の自由度や趣味にも配慮

シンプルな完全同居型の間取りの中で、生活の潤いの工夫を施しています。縁側デッキで1階各室の行き来や視認性を良くした工夫が印象的で、家族のつながりを意識させてくれるでしょう。

この縁側デッキは室内4か所から自由に出入りができるうえ、東側の路面からは完全に視線が遮断され、安らぎをもたらす構造です。

実用的に終始しがちな2世帯用の間取りですが、1階にはリビングの吹き抜けや和室の前室、ピアノを置いた趣味室、二階のコーナーにはバルコニーなど、ゆとりのある空間使いがされ、同居の心理的負担を和らげます。

複数の世帯の出入りを意識して、玄関は生活感が出ないように工夫し、生活動線上は土間収納経由で出入りする構造です。

この間取りは親世帯だけでなく、二階にきょうだいなど親類が同居することも意識して考えられており、収納やプライバシーにも十分に配慮したうえでの設計となっています。

1階

間取り図の掲載協力『madree(マドリー)』

2階

間取り図の掲載協力『madree(マドリー)』

【完全同居型】あまり仕切らず将来は柔軟に

5~6人家族を想定している間取りですが、1階は居室ひとつだけという広々した空間使いに徹しています。

これはこの先、親世帯が1人~介護のスタートを考えて、動きやすい動線を維持するための余裕を意識しています。リビングや和室に面した庭は広々として、採光も十分な間取りでしょう。

子どもの独立に伴って、必要であれば二階にリビングやキッチンを設けるのも良いですし、あとからどのようにでもアレンジが可能です。あまり決め込まずに、暮らし方の変化に合わせて対応できる間取りといえるでしょう。

1階家事動線がコンパクトにまとまっていることや、二階のクローゼットの集約など、実は暮らしの効率も追求している点も、見逃せません。

1階

間取り図の掲載協力『madree(マドリー)』

2階

間取り図の掲載協力『madree(マドリー)』

関連記事:
完全同居型の二世帯住宅ってどんな家?メリットとデメリットをチェック!|住宅展示場のハウジングステージ

【部分同居型】一人暮らしに負けない自由を

1階の母の居室にミニキッチンと冷蔵庫を設け、体調や気分によって簡単な自炊もできるワンルームを備えた部分同居型は、経験からくる知恵が素晴らしい方式です。

ワンルームの中のミニ応接で家族とちょっと話し込むこともでき、体調が不安定なときには、一人でゆっくり休めます。

子世帯にもご夫婦それぞれの居室を設けることで、一人の時間を設けられ、同居のストレスも解消できるでしょう。そしてリビングは、吹き抜けと大きな開口部、ウッドデッキで、皆が集まりたい空間になりました。

変形地かつ旗竿地(路地状敷地)の土地のため、建物の形が複雑になり、総工費がかかる設計です。しかしそれを逆手に取り、壁面の凹凸を活かして各室の採光部を多く設け、戸外は植栽で気持ちのいい景色をつくることで、充実したおうち時間がイメージできる二世帯の住まいとなりました。

1階

間取り図の掲載協力『madree(マドリー)』

2階

間取り図の掲載協力『madree(マドリー)』

【部分同居型】部分同居と完全分離のいいとこ取りを

左側二階建て扱いの子世帯と、右側平屋扱いの親世帯を、共通の玄関とホールでつないだ部分同居型です。水回りの設備は、両世帯がそれぞれ独立して持ちますが、部分同居に分類する構造でしょう。

夜間の車の出入りや、重い荷物の搬入などは、子世帯側から行うので親世帯には安心です。

大きなウッドデッキの空間からお互いの生活が良く見え、同じシンボルツリーや外の景色を眺める日々は、ひとつ屋根の下の暮らしを実感できることと思います。

ホールすぐ外の、ウッドデッキの中心部で両世帯でのアウトドア食を楽しむのも良いのではないでしょうか。

高齢の方は比較的荷物が多めの傾向ですが、大きな専用収納・納戸を3か所持ち、両世帯ともに普段はものを少なめに、すっきり暮らせるようにもなっています。

1階

間取り図の掲載協力『madree(マドリー)』

2階

間取り図の掲載協力『madree(マドリー)』

【完全分離型】2軒でもOKなケース

少し趣旨から外れますが、土地代・建築費ともにお値ごろな地方では、文字通り同じ敷地内に2軒完全分離で住まいを設ける例も、依然多く見られます。右側が二階建ての子世帯、左側が平屋の親世帯です。

親世帯は生活の負担の少ない、極力シンプルな動線で、ファミリークローゼットや、車椅子も想定したスロープを設けた広い玄関を備えます。

コンパクトな平屋は掃除や片付けの手間も少なくて済みます。必要であれば、来客の対応や両世帯の団らんは、子世帯の家で行えば用が足りるでしょう。

2軒の家を維持していくのは大変なようで、同じ敷地内で必要に応じて相続したり、修繕や建て替えを順次行っていったりすれば、長い目で見てコスト面でも合理的な形になると思われます。

1階

間取り図の掲載協力『madree(マドリー)』

2階

間取り図の掲載協力『madree(マドリー)』

【完全分離型】世帯の面積差をピロティで活用

親世帯と子世帯がフロアで分かれる場合、基本的に親世帯が1階、子世帯が二階となりますが、必要な面積は子世帯のほうが多くなります。

この間取りは親世帯2人、子世帯4人が暮らす家です。この家の特徴は、子世帯との面積差の部分をピロティとし、有効に活用していることです。ピロティとは、壁がなく屋根と柱だけで構成された吹き抜け空間です。

子世帯4人家族のスペースは無駄のない設計とはいえ、充実した内容を反映して、3LDKとなります。1階部分は実質1LDKなので、周囲に設けたピロティの下で家庭菜園や日光浴、簡単な体操まで、直射日光や雨を気にせずにできます。

なお、この間取りは玄関まで2つ備えますが、玄関を共有している場合は、一階と二階を別にする区分登記はできません。設計の段階から共有や贈与、相続などの点も考慮して、間取りを検討しましょう。

1階

間取り図の掲載協力『madree(マドリー)』

2階

間取り図の掲載協力『madree(マドリー)』

関連記事:
二世帯住宅の完全分離型で後悔しないには?費用や税金の優遇についても解説!|住宅展示場のハウジングステージ

二世帯住宅の間取りで後悔しないために

二世帯住宅にして良かったことも多い反面、「後悔した」話はたくさんあります。それは同居する者同士の相性や感情の問題だけではなく、間取りや事前の取り決めに対する考え方の不足が後悔の種となった場合が、多数考えられます。

以下は二世帯住宅で後悔した点に関するアンケート結果です。

二世帯住宅で後悔しないための工夫として、以下を参考にしてください。

二世帯の生活や家事の考え方を把握する

同居のための二世帯住宅の間取りを考えるうえで、まず以下のような点を確認してみましょう。

  • ● 起床と就寝の時間
  • ● 料理・食事・入浴などのサイクル
  • ● 来客の頻度や人数
  • ● 趣味や余暇の過ごし方

お互いの生活サイクルにズレがあって、それがストレスの原因となる場合は、設備を分けるのも選択の一つです。キッチンなどの場合は、前述のようにご両親の個室にミニキッチンや冷蔵庫を設ける方法もあります。

趣味や余暇の過ごし方があるなら、可能な範囲でそれに応えてあげたいものでしょう。たとえば家庭菜園や書斎の設定などです。

プライベートスペースと共用スペースのバランスを取る

お互いのライフスタイルに合わせて、個人のスペース・共有するスペースのバランスを検討しましょう。全員が集まれる場所、どちらかの世帯が使用する場所に分けて考えます。

一日の終わりにくつろぐ時間が異なる場合に備えて、それぞれのフロアにリビングを設けるのも良いです。ストレスを感じない距離感は、同居開始後も模索することになるでしょう。

リビングや水回りの共有・分離を考える

一方でリビングは家族全員が集まる場所という機能もあるため、完全分離型であっても、どこかに集まれるリビングを意識すると良いでしょう。

また、両親2人に夫婦2人、更に子ども2人など6人家族の場合は、お風呂の時間がかなり難しいことになります。キッチンなどの施設は共有しても、お風呂は2つあったほうが良いという選択肢もできるでしょう。

「なかなか入れないから、今日はお風呂はやめる」という状況は避けたいものです。

子育ての連携についても考える

祖父母と孫の触れ合いは、双方にとって良いといわれています。また、子どもの世話を見てもらえるのもとてもありがたい反面、前出のアンケートのように、教育方針をめぐって後悔が生じることも、少なくありません。

どこまで助けてもらうのか、ある程度寛容になって任せるか、あるいは就学年齢以降は学童保育などを利用し、頼らないと決めるか、最初にある程度の方向性を決め、実情に合わせて調整することが必要になるでしょう。

将来の介護や、親が亡くなったときについて

二世帯同居の未来には、自宅介護の可能性がないとはいえません。2021年の調査では、在宅介護が56.8%、施設や病院介護が41.7%の割合となっています。

高齢者の体調の変化はさまざまなので、深刻に身構える必要はありませんが、介護まではいかないまでも、身体の弱った親世代が楽に過ごせる環境を、先に考えておく必要があります。

介護装備はあとからでも大丈夫ですが、あとからリフォームなどは不要なように、バリアフリーに備えた生活動線を反映した間取りを検討しましょう。

二世帯住宅の費用の相場は?

二世帯住宅の施工費用は、建てるエリアや同居のタイプによってかなりの差となり、いくらかかるか一概にいうのは難しい面があります。下記はあくまで目安ですが、家族の構成の変化や、将来の状況予測も視野に、間取りを検討しましょう。

※価格は建物の本体工事費の目安です。

完全同居型・38坪の場合の費用シミュレーション

5人家族の二世帯・完全同居型であれば、建築コストは通常の4LDKと大きく変わるところはありません。二階にセカンドリビングを設け、ご両親の体調の変化に合わせて、ゆとりある動線設計にしておくと良いでしょう。

コンセプト 一階は親世帯+共用、二階に子世帯のプライベートスペース。
世帯構成 親世帯:2人
子世帯:夫婦+子ども1人
延床面積 38坪
間取り 二階建て4LLDK+ランドリールーム+2ウォークインクローゼット+テラス
本体工事費 約2,480万円

1階

間取り図の掲載協力『madree(マドリー)』

2階

間取り図の掲載協力『madree(マドリー)』

部分同居型・42坪の場合の費用シミュレーション

キッチンやお風呂を共有しながら、広い建坪を活かして1階に家族共通の家事や、接客のための充実したスペースを設けた例です。クローゼット類の充実度や、ガレージ・お勝手からパントリーまでの動線などの工夫が暮らしやすさに活きます。

家族全員による団らんも実現しながら、それぞれの家族がプライベートな時間を持てる設計となっています。

コンセプト 家族全員の暮らしの充実と、個々のプライバシーの両立。
世帯構成 親世帯:1人
子世帯:夫婦+子ども1人
延床面積 42坪
間取り 二階建て4LLDK+S+2ウォークインクローゼット
本体工事費 約2,750万円

1階

間取り図の掲載協力『madree(マドリー)』

2階

間取り図の掲載協力『madree(マドリー)』

完全分離型・52坪の場合の費用シミュレーション

階段を下りた廊下の先の扉で両世帯のつながっている、完全分離の間取りです。設備類を共有せず、1階のスペースもゆとりを持って設計されているため、お値段は相応にかかります。

広い土地面積の確保が難しい都市部の場合、1階の間取り構成とカースペースをコンパクトに見直し、2~3階を子世帯用とする3階建てにする方法もあります。

コンセプト 生活リズムが違う母にも、気を遣わず迷惑をかけず生活できています
世帯構成 親世帯:2人
子世帯:夫婦+子ども2人
延床面積 52坪
間取り 二階建て5LLDDKK+ランドリールーム+2ウォークインクローゼット+小屋裏収納+ベランダ
本体工事費 約3,100万円

1階

間取り図の掲載協力『madree(マドリー)』

2階

間取り図の掲載協力『madree(マドリー)』

関連記事:
二世帯住宅はいくら予算があれば建てられる?費用相場や減税制度をご紹介|住宅展示場のハウジングステージ

二世帯住宅の二階の間取りの考え方 

二世帯住宅の間取りの工夫は、タイプを問わず二階の設計で暮らしやすさが左右されます。同居の負担を軽くし、すっきりと片付いた暮らしをする方法をご説明します。

リビングや水まわりは上下階でそろえる

共用の収納スペースを設けておきましょう。
季節のイベントで使うアイテムや普段は使わないものを片付けておけます。
家族の人数が多いとものが多くなり、ごちゃついて見えるため、世帯ごとのクローゼットを設けるのもおすすめです。

リビングを設置する

リビングを世帯ごとに設けるのがおすすめです。
趣味を楽しんだり、友人を招いたりするときにも活用できます。
二世帯住宅であっても、それぞれの家族がプライベートな時間を持てるでしょう。

まとめ

二世体住宅を考える際には、どのタイプの間取りが家族のライフスタイルに適しているのかを考えることがもっとも大切です。
二階の間取りでは、リビングや水まわりを上下階でそろえたり、世帯ごとにリビングを設けたりすることで、プライバシーを保ちつつ豊かな暮らしを実現できるでしょう。

モデルハウスではいろんな事例の話を伺えますので、お近くの住宅展示場に足を運んでみてはいかがでしょうか?

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この記事はハウジングステージ編集部が提供しています。

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